えのしま (列車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
えのしまとは、小田急電鉄が新宿駅~片瀬江ノ島駅間を小田原線・江ノ島線経由で運行する特別急行列車の愛称。
目次 |
[編集] 運行概況
- 基本的には、「えのしま」単独運転時には20号から上り(新宿駅行き)偶数・下り奇数で運行順に符番されるが、「はこね」・「さがみ」の併結運転時には「はこね」・「さがみ」の列車号数を踏襲する。
- 平日:下り3本、上り6本運転。「はこね」・「さがみ」との併結運転が基本。例外的に、上りの「えのしま」20号・24号のみ単独運転。
- 休日:下り6本、上り8本運転。「えのしま」単独運転が基本となるが、上り「えのしま」92・48号は併結運転。
- なお、平日では昼間時間帯の「えのしま」を削減して快速急行を増やしたものの、トイレや車内販売設備がなく快適性が劣るロングシートを備えた通勤車両の為に新宿~藤沢間で競合するJR東日本の湘南新宿ラインに利用客が取られるという事態が発生し、特にグリーン車での利用が多い為にスーパーシート車の設定や平日での昼間時間帯の運転復活、新型車両の投入等も含めた抜本的な対策が求められている。
- 車内販売は現在、平日のえのしま9号、10号のみで行われている。夏季の休日など、江の島へ海水浴などに向かう乗客が多いにも関わらず、車内販売が行われている。
[編集] 停車駅
[編集] 車両
[編集] 現用車両
- 7000形「LSE」
- 10000形「HiSE」
- 不定期に一部列車に充当されることがある。
- 30000形「EXE」
- 平日は10、11両単独運転より、分割4両編成の車両が乗り入れる場合が多い。対して休日は10、11両運行が多い。
[編集] 過去の車両
[編集] 沿革
1929年(昭和4年)に江ノ島線の相模大野信号所(今の相模大野駅。相模大野分岐点とも。相模大野駅は1938年(昭和13年)に「通信学校前」駅として開業し、1941年(昭和16年)に現駅名に改称)~片瀬江ノ島駅間が全通。これより、急行列車が夏期を中心に運行された。この時季の江ノ島線は「普通列車のガラスまで割れる」、「列車のトイレに10人乗っていた」ほどの混雑を呈したと言われる。しかし、座席指定席制を採用した列車は運行の事実がないとされており、直接的なものとしては戦後に運行を再開した際に運行された海水浴輸送の臨時特急列車及びそれに類する列車群からである。
- 1951年(昭和26年) 新宿駅~片瀬江ノ島駅間で座席定員制の「納涼列車」が運行される。
- 1952年(昭和27年) 新宿駅~片瀬江ノ島駅間で特急料金の設定を開始し、臨時列車ながら特急列車の運行を開始。
- 1964年(昭和39年) 「えのしま」の名称で、休日に限り定期運転を開始。
- 1965年(昭和40年) 「えのしま」、毎日運行開始。
- 1967年(昭和42年) 新原町田駅(現、町田駅)に停車開始。
- 前1966年(昭和41年)に「さがみ」の運行も開始しており、これより通勤輸送も視野に入る事となる。また、同じ年に新原町田駅停車の「あしがら」も運行を開始する。
- 以来、車両の変遷はあるが、一貫してロマンスカーを使用した特急列車として運行される。但し、本数は1時間に1本程度であり、当初は3000形「SE」・「SSE」を中心に使用するなど、「さがみ」・「あしがら」と同様に中間停車特急並みに扱われていた。
- 1996年(平成8年) 大和駅に停車開始。また、一部列車に30000形「EXE」による輸送が開始される。この列車は、「あしがら」と併結運転を開始する。
- 1999年(平成11年) 停車駅を従来の町田駅から相模大野駅に変更。また、「サポート」に合わせて、一部列車は新百合ヶ丘駅に停車。「えのしま」の大部分の列車が「サポート」と併結運転となる。また、新宿駅18時以降の「えのしま」に「ホームウェイ」の名称を使用開始。但し、「ホームウェイ」については新百合ヶ丘駅に停車せず。なお、このときより「EXE」が運用の中心となった。
- 2004年(平成16年) 「サポート」の愛称が「はこね」・「さがみ」に分割・変更された事により、「えのしま」との併結列車の愛称も同様に変更となった。また運転本数も大幅に見直された。
[編集] 関連項目
小田急ロマンスカー |
---|
現行列車 |
「スーパーはこね」・「はこね」・「さがみ」・ 「えのしま」・ 「あさぎり」・ 「ホームウェイ」・ 「ニューイヤーエクスプレス」 |
現用車両 |
7000形「LSE」・ 10000形「HiSE」・ 20000形「RSE」・ 30000形「EXE」・ 50000形「VSE」 |
導入予定車両 |
過去の車両 |
1600形・ 1700形・ 1910形・ 2300形・2320形・ 3000形「SE」・「SSE」・ 3100形「NSE」・ キハ5000形・キハ5100形(御殿場線直通用) |