スホーイ
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スホーイ(スホイ;ロシア語:Сухой;英語:Sukhoi)は、ロシアの主要航空機メーカー。ソ連時代はスホーイ設計局として軍用機(戦闘機・攻撃機など)を手がけ、現在はスホーイ・コーポレーション(ロシア語:ОАО «Компания „Сухой“»)として民間機も製造している。
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[編集] 歴史と概要
ソ連時代の1939年にパーヴェル・スホーイによりスホーイ設計局(OKB-51、プレフィックスSu)として設立された。モスクワにJSCスホーイ設計局(現本社、ロシア語:ОАО «ОКБ Сухого»)があり、工場はノヴォシビルスク(ロシア語:ОАО «НАПО им. В. П. Чкалова»;英語 : Novosibirsk Aviation Production Association)、コムソモルスクナアムレ(ロシア語:ОАО «КнААПО им. Ю. А. Гагарина»;英語 : Komsomolsk-na-Amure Aviation Production Associaton)、イルクーツク(ロシア語:ОАО «Корпорация „Иркут“»)の3カ所にある。フィンメカニカが、スホーイの民間部門の25%株主となっている[1]。ロシア政府はスホーイとミグ、イリューシン、イルクート、ツポレフ、ヤコヴレフを「ユナイテッド・エアクラフト・ビルディング」(ロシア語:Объединённая авиастроительная корпорация,ОАК;英語 :United Aircraft Building Corporation,UABC)という名の新会社に統合しようとしている[2]。
スホーイの航空機はロシア空軍と海軍により、現在 Su-24、Su-25、Su-24M、Su-27、Su-30、Su-33の6機種が運用中である。
ロシア以外には、ベラルーシ・ウクライナ・カザフスタン・ウズベキスタン・グルジア・インド・中華人民共和国・ポーランド・チェコ共和国・スロヴァキア・ハンガリー・ドイツ(旧東ドイツ運用)・シリア・アルジェリア・北朝鮮・ベトナム・アフガニスタン・イエメン・エジプト・リビア・イラン・アンゴラ・エチオピア・ペルーなど各国で軍用機が運用されており、確認されているだけでも合計で2,000機以上が輸出され続けた。また、Su-26、Su-29、Su-31はアクロバティック用航空機として主要な機種の一つである。なお、スホーイ製の航空機の整備・補修などはウクライナなどロシア海外でも独自に行われている。
[編集] 主要製品
引用符で囲まれていない軍用機名称は北大西洋条約機構(NATO)が識別用に付けたNATOコードネーム。
- Su-2 近接爆撃機
- Su-4 Su-2の発展型
- Su-7 フィッター 戦闘爆撃機
- Su-9 フィッシュポット 迎撃戦闘機
- Su-11 フィッシュポットC 迎撃戦闘機
- Su-12 観測機(1947年)
- Su-15 フラゴン 迎撃戦闘機
- Su-17 / Su-20 / Su-22 フィッター 戦闘爆撃機
- Su-24 フェンサー 戦闘爆撃機
- Su-25 "グラーチュ" フロッグフット 攻撃機(シュトゥルモヴィーク)
- Su-26 単座アクロバット機(民間機)
- Su-27 フランカーA/B 戦闘機
- Su-29 複座アクロバット機(民間機)
- Su-30 フランカーC 戦闘機
- Su-31 単座アクロバット機(民間機)
- Su-33 フランカーD 艦載戦闘機
- Su-34 フルバック "Platypus"(カモノハシ)
- Su-35 / Su-27M フランカーE 戦闘機
- Su-39 / Su-25TM フロッグフット 対地攻撃機(対戦車特化型)
- スホーイ・ガルフストリーム S21 超音速ビジネスジェット機
- S-80 双発ターボプロップSTOL機
- スホーイ RRJ 民間用地域ジェット機
[編集] 実験機・試作機
- Su-5 ジェット・カム・プロペラ戦闘機
- Su-6 攻撃機
- Su-7 ジェット戦闘機
- Su-8 攻撃機
- Su-9(«K») ジェット戦闘機
- Su-10(«E») ジェット爆撃機
- Su-11(«LK») ジェット戦闘機
- Su-13(«TK») ジェット戦闘機
- Su-15(«P») ジェット戦闘機
- Su-17(«R») ジェット戦闘機
- Su-37 フランカーF("ターミネーター"、改良されたSu-35)研究用戦闘機
- Su-38 農業用プロペラ機
- Su-47 "ベルクート" 多目的戦闘機(S-37)
[編集] 参考
スホーイOKBでは、他局同様ときおり機体呼称を再利用した。たとえば、1946年製のSu-9と1956年製のSu-9は同一名称であるが、相互に直接の関係はない。前者は、大量生産されず試作のみに終わっている。また、スホーイにおけるプロトタイプの呼称は翼面図に基づく場合がある。デルタ翼機には"T"のプレフィックスが付けられ(例:T-3)、後退翼・前進翼機には"S"が付けられる(例:S-37)。
なお、OKBは「試作設計局」(一般にたんに「設計局」と訳される)を意味するロシア語の略語「ОКБ」のラテン文字転写。
[編集] 参照
- ^ "Finmeccanica Will Buy 25% of Sukhoi Civil Aircraft." Bloomberg.com. 21 Feb. 2006.
- ^ "Russian Aircraft Industry Seeks Revival Through Merger." The New York Times. 22 Feb. 2006.