エレファントカシマシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エレファントカシマシ | |
---|---|
出身地 | 日本 |
活動期間 | 1981年~ |
ジャンル | ロック |
レーベル | エピック (1988年~1994年) ポニーキャニオン (1996年~1999年) 東芝EMI (1999年~2006年) ユニバーサルミュージック (2007年~) |
メンバー | 宮本浩次 (ボーカル、ギター) 石森敏行 (ギター) 高緑成治 (ベース) 冨永義之 (ドラムス) |
エレファントカシマシは、日本のロックバンドである。1981年結成。
ほとんどの作詞・作曲を手がける宮本浩次を中心としたロックバンド。デビュー以来、彼らの音楽は常に高い評価を得ており、影響を受けたと公言するミュージシャンも数多いが、一般的に宮本のイメージは、「HEY!HEY!HEY!」や「うたばん」といったテレビ番組に出演した際の、頭を掻きむしりながら一人で喋り続けるユニークなキャラクターとしてのみ認知されている節がある。また他のメンバーは宮本と共に番組に出演しても口を挟む余地がほとんどないため、キャラクターを認知されるに至っていない。1990年に初めて行われた日比谷野外音楽堂大音楽堂でのコンサートはそれ以来毎年行われており、エレファントカシマシにとって年に一度の風物詩となっている。
目次 |
[編集] メンバー
宮本浩次(みやもと ひろじ、1966年6月12日 - )東京都北区赤羽出身。
- ボーカルとギターを担当。愛称は「ミヤジ」。バンド内では自ら「総合司会」と名乗る。趣味は読書(以前には浮世絵、古地図、鉄瓶の収集に凝っていた)、散歩。太宰治、永井荷風、森鴎外、滝沢馬琴などを愛読。太宰治「女生徒(作品社/写真:佐内正史)」では帯文を書き、アルバム『俺の道』収録の「ラストゲーム」では荷風の名前を登場させ、『扉』収録の「歴史」では森鴎外について歌った。小学校時代にはNHKの合唱団に属しており、シングル『はじめての僕です』がある。未婚。
石森敏行(いしもり としゆき、1967年3月18日 - )東京都北区赤羽出身。
- エレクトリックギターを担当。愛称は「イシ君(いしくん)」。宮本との共作クレジットは、ガンダーラコンビネーション。デビュー当初は宮本と同じくらい話すキャラだった。宮本とは仲がよく、ライブ中によくいじられる。「おでこが広くなってくる」とよく宮本に叩かれていたせいか、近年は丸坊主。バツイチ。
高緑成治(たかみどり せいじ、1966年4月15日 - )東京都中央区月島出身。
- エレクトリックベースを担当。愛称は「成ちゃん(せいちゃん)」。宮本との共作クレジットはダンディーブラザーズ。『あしたのジョー』の力石徹くらい味のある顔立ち。実家は銭湯。既婚者。
冨永義之(とみなが よしゆき、1966年4月14日 - )東京都北区赤羽出身。
- ドラムスを担当。愛称は「トミ」。ボクシングをかじっていたおかげでパワフルなドラミングをする。石くんの次によく宮本にいじられる。未婚。
[編集] 来歴
[編集] 結成~デビュー以前
バンド名の由来は未だ不明だが「エレファントマン」と「かしまし娘」を合わせるといった、言葉遊びの類だと言われている。1981年に宮本、石森、冨永を含む中学のクラスメートで結成された(そのほかにギターと女子のオルガンがいたという)。主にディープ・パープル、レインボー、RCサクセションのコピーを演奏。翌年EastWestの地区予選に参加し、初ステージを踏む。1986年、冨永の高校時代の同級生だった高緑が加入し、現在のメンバーとなる。同年12月、CBS SONY SDオーディションに入賞。デビューのきっかけをつかみ、双啓舎と契約。
[編集] エピック・ソニー時代
1988年、エピック・ソニーよりシングル『デーデ/ポリスター』、アルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』でデビュー。このアルバムがロッキング・オンの渋谷陽一の目にとまり、サザンオールスターズのデビュー以来の衝撃との評価を受け、ROCKIN'ON JAPANのプッシュが始まる。当初は率直に日常の怒りを歌ったロックンロールが主だったが、サードアルバム『浮世の夢』から歌詞に文語が入り、厭世的な歌が多くなっていった。1990年に発表したボーカルの宮本が青春と語る『生活』はファンからの人気も高く、90年代の名盤の一つといわれている。売り上げ不振で契約が危うくなった1994年、近藤等則などのゲストミュージシャンを迎えて7枚目のアルバム『東京の空』を発表。しかしこれを最後にエピック・ソニーとの契約を打ち切られる。同時に所属事務所の双啓舎も解散。
デビュー当初の彼らのライブにおけるスタイルは、客を座らせ、客電はつきっぱなし、SEはなしという非常に簡素かつ異質なスタイルであった。宮本自身は立ってギターを弾くことができず、座って演奏していた。グッズはしりあがり寿のイラストによる歌詞集『エレファントカシマシの詩』や手ぬぐい、シャツであった。 エピック時代の彼らを好むアーティストは多く、スピッツの草野マサムネは彼らのCDを正座して聞いていた。また他にもsyrup16gの五十嵐隆、ウルフルズのトータス松本、電気グルーヴの石野卓球とピエール瀧、ZAZEN BOYSの向井などがファンだと明かしている。
宮本は浮世絵や急須、火鉢などの日本古来のものを好み、急須以外は歌詞にも登場している。
[編集] ポニーキャニオン時代
こうして一旦メジャーから遠ざかるが、その間も曲作りやライブは地道に行っていた。そしてロッキング・オンの渋谷陽一や山崎洋一郎の協力により、新事務所FAITH A&R(現フェイスミュージックエンタテインメント)と契約、1996年、ポニーキャニオンよりシングル『悲しみの果て/四月の風』をリリースして再デビュー。エピック・ソニー時代とは打って変わったタイアップ路線や、宮本浩次を中心としたメンバーのメディアへの積極的露出により売り上げを伸ばす。
中でも1997年にフジテレビのドラマ「月の輝く夜だから」の主題歌として発売された『今宵の月のように』は、70万枚を超える大ヒットとなる。ポニーキャニオンからは『ココロに花を』『明日に向かって走れ-月夜の歌-』『愛と夢』の3枚のアルバムを発表。
当時のエピソードとして、出来たばかりの曲をウォークマンで聞きながら渋谷を歩いていた宮本が、曲の出来に満足ができずにその場にたたきつけたという。
[編集] 東芝EMI時代
1999年、フェイス傘下のバリアフリーレーベルとポニーキャニオンとの契約が終了したのに伴い、バリアフリーレーベルごと東芝EMIに移籍。1999年には黒船来航、高度経済成長を経て、発展を遂げた日本と宮本浩次が自分の本流を取り戻した事を歌詞にした『ガストロンジャー』をリリース。ロック界に衝撃が走る。2000年には、ほぼ宮本のソロアルバムとも呼べる打ち込みを多用した『good morning』を発表。またこの時期の宮本は音楽活動と平行して執筆活動やドラマ『フレンズ』出演などを精力的にこなし多彩な才能を発揮した。
2002年には小林武史をプロデューサーに迎えたアルバム『ライフ』を発表。緻密なアレンジによる、穏やかで色彩豊かな世界を作り上げた。しかし同年末には再びセルフプロデュースに戻り、よりシンプルなバンドサウンドへと回帰した、初のミニアルバム『DEAD OR ALIVE』を発表。
2003年にはセルフプロデュースによるアルバム『俺の道』を発表、バンドサウンドへの回帰は決定的なものとなる。 2004年にはシングル『化ケモノ青年/生きている証』、熊谷昭を共同プロデューサーに迎え、アルバム『扉』を発表。そのアルバムの製作過程を密着取材したドキュメンタリーフィルム『扉の向こう』(是枝裕和プロデュース作品)は、テレビやミニシアターで上映され、DVDでも発売された。同年9月にはアルバム『風』を発表。
2005年には初のライブアルバム『野音 秋』『日本 夏』をそれぞれファンクラブやインターネットを通じて発売。
2006年3月に冨永義之が慢性硬膜下血腫を発症、3月2日に手術し完治。3月29日、佐久間正英プロデュースによるニューアルバム『町を見下ろす丘』を発売。その際、「シグナル/今をかきならせ」が初の配信限定シングルとなった。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- デーデ(1988.3.21)
- ふわふわ(1988.7.21)
- おはようこんにちは(1988.11.2)
- 浮雲男(1989.8.2)
- 男は行く(1990.7.21)
- 曙光(1992.3.25)
- 奴隷天国(1993.4.21)
- 極楽大将生活賛歌(1993.10.1)
- この世は最高!(1994.4.21)
- 悲しみの果て(1996.4.19)
- 孤独な旅人(1996.7.19)
- 悲しみの果て(1996.11.1)
- 明日に向かって走れ(1997.2.19)
- 戦う男(1997.3.14)
- 今宵の月のように(1997.7.30)
- 風に吹かれて(1997.11.7)
- はじまりは今(1998.5.13)
- 夢のかけら(1998.9.18)
- ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ(1998.11.18)
- 愛の夢をくれ(1999.1.27)
- 真夜中のヒーロー(1999.4.28)
- ガストロンジャー(1999.12.8)
- so many people(2000.1.26)
- コール アンド レスポンス(2000.4.26)
- 孤独な太陽(2001.3.16)
- 暑中見舞 -憂鬱な午後-(2001.7.25)
- 普通の日々(2002.2.27)
- あなたのやさしさをオレは何に例えよう(2002.4.17)
- 俺の道(2003.6.27)
- ハロー人生!!(2003.6.27)
- 生命賛歌(2003.6.27)
- 化ケモノ青年(2004.3.10)
- 友達がいるのさ(2004.9.1)
[編集] アルバム
- THE ELEPHANT KASHIMASHI(1988.3.21)
- THE ELEPHANT KASHIMASHIⅡ(1988.11.21)
- 浮世の夢(1989.8.21)
- 生活(1990.9.1)
- エレファントカシマシ5(1992.4.8)
- 奴隷天国(1993.5.21)
- 東京の空(1994.5.21)
- ココロに花を(1996.8.21)
- 明日に向かって走れ-月夜の歌-(1997.9.10)
- 愛と夢(1998.12.9)
- good morning(2000.4.26)
- ライフ(2002.5.2)
- DEAD OR ALIVE(2002.12.26)
- 俺の道(2003.07.16)
- 扉(2004.3.31)
- 風(2004.9.29)
- 町を見下ろす丘(2006.3.29)
[編集] 企画盤
- ベスト(1997.12.1)
- sweet memory~エレカシ青春セレクション~(2000.10.12)
- エレファントカシマシ SINGLE1988-2001(2002.3.27)
- 花男(2003.3.19) ※オムニバストリビュート盤
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ElephantKashimashi.com(公式サイト)
- エレファントカシマシDB(データベース)