ハッチポッチステーション
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ハッチポッチステーション（HOTCH POTCH STATION）は、NHK衛星第2テレビとNHK教育テレビで放送された人形劇である。BS2版では関根勤、教育テレビ版ではグッチ裕三らが登場した。日本のテレビ放送の歴史に於いて、最高視聴率を獲得した子供番組である。しかし、内容的には大人でも十分に楽しめる、あるいは大人の方が楽しめるギャグやコントが多数使われている。NHKの海外向け放送を通じ、世界50か国で放送された。2003年、第11回スポニチ文化芸術大賞優秀賞受賞作品。
ハッチポッチステーションと言う、めったに列車が来ない架空の駅で起きる日常生活がコント風に描かれる。番組内容は本編と本編の途中にコーナーが入るというスタイル。
「HOTCHPOTCH」とは「ごった煮、ごちゃ混ぜ」という意味。
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[編集] 番組の変遷
元々は1995年からBS2で放送されていた『にこにこぷんがやってきた』の後半13分のパペットショーコーナーとしてスタートした。当時はグッチ裕三ではなく関根勤が出演しており、週によってはゲストが登場する時もあった。
これが好評だった為に独立し、1996年4月1日から教育テレビでの放送が開始された。出演者が関根勤からグッチ裕三に交代し、彼の芸風から音楽バラエティ的な面が強まった。番組の合間合間に繰り出される、（本来の対象であるはずの）子供には分からないようなギャグやパロディが、子供と一緒に番組を見ている親達をはじめ対象外の世代にもブレイクし、一躍教育テレビを代表する人気番組となった。当初の放送時間は08:20-08:30で、夕方にも朝の再放送をしており、2週間間隔で内容が変わっていた。その後何回か放送時間が変更され、末期には17:40-17:50のみの放送になった。
2003年4月4日にレギュラー放送は最終回を迎える（実質後番組：クインテット）が、番組自体は公開録画形式に変わり、『あつまれ!みんなの広場 ハッチポッチステーション』として新しく日曜17:00-17:55に移動（隔週。夢りんりん丸とのローテーション）。放送時間拡大に伴い、新コーナーも次々と登場した。好評だったが、2004年3月に惜しまれつつも放送を終了。『ぐっとくるサンデー』に引き継がれた。
また、それと並行して2003年4月8日より水曜日と木曜日と金曜日の未明の週3回、『ハッチポッチあんこーる』と題して再放送を開始。内容は、2003年度は本放送時のコーナーを再構成して作られた『あんこーる』オリジナルの放送であったが、2004年度以降は基本的に本放送の再放送に変更された（木曜日の放送のみ昨年度の『あんこーる』や本放送時のスペシャル回などを再放送していたが、3月頃から木曜日も本放送の再放送になった）。ただし、尺合わせの為に本放送時には含まれていなかったコーナーを追加している場合もあった。2005年度からはスタッフロールを新規のものに差し替えていた。
この『あんこーる』は2005年11月1日（2日未明）放送分をもって終了し、十年間続いた番組の歴史に幕を下ろした。
「シリアスなアニメの後にハッチポッチステーションを見ると（空気の読めなさに）非常にバカ受け」との声も聞かれたが、「シリアスなアニメの直後に変な人形劇を見せられると、両者の差異が際立って脱力する」、「意図が理解できない」と言う意見は少なくなかった。しかしこれにより、本放送とは異なる、10代から20代の視聴者の獲得に成功したとも言える。また、「あんこーる」は「何故絶対子供が見ない深夜に、子供番組をわざわざ再放送しているのか」と言う疑問も少なからず囁かれていた。子供のためにではなく、大人のために再放送していると捉えるべきかも知れない。新聞のテレビ欄にはただ「ハッチ」としか書かれず、NHKによる公式サイトも番組情報も存在せず、番組宣伝も一切行なわれない。それでも、静かな、そして熱いブームが未だに続いている。
番組内では、NHKであるにもかかわらずCMソングの替え歌も歌われていた。もちろん、商品名が歌われるところは変えてある。（日立製作所の『この木なんの木』の替え歌など）
[編集] 登場人物
[編集] 駅内に登場する人間
[編集] BS2版
- マスター（関根勤）
- 駅前の食堂のマスター。
[編集] NHK教育版
- グッチ（グッチ裕三）
- その他、林家正蔵、グッチーズ、見栄晴、モト冬樹、榊原郁恵（1999年3月22日に放送された「ハッチポッチステーション・オン・ステージ」にハッチポッチステーション最初の降車客として登場。その後「みんなの広場 ハッチポッチステーション」にもゲスト出演。）などもたまに出演する。
[編集] 駅内に登場する人形
- 駅の改札係。車掌も勤める。遅刻が多く駅長にしかられる事もしばしば。ミスターエクスプレスの運転士になるのが夢。好物はアンパンと牛乳。ミス・ダイヤモンドの大ファン。通称「ジャーニー」（オープニングテーマの中でもジャーニーとなっている）。
- ダイヤグラム/ミス・ダイヤモンド（声:兵藤まこ）
- 構内のコンビニ「トランクマート」の店員。力持ちで怒ると怖いのでジャーニー達から怖れられている。金儲けに余念が無い。映画スターのミス・ダイヤモンドである事を隠しながら働いている。当初はHPショップ（キヨスク）を経営していた。通称「ダイヤ」（オープニングテーマの中でもダイヤとなっている）。
- トランク
- エチケットじいさん（声:中尾隆聖）
- ハッチポッチステーションの近くに引っ越してきた老人。どこに住んでいるのかは誰も知らない。かつてトランクがエチケットじいさんの家を訪問した事があるが、どこにあるのかを忘れてしまった。ハッチポッチステーションのメンバーが歌などで何処に住んでいるか無理に聞こうとしたが失敗した。「これ、エチケットやで」が口癖。「はひふへほ～」とよく言うことがある（声優の中尾隆聖がばいきんまんの声を担当しているため。ちなみにグッチ裕三がおかあさんといっしょのぽろりやれっしーもやっていると突っ込んでいる）。杖とめがねがトレードマーク。1999年度から登場。
- ハッチポッチステーションの駅長。ジャーニーの事をよく叱っている。画面内に登場したことは一度も無い。
- チケット・タベルノスキー（声:見栄晴）
- 嘗て登場していたキャラクター。ジャーニーの後輩で高級レストランのお坊ちゃん。車掌に昇格したために姿を消した。
- 因みに"WHAT'S ENTERTEINMENT?"のタイトルに登場しているのは彼ではなく、この番組のプロデューサーである。
- タービー・スキデッセン（声:林家正蔵）
- かつて数回登場した著名なトラベル作家。ジャーニーのそっくりさん。
- その他、普段は音楽番組で曲の演奏やバックコーラスをしているリトル・グッチーズが、たまにエキストラで登場するときもある。
[編集] 幕間のTV番組に登場する人間（人形）
- 幕間のTV番組には多くの著名人が登場する。その殆どをグッチ裕三やジャーニー（声：林家正蔵）が演じている。
[編集] コーナー
[編集] TV番組
駅近郊のテレビ局で制作されている、という設定。
[編集] <音楽系>
[編集] <バラエティ系>
- 『エドガワ・サリバン・ショー』 - 江戸川サリバン（エド・サリヴァンのパロディ）のトークショー。エド・サリヴァン・ショーのパロディ。春、夏、冬の特別編成時のみ放送。ジャーニー、ダイヤさんなどのレギュラー陣が招かれる。トークをしながら、『ハッチポッチMTV』のPVを鑑賞する。2000年度の正月には拡大版も放送された。
- 『大口博士のなんでも相談室』 - 大口裕三が子供達から寄せられた質問に答える。が、答えはどこか的外れである場合が多い。
- 『スマイリー高田のリズムでGO!!』 - ダンスが得意で常にハイテンションなスマイリー高田（スマイリー小原のパロディ）が、視聴者の質問や悩みに答える。司会はミス・ダイヤモンド。しかし、高田は真剣に答えない。最後は豪快に踊り、紙吹雪を撒く。そして、紙吹雪を散らかした床を自分で掃除して去っていく。
- 『ハッチポッチワイドステーション』 - 高田孝太郎（俵孝太郎のパロディ）とミス・ダイヤモンドが今話題のゲストを招いてトークするワイドショー番組。『新・たかた孝太郎SHOW』の原型。ミス・ダイヤモンド一人で司会を務めることもある。
- 『今日こそ料理』 - 大口ゆうこと料理人ジョン・ジャー・ジュージューが料理を作るが、他の事に時間を取られ結局料理できないまま終わる。きょうの料理のパロディ。1997年の1年間でいったん終わったが、ハッチポッチが公開録画になってから、料理家ガーリック高田とミス・ダイヤモンドを司会に据え復活した。
- 『新・たかた孝太郎SHOW』 - 司会のたかた孝太郎（高田孝太郎とは別人）が世界チャンピオン等のゲストを招き、トークショーを行う。
- 『ドン高田のドンバルーム』 - サングラスをかけたミュージシャン・ドン高田（ダン池田のパロディ）が、様々な楽器の演奏を披露する。が、直前で楽器を自分で破壊するなどしていつも失敗する。手鏡を覗き込み、「鏡よ、鏡よ、かがみます！」と言って突然しゃがみ、画面から消えるというネタもあり。ロンパールームのパロディ。
- 『とんでも鑑定団』 - 『開運!なんでも鑑定団』のパロディ。松本清張に似た鑑定士の高島裕之助（中島誠之助のパロディ）が毎回お宝を持ってきたゲストといさかいを起こす。
- 『グッチコックのいつでも予告劇場』 - 映画監督のグッチコック（アルフレッド・ヒッチコックのパロディ）が名作映画を紹介する。が、いつも予告編ばかりで本編を見せない。ヒッチコック劇場のパロディ。
- 『ミスッタ・マジックの趣味の手品』
- 『ハッチポッチ・ワールド・ニュース・ネットワーク』 - 司会のジョン・タカビシャが世界の著名人をゲストに迎える。
- 『日用品美術館』 - 美術評論家のもたいつけぞうが様々な日用品を、まるで一級の美術品のように大袈裟に紹介し鑑賞する。新日曜美術館のパロディ。主な作品「見ろよベーナス（ミロのビーナスのパロディ、ベーナスが三本の割箸の上に立っている）」「レレレのおじさん（アルルの女のパロディ、ただの箒）」等
- 『B・B・キンゴロウの洋楽ことわざ』 - B・B・キンゴロウ（B・B・キングと柳家金語楼の合体）がことわざを洋楽アーティストとかけてもじる。例：うそもほうベンチャーズ
- 『小路ジャニ麻呂のザ・人生相談』 - 落語家の小路ジャニ麻呂（綾小路きみまろのパロディ）が毎回人間の窮地を鋭くとらえた小咄をする。
[編集] アニメーション
- 『トリプレ（Les Triples）』 - 海外作品。声の出演：長沢彩ほか。
- 『動物オリンピック（Zoo Olimpics）』 - 海外作品。ナレーションは小島一慶が担当。
- 『エクスとプレス』 - 番組オリジナルアニメーション。最初と最後に「鉄道唱歌」のメロディーが流れる。先輩・後輩の2人の駅員がやりとりをする。
[編集] その他
- 『サークルゲーム』 - 山手線ゲームである。エチケットじいさん登場後にスタートした。大体、ジャーニーやその仲間達が無茶な言葉を言って終了となる。
- 『絵描き歌』
- 『検札です』 - ジャーニーが電車内で検札をするが、誰も乗客が居ないので落語をしたり歌ったりして遊ぶ。
- 『トランク劇場』 - トランクがクラシックをバックに物にちょっかいを出したりじゃれあったりして遊ぶ。
- 『ママへの手紙』 - ジャーニーが遠く離れた母に当てて手紙を書く。最後に俳句を詠んで締める。主な作品「パパの朝、炊事・洗濯・ママ起こし」等。
- 『センチメンタルジャーニー』 - 検札中に旅行パンフレットを見つけたジャーニーがその国に思いを馳せる。
- 『すみの園芸』 - ダイヤが駅の隅で花や園芸のコツについて語る。最後に歌を歌うが、ダイヤの歌を聞いた花は萎れてしまう。趣味の園芸のパロディ。
- 『ダイヤの占い日記』 - ダイヤが様々な物を使って占いをする。そして悪い答えが出る。ダイヤは激しく落ち込むが、即座に陽気になり占いを良い方に解釈する。そして『ケ・セラ・セラ』を熱唱する。
- 『小言の花道』 - エチケットじいさんがマナーのなっていない若者や日常で疑問に感じた事について語る。
- 『駅の伝言板』 - ジャーニーが駅の伝言板に書かれた様々なメッセージを読み上げ、それをテーマに喋る。最後にメッセージを黒板消しで消す。
- 『じいさんてんさいじ』 - エチケットじいさんが様々なテーマで、視聴者に静かに語りかける。そして話しのテーマに沿った回文を紹介する。なかなか良く考えられた、長い回文である。主な作品「いよっ！はんしんはつよい」「よわいわよ、はんしんは、よわいわよ」、「いま、うんどうかい、すいか、うどん、うまい」等
- 『エチケット＠メール』 - 「電車にブレーキへそにゴマ」のフレーズではじまり、エチケットじいさんが子供達の質問メールに回答する。「ここではきものをぬいでください」など二通りの読み方が出来る言葉がテーマとなる事が多い。
- にらめっこ
[編集] 番組内容の変遷
- BS2時代（1995年）
- 駅前にマスター（関根勤）の経営する食堂が存在した。登場人物はマスター、ジャーニー、ダイヤ、トランク。
- 第1期（1996年）
- 駅構内には，グッチが経営するホテルが隣接し、ミルクスタンド、ダイヤの経営するHP・SHOPが存在した。登場人物はグッチ、ジャーニー、ダイヤ、トランク。番組のシンボルマークは「HOTCH POTCH STATION」の文字を四角く配置し、その中に電車（新幹線？）のイラストが描かれたものであった。
- 第2期（1997年）
- 駅構内の配置は換わらず、登場人物にチケットが登場。
- 第3期（1998年）
- 第2期から数年後の世界。番組のシンボルマークが踏切をイメージした現在のものになり、一部のセットが変更。ハッチポッチ鉄道が民営化。チケットが昇格・栄転し、再び登場人物は4人へ。グッチのホテルがつぶれてシネマに。
- エチケットじいさんが登場。ハッチポッチステーションが大改装し、グッチのシネマがカルチャーセンターに、ダイヤのHP・SHOPがコンビニになり、ジャーニーも車掌に昇格した。現在「ハッチポッチステーション」といえば主にこの時期を指し、これ以前の内容が公式に触れられる事はあまり無い。
- みんなの広場ハッチポッチステーション（2003年）
- 駅構内にミニテレビ局が設置される。
[編集] 放送時間
- 1995年度 月-金 08:00-08:30(08:17-)／17:30-18:00(17:47-)（再放送）
- 1996年度-1998年度 月-金 08:20-08:30／17:25-17:35（再放送）
- 1999年度-2000年度 月-金 17:41-17:50
- 2001年度-2002年度 月-金 17:40-17:50
- みんなの広場（2003年度） 日（隔週） 17:00-17:55
- あんこーる（2003年度） 火-木24:45-24:55
- あんこーる（2004年度） 火・木 24:45-24:55／水 24:50-25:00
- あんこーる（2005年度） 火-木 24:50-25:00
[編集] 主なスタッフ
- 人形操演 木ぐつの木
- アートディレクション 藤枝リュウジ
- 音楽 グッチ裕三とグッチーズ
- 作 下山啓、山路勝也
- 構成 下山啓、山路勝也、小山協子、よしだあつこ、新井厚子、早野円、石垣敏晴、81プロデュース
- アニメーション「エクスとプレス」
- 作 酒井睦雄
- 絵 藤枝リュウジ
- アニメ 堀口忠彦
- 音楽 みやざきみえこ
- 製作協力 81プロデュース
[編集] 外部リンク
- NHKエンタープライズ（グッズ情報）
- 学研トイホビー（グッズ情報）
- WARNER MUSIC JAPAN（CD情報）
- ハッチポッチステーション・京終（研究サイト）
カテゴリ: 日本放送協会テレビ番組 | 人形劇 | ミニ番組 | 子供向け番組
