ミームいろいろ夢の旅
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『ミームいろいろ夢の旅』(ミームいろいろゆめのたび)は1983年4月3日から1985年9月29日にかけてTBS系列で日曜日朝11:00から放送された日本アニメーション制作の教育・教養アニメ。127話が放送されたが番外編として実写レポートが2回放送されており、これを含めると全129話となる。
当時の電電公社、さらに民営化したNTTが番組の単独スポンサーとなっていたため、物語には同社や通信に関する話題がふんだんに盛り込まれた。
この成功が「宇宙船サジタリウス」につながったといわれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 内容
子供達にも親しみやすいアニメという表現方法を用い、ミームというキャラクターが科学をはじめとした事柄を分かりやすく説明するという趣旨の作品。この概念は同じくTBSで放送されたまんがはじめて物語と共通しているが、当作に実写パートは存在せず、すべてアニメーションで構成されている。また扱われた事柄について1回もしくは数回の話数に渡りより深く掘り下げたり、専門用語が解説されるなど対象となる年齢はやや高め(小学校中・高学年向け)である。当時の視聴者であった子供達の中には将来の進路や職業にこれらの番組の影響を受けた者も少なからずいた。
当初は半年間のみ放送を行う予定であったが好評につき延長が繰り返され、放送期間は2年半にも及んだ。途中で登場人物や内容の変更がされたことから、大きく2つの期間に分けることができる。
[編集] 第1期 大谷兄妹編
1年目は主に歴史上の偉人や科学、通信技術を題材とした教育的な内容で占められ、物語は毎回大助とさやかの兄妹が提示する疑問についてミームが答えるという形で始まる。第2期と区別するため大谷兄妹編と呼ばれることがある。
初期はミームの説明や回想のみで完結していた回も多かったが、中期からはシミュレーションとして全員でコンピューターの中に飛び込んで砂漠の中を旅したり、キャプテンシステムやコンピューターが普及した未来の世界を体験するなどストーリー性の強い話が制作されるようになった。
[編集] 第2期 科学探偵団編
2年目以降はミームと関わる子供達が強い個性を持った科学探偵団の7人に変更された。このことから科学探偵団編と呼ばれることがある。
以前の教育的・説明的な内容は弱まり、物語にはコメディー要素や日常色が盛り込まれるようになる。日常生活から発生する素朴な疑問、オリンピックやつくば万博などの行事といった身近な題材が取り上げられた。
[編集] 科学探偵団編のストーリー
モニター地区として全世帯にINS(注1)が導入されることになった桜町が舞台。通信端末となるマイコン(注2)が家にやってきて友達とコンピューターゲームをしたり、テレビ電話で話をしたりと大喜びの子供達であったが、しだいに大人が端末を占有するようになってしまう。サトルをはじめとした子供達は部品をかき集めて自ら端末を作り、なんとか完成させる。そこにミームが現れた。自宅からのネットバンキングやさまざまな情報サービス検索等、今となっては極当たり前になった技術が当時は近未来の技術として度々登場していた。折り曲げると化学反応で発光するサイリウムライトもそのひとつである。
[編集] 登場するキャラクター
- ミーム(声:藤田淑子)
- 豊富な知識を持つ解説役。面倒見のよい姉御肌といった性格で口数が多いため、時にはやかましいと言われることもある。言葉遣いから女性と思われるがはっきりしたことは不明。白い体と手のかわりもするピンク色の長い髪の毛が特徴で、電話回線などの通信網や電気回路の中を自在に移動できるという能力を持っている。
- このキャラクターはリチャード・ドーキンスの提唱した「ミーム」に発想を得たものであるが、作品中で彼やその主張について詳しく説明されることは無かった。
[編集] 大谷兄妹編
- 大谷大助(声:神保なおみ→山岡葉子→小宮和枝)
- 小学生の少年。宿題をするのを嫌がったりと面倒くさがりなところがある。自分のマイコンでガリレオ・ガリレイについて調べていたところ、画面から突如飛び出したミームと出会う。
- 大谷さやか(声:室井深雪)
- 大助の妹でしっかり者の聞き上手。何かにつけて兄に注意や質問をしたりする。大谷兄妹編ではたいていの場合、さやかの疑問に答えられない大介がミームを呼び出すことから始まる。
当初この2人はただミームの話を聞き質問をするだけという立場であったため名前が付けられておらず、個性も弱かった。しかし物語にシミュレーションの要素が取り入れられた際に初めて名前が付けられ、以降性格付けも行われるようになる。
[編集] 科学探偵団編
科学探偵団のメンバー
- サトル(声:山田栄子)
- 科学探偵団のリーダとなる少年。お調子者で遊ぶことと野球は大好きだが勉強は大嫌い。少年野球チーム「チェリーズ」のピッチャーを務めている。
- マリ(声:室井深雪→原えりこ)
- サトルの妹で赤い髪の毛と八重歯がチャームポイント。サトルのことはダメ兄貴と思っている様子。科学探偵団はマリを除き全員サトルの同級生で結成されているため、メンバーの中では一番年下となる。
- ひろ子(声:富沢美智江)
- しっかり者でおしとやかな少女。ミームの話を簡潔にまとめて質問を返すなど物分りがよい。かわいい外見からは想像できないが博士とともにアマチュア無線の免許を所有。その性格と容姿からサトルは彼女に好意を持っている。
- 博士(はかせ 声:小宮和枝)
- メガネを掛けており、誰とでも敬語で話す真面目な少年。科学探偵団の頭脳ともいえる存在でみんなから頼りにされているが、少し頑固で時には暴走することも。科学探偵団が使用するパソコン「レインボー」は彼が中心となって製作した。このほかにもロボットを組み立てたりもする。
- 武(たけし 声:青木和代)
- 小学生とは思えない巨体の持ち主で背は大人と同じくらい。常にチェリーズの野球帽を被り、冬でも半ズボンというスタイルを貫いている。科学探偵団は彼のおじが所有する廃ビルの地下室を借りており、そこを集会場所としている。
- 光男(みつお 声:坂本千夏)
- 武とは対照的にやせ気味で体は小さい。マリに縄跳びを教えたり犬を飼ったりと面倒見の良いところがある。武と同じくいつもチェリーズの野球帽をかぶっている。
- 秋子 (あきこ 声:頓宮恭子)
ロボット達
- ピコ
- 博士が作ったリモコン型のロボット。遠隔操作ができる。
- 玉三郎(たまさぶろう 声:つかせのりこ)
- オム(声:坂本千夏)
- サトルとマリのおじである大作がイギリスの知り合いから貰って来た探偵ロボット。正式な名称はSHERLOCK 00M(シャーロック ダブルオーエム)で、シャーロックという名はシャーロック・ホームズから拝借したもの。音声認識で命令を聞いたりと様々な機能を備えるがまだ未完成品であり、誰でもワトソン君と呼ぶなど欠陥が多い。
[編集] ネット局
- 東京放送(TBSテレビジョン) - 北海道放送、青森テレビ、岩手放送、東北放送、秋田放送※、山形放送※、福島テレビ(1983年10月~11月は※)→テレビユー福島(1983年12月4日~)、新潟放送、信越放送、テレビ山梨、北陸放送、福井放送※、静岡放送、中部日本放送、毎日放送、山陰放送、山陽放送、中国放送、テレビ山口、四国放送※、南海放送※、テレビ高知、RKB毎日放送、長崎放送、熊本放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送
無印=同時ネット局 ※=時差ネット局
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
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