Xacti
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Xacti(ザクティ)とは、三洋電機のデジタルカメラのブランドである。
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[編集] 特徴
もともと一般的なデジタルカメラと同じ形の製品を販売していたが、2003年のDMX-C1より、拳銃のような形をしている「ガングリップタイプ(またはグリップタイプ)」と呼ばれる製品を出している。動画の撮影に重点が置かれており、なかでも一番の特徴は、「動画を撮影しながら写真(静止画)も撮影できる」機能である。そのため、自社の製品を「デジタルムービーカメラ」と称している。
DMX-C1 以降の機種の動画のフォーマットは、MPEG-4 である。MPEG-4 はパソコンへ取り込む際、映像ファイルや音声ファイルに分かれることなく一つのファイルとして取り込まれるので、管理・保存が容易である。またWeb上でのストリーミングやポッドキャスト、iPodなどとの親和性が高い。
なお全ての製品の記録媒体は、SDメモリーカードである。また現在販売されているほとんどの製品は、SDHCメモリーカードにも対応している。
- ※各製品の詳細については、下記の項目「製品一覧」を参照。
[編集] ハイビジョン
現在販売されている製品のうち、ハイビジョンで撮影できるのは、DMX-HD1 と DMX-HD1A と DMX-HD2 の3機種である。これらの機種で採用されているフォーマットは「720p」と呼ばれるもので、解像度が「1280×720」、アスペクト比が「16:9」のプログレッシブ走査方式の映像である。 一般的に「ハイビジョン」と言えば、テレビ放送では解像度が「1920×1080」の映像を指し、デジタルカメラやデジタルビデオカメラの場合は、「1440×1080」や「1920×1080」などの解像度の映像を指すが、これをパソコンで保存・再生・加工したりするには、使用するパソコンに高い性能が要求される。これに対し720pは、解像度が小さな映像であるため、比較的性能が高くないパソコンでも保存・再生・加工できる点が、特徴である。
[編集] 製品一覧
[編集] スチルカメラ型
- DSC-J1 - 2003年3月発売。この機種で初めて、「Xacti」と言うブランド名が用いられた。有効画素数が、320万画素。「音声ガイド」機能搭載。色はシルバーとピンクの2色。
- DSC-S1 - 2003年9月発売
- DSC-J2 - 2003年10月発売。発売当時は、起動が世界最速(0.9秒)であった。
- DSC-J4 - 2004年発売。デジタルカメラとしては初めて、「アシストライト」機能を搭載した。
- DSC-S3 - 2004年6月発売。専用バッテリーだけでなく、乾電池も使用出来た。有効画素数は、300万画素。
- DSC-S4 - 2004年7月発売。専用バッテリーだけでなく、乾電池も使用出来た。有効画素数は、400万画素。
- DSC-S5 - 2005年2月発売。有効画素数は、510万画素。
- DSC-E6 - 2005年9月発売。有効画素数は、600万画素。「タッチフォーカス」機能搭載。色は、シルバーと白の2色。
- DSC-S6 - 2005年10月発売。「タッチフォーカス」機能搭載。有効画素数は、600万画素。電源は乾電池のみ。
- DSC-S60 - 販売店受注モデル
- VPC-E60 - 海外販売のみ
- VPC-S50 - 2006年11月発売。有効画素数は、510万画素。欧州のみの発売。
- DSC-S7 - 販売店受注モデル
- DSC-E7 - 2006年10月発売。国内向け専用モデル
[編集] ガングリップ型
- DMX-C1 - 2003年11月発売。ガングリップタイプの製品では、一番最初に発売された。有効画素数が、320万画素。充電やパソコンとの接続用として、ドッキングステーションを初めて採用した。最初に販売された製品の色はシルバー1色であったが、後になって赤と黒のモデルを出している。
- DMX-C4 - 2004年9月発売。初めて「手ぶれ防止」機能が付いた製品。この製品から、自社の製品を「デジタルムービーカメラ」と称するようになった。有効画素数が、423万画素。色はゴールドと青とオレンジ色の3色。
- DMX-C5 - 2005年3月と4月に発売。DMX-C4 に比べて半分程度の大きさまで、小型化された製品。有効画素数は、500万画素。色は、シルバーとブロンズ色と白の3色。
- DMX-C40 - 2005年11月発売。60fps(1秒あたり60コマ)でのテレビ再生機能を初めて搭載。
- DMX-C6 - 2005年11月発売。有効画素数は、600万画素。色はシルバーと赤と黒の3色に加えキティモデルがある。9画素混合ムービー技術により、夕暮れ時や室内撮影でも高感度撮影可能になった。ファームウェアの更新で、SDHCメモリーカードに対応。
- DMX-CA6 - 2006年8月発売。「JIS保護等級4」に相当する「生活防水」機能を備えている。SDHCメモリーカード対応。有効画素数は、600万画素。色は、シルバーと白の2色。
- DMX-CG6 - 2006年11月発売。内蔵しているジャイロセンサーで撮影時のぶれを記録して後からカメラ内で修正できる、「手ぶれキャンセラー」機能を搭載。SDHCメモリーカード対応。有効画素数は、600万画素。色は、シルバーと青とピンクの3色。
- DMX-CG65 - 2007年4月発売予定。動画のフォーマットに、MPEG-4の「H.264」を採用。内蔵しているジャイロセンサーで撮影時のぶれを記録して後からカメラ内で修正できる、「手ぶれキャンセラー」機能を搭載。SDHCメモリーカード(8GB)対応。有効画素数は、600万画素。色は、シルバーと緑と黒の3色。
[編集] ハイビジョン
- DMX-HD1 - 2006年2月発売。Xacti で初めて、ハイビジョン撮影に対応した機種。有効画素数は、510万画素。光学10倍ズーム搭載。ファームウェアの更新で、SDHCメモリーカードに対応。
- DMX-HD1A - 2006年9月発売。ハイビジョン撮影が可能な機種。有効画素数は、510万画素。光学10倍ズーム搭載。SDHCメモリーカード対応。
- DMX-HD2 - 2007年3月発売。ハイビジョン撮影が可能な機種。有効画素数は、710万画素。光学10倍ズーム搭載。SDHCメモリーカード(8GB)対応。
[編集] 年表
- 2003年3月21日 - Xactiブランドとして、DSC-J1 発売
- 2003年9月19日 - DSC-S1 発売
- 2003年10月10日 - DSC-J2 発売
- 2003年11月7日 - DMX-C1 発売
- 2004年3月7日 - DMX-C1 の新色のモデル発売
- 2004年6月4日 - DSC-S3 発売
- 2004年7月9日 - DSC-S4 発売
- 2004年9月10日 - DMX-C4 発売
- 2005年2月5日 - DSC-S5 発売
- 2005年3月25日 - DMX-C5 のシルバーモデル発売
- 2005年4月8日 - DMX-C5 のブロンズ色と白色モデル発売
- 2005年9月 - DSC-E6 発売
- 2005年10月 - DSC-S6 発売
- 2005年11月 - DMX-C40、DMX-C6 発売
- 2006年2月 - DMX-HD1 発売
- 2006年8月 - DMX-CA6 発売
- 2006年8月4日 - DMX-HD1 がSDHCメモリーカード対応に
- 2006年9月 - DMX-HD1A 発売
- 2006年10月 - DSC-E7 発売
- 2006年10月27日 - DMX-C6 がSDHCメモリーカード対応に
- 2006年11月 - DMX-CG6 発売
- 2007年3月9日 - DMX-HD2 発売
- 2007年3月14日 - 三洋電機が4社と協力して、「Xacti 2.0」プロジェクトを発足
- 2007年4月 - DMX-CG65 発売予定
[編集] 発展
[編集] Xacti-Universe
三洋電機は、Xacti を中心とした周辺機器などの製品展開や活動を「Xacti-Universe(ザクティ・ユニバース)」と称して、推進している。具体的な内容は、「Xacti で撮影した動画を自社製品のプロジェクターで活用することを提案する」などである。
[編集] Xacti 2.0
2007年3月、三洋電機は Xacti-Universe を更に発展させ、株式会社シーボックス、株式会社エムログ、シックス・アパート株式会社、株式会社ボイスバンクの4社と共同で、「Xacti 2.0」プロジェクトを発足させた。プロジェクトの内容は、Xacti DMX-CG65 で採用された MPEG-4 H.264 形式の動画を各社のサービスで使えるようにするほか、宣伝活動や市場動向調査の協力などである。