久保康友

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久保康友（くぼやすとも、1980年 8月6日 - ）はプロ野球パシフィック・リーグ、千葉ロッテマリーンズ所属のプロ野球選手。ポジションは投手。背番号は16番。

ニックネームは、松下電器に勤めていたため「パナ」、「ソニック」（一般公募で決めたニックネーム）。「松坂世代最後の大物」と言われ、ルーキーイヤーの2005年には10勝をあげ、新人王に輝いた。

球種は最速150km/h超の直球、スライダー、カット、フォーク、シュート、チェンジアップなど。また直球も打者の手元で微妙に動かすクセのある球である。
制球もまとまっており、速球投手でありながら多彩な球種の組み立てによる投球術で勝負する投球スタイルである。

[編集] 来歴

少年野球時代は、藤原京グランドがホームグランドの、『ホワイトベアーズ』に所属。
中学野球時代は、八木中学校の野球部に所属。
1998年関大一高時代、甲子園に春夏連続出場。
- 選抜大会では、決勝で横浜高校の松坂大輔（現西武ライオンズ）と投げ合うも、0-3で惜しくも敗れて準優勝となった。
- 選手権大会ではベスト8まで進出したが、準々決勝戦の明徳義塾高校に打たれ続け、2-11で敗退した。

高校卒業後は松下電器に入社するも度重なるケガに悩まされ、一時は現役を引退して社業に専念することも真剣に考えていたという。

2003年後半から徐々に好成績を残すようになり、翌2004年にはエースとしてフル回転する。ドラフト自由獲得枠で千葉ロッテに入団。
2005年
- 4月2日対福岡ソフトバンクホークス戦にリリーフでプロ初登板。当時ソフトバンクだった城島健司と対決した。いきなりバッターの背中側をとおすボールを投げてしまい、城島ににらまれてしまった。
- 4月24日対東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初先発を完封勝利で飾る。
- 5月9日にマリーンズが45年ぶりの12連勝を記録した時勝利投手になった。
- 6月9日対読売ジャイアンツ戦に登板しヒーローインタビューを受けた際、その試合で映画ポケットモンスターの宣伝を行っていた関係もあってか、ピカチュウの被り物を被り登場。最後に「ピカチュウー！」と叫び「ピカチュウ」というニックネームも付けられる（ちなみにこの被り物は小林雅英の娘から借りたもので、提案したのは諸積兼司らしい）。
- 8月11日対北海道日本ハムファイターズ戦で連勝は7でストップ。球団新人記録の8連勝（1950年荒巻淳、榎原好）には届かず。尚、7連勝は川上憲伸の5連勝や松坂大輔の6連勝を上回る。
- 9月17日対西武戦でこの年3度目の完封でシーズン10勝に到達。球団で新人投手が10勝以上をあげたのは、1950年の荒巻淳（26勝8敗）、榎原好（16勝7敗）以来55年ぶり（球団では右腕投手での新人投手は史上初）。
- 11月4日婚約を発表。さらにこの日球団史上6人目となる新人王を獲得。（1974年、前回日本一になった際の三井雅晴以来。ちなみに三井は右腕投手）
2006年
- 3月25日　対ソフトバンク戦で清水直行、渡辺俊介がWBCからの帰国直後で休養をとる必要があり、小林宏之が右太腿筋痛を訴え、小野晋吾が発熱したため自身初の開幕投手（5失点で敗戦投手）
- そのあとも成績は振るわず、結局7勝13敗という成績に終わった（13敗はリーグワースト2位の成績）。「2年目のジンクス」が現れた形となった。

[編集] 選手データ

身長/体重 181cm/82kg
投/打右/右
出身地奈良県橿原市
血液型 B
球歴・入団経緯関大一高－松下電器－千葉ロッテ（2005年～）
ドラフト年度/順位 2004年/自由枠
2006年年俸（推定） 4000万円

[編集] 通算成績（2006年シーズン終了時）

42試合登板　17勝16敗0セーブ　防御率4.02　262投球回　203奪三振

[編集] 年度別投手成績

年度	球団	背番号	試合数	勝利	敗北	セーブ	勝率	投球回	奪三振	失点	防御率
2005	千葉ロッテ	16	19	10	3	0	.769	121 2/3	84	52	3.40
2006			23	7	13	0	.350	140 1/3	119	73	4.55
通算			42	17	16	0	.515	262	203	125	4.02

[編集] エピソード

高校時代は合宿所生活を送らず、奈良県橿原市の自宅から大阪府吹田市の高校まで、電車を乗り継ぎ1時間半かけて通学していた。
投手のクイックスピードで1､2秒台が及第点と言われているが、松下電器時代の久保は1秒を切って0.99秒という速さを残している。この時の捕手である岡崎太一（阪神）の二塁送球が1.8秒台だった為、このバッテリーから盗塁をする事はほぼ不可能と言える。
2003年の社会人野球日本選手権の対伏木海陸運送戦ではリリーフとして登板、MAX148km/hのストレートで4イニングで7奪三振を奪って力の差を見せつけたが、9回裏に先頭バッターに四球を与えたのをきっかけにサヨナラ負けを喫し、このジャイアント・キリングはファンや野球関係者に大きな衝撃を与えた。
このため、松下電器時代の久保を知るファンからは「新人王を獲った久保」というより「伏木海陸にやられた久保」と言われることが多い。
2007年 3月20日、関大一高校野球部の当時監督であった尾崎光宏氏が、胃がんの為67歳で逝去。訃報の報道に久保は「人に一切弱みを見せない監督でした」と偲んでいた。