やぶうち優
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やぶうち 優(やぶうち ゆう、1969年12月1日 - )は兵庫県西宮市出身の女性漫画家。現在は北海道の札幌に在住。専攻は少女漫画。デビュー時の名義は薮内 優(やぶうち ゆう)。1児の母。
目次 |
[編集] 概要
代表作に『水色時代』、『少女少年』、『ないしょのつぼみ』など。
1983年、『ボインでごめん!』(「ちゃお」9月号増刊)でデビュー。1990年代は「ちゃお」のレギュラー作家であった。
2005年12月現在、小学館の学習雑誌、「ChuChu」で活躍中。
思春期の女の子や男の子の心情を身体と心の成長や社会環境と絡ませながら執筆する事を得意とし、10代の少女から20代の男性を中心とした幅広い層に多くの根強い読者を獲得している。その実績を買われ、小学館の学習雑誌で性教育を絡ませた漫画を執筆している。その一方で、ファンタジーやSF、ギャグ等の作品も生み出し、話の引き出しが多い一面もある。
基本的に少女漫画であるに関わらず、少年漫画的なお色気シーンをよく取り入れている珍しい作風でもある。そのためか、やぶうちの作品を萌え漫画として読んでいる男性読者も多い。
表紙などのカラーイラストの製作は、『新水色時代』の執筆時から、CGを使用している。CGを使用し始めた時は「CGを使用しているのを感じさせない手塗りのイラストの様なCG」を念頭に置いて製作を行っていた。
好きな物は鉄道と鳥(特に文鳥がお気に入り)で、これらの描写にかなりの力を入れている様である。鉄道に関する描写の詳細についてはこぼれ話を参照の事。
雑誌連載と育児の傍らで行っている同人誌活動は2006年現在、多忙のため休止している。
[編集] 作品リスト
[編集] 連載作品とその派生作品
- 君にストレート (「ちゃお」、1990年)
- 「ちゃお」1990年8月号~10月号に短期集中連載(全3話)、同名の短編集に収録。むりやり勧誘されて野球部のマネージャーになった嵐山さがのと1年生エース・粟野の葛藤を描く。
- 水色時代シリーズ
- 普通の女の子河合優子と仲間達の思春期模様を描いた作品群。1996年に『水色時代』がテレビ東京系にてテレビアニメ化された。『新~』『~-12歳の季節-』はテレビアニメの放送期間に合わせて連載された作品である。
- KAREN (「ちゃお」、1994年~1996年)
- おねがい!マルチくん (「ちゃおデラックス」、1994年~1995年)
- 作者いわく「少女まんが版『ドラえもん』」。いまいち冴えない女の子小波奈夢子と、おもちゃ屋の息子で幼なじみの発明少年マルチくん(本名丸地たすく)の話。登場人物名の多くはゲームメーカーやコンピュータ用語から取られている。
- 少女少年シリーズ(1997年~2004年)
- 小学館の学年誌「小学六年生」・「小学五年生」にて連載。小学生の男の子が美少女に扮して芸能界で活躍する物語。本来は1997年度の「小学六年生」に連載された1作のみの予定だったが、シリーズ化され第7作まで続いた。
- ~少女少年~GO!GO!ICHIGO (「ちゃおデラックス」、2004年~2005年)
- 女の子の主人公と、普段から女装姿の男の子が繰り広げるドタバタラブコメ。これのみ、芸能界が一切関わってこない展開になっている。
- おちゃらかほい! (「ちゃお」、1997年~1998年)
- 中学校に入学した早乙女茶織が、おしとやかで可憐な性格になりたいと思って入った茶道部の部員達はなんと一癖も二癖も溢れる個性的な面々であった…。少年漫画顔負けの下ネタがふんだんに盛り込まれたドタバタギャグ作品。やぶうち作品の中でも相当に異質な作品として密かな人気がある。
- みどりのつばさ (「ちゃお」、1998年~1999年)
- ニュータウン造成によって、ニュータウンの住民と古くからの住民とが完全に冷え切った関係にある村が舞台の物語。ニュータウンに引越ししてきた鳥越翠は人力飛行機を作って大空を飛ぼうとしている村の大地主の息子森翼に惹かれるが・・・。
- ぴゅあ♥ぴゅあ (「ちゃお」、1999年)
- 小学4年生の佐藤みるくと、みるくのいとこと名乗り小学校の先生になった天使のたまごるう(人間名は堀江るう)が繰り広げるファンタジー。現在のところ、「ちゃお」本誌で描かれた最後の作品。
- EVE★少女のたまご★ (「小学五年生」、2000年~2001年)
- 少女型ロボット内藤イブが人間から愛されるロボットになるために、小学校生活を繰り広げる成長と恋の物語。
- ないしょのつぼみ (2004年~)
- 小学館の学年誌に掲載の少女向け性教育漫画。2007年現在「小学五年生」で連載中。
- アニコン (「ChuChu」、2005年~2006年)
- ひとひらの恋が降る(「ChuChu」、2006年~)
[編集] 児童文学の挿絵
- うらない屋コノミちゃん(作 令丈ヒロ子)
[編集] 同人誌
- ぷちづま
- 銀色童話(2002年12月)
- もう逢うことのない君に(2003年12月)
- 別冊少女少年・創刊号(2004年8月)・2号(2004年12月)・3号(2005年8月)
[編集] 関連書籍
- やぶうち優ファンBOOK やぶうち優の
♀ ♂ なお話(2006年3月)- 「ないしょのつぼみ」をメインに、「少女少年」シリーズ等の作品を、性教育マンガという区割りで特集した本。「ないしょのつぼみ」第1期の番外編や「少女少年」の元になった作品、設定画等と、デビュー作「ボインでごめん!」を収録。
[編集] こぼれ話
作品の登場人物の名前に、ある程度の縛りを設ける事が多く、中でも、鉄道に関する人名が特に多い。
例・・・信濃あずさ(姓名とも中央本線の特急列車の名前)・朝霧(兵庫県の駅名もしくは小田急線・御殿場線の特急ロマンスカーの名前)・カイジ(中央本線の特急列車の名前)・ミノブ(身延線からとられた?)
また、『水色時代』の登場人物の姓が京王電鉄の駅名になって(代田橋・中河原・長沼 etc・・・。全員ではない)いたり、『少女少年VI-NOZOMI-』の登場人物や住所、マンション名が新幹線のひかりやのぞみ等の愛称になっている。 こういった名前の例は他の作品にも散見される。 因みにやぶうち本人も実は鉄道に興味があるらしく、例えば短編作品集『君が舞い降りてきた』において作中にキハ20系列の赤鬼色(JR東日本盛岡支社の更新車塗装)や東急3000系が一目見てそれとわかるような描写がなされている。なお、東急3000系については、『少女少年VII-CHIAKI-』でも描写されている。
その他に2007年現在、ChuChuに連載中の『ひとひらの恋が降る』にもブルートレイン(列車名は架空の名前)が描写されている。