名古屋臨海鉄道
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名古屋臨海鉄道株式会社(なごやりんかいてつどう)は、名古屋港東地域に置ける貨物輸送を行う鉄道事業者。駐車場・倉庫業なども行っている。日本貨物鉄道(JR貨物)、名古屋港管理組合、日本通運(2%強)の3社が出資している。
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[編集] 概要
名古屋港南東地域は戦前から企業の進出が著しい地域であって、同地区からの貨物輸送は名古屋港管理組合の持つ専用線から名古屋鉄道(名鉄)築港線の東名古屋港駅へ送り、そこから大江駅・神宮前駅を経由して日本国有鉄道(国鉄)熱田駅へ運び、そこから全国へ搬出していた。しかし工業の発展で輸送量が増加すると、旅客輸送の多い名鉄常滑線を経由するこのルートでは、輸送に支障が出る事が予想されるようになった。
そのため、操車場を名古屋東港に設けて東海道本線笠寺駅へ直接接続する臨海鉄道の計画が持ち上がった。こうして、国鉄と名古屋港管理組合の共同で1965年に設立されたのが名古屋臨海鉄道で、日本で3番目の例となるものであった。なお、この開業に伴い名鉄は減収になる事が予想されたため、見返りとしてこの年から国鉄高山本線との直通運転を開始している(名鉄キハ8000系気動車、高山本線直通列車の項目も参照)。
同年中に路線の一部を完成させ、営業を開始した。その後、1974年には名鉄築港線における貨物輸送の大部分が譲渡され、残りも1984年実施の国鉄ダイヤ改正で国鉄の貨物輸送整理に伴い全面譲渡となり、築港線及び名鉄における貨物輸送は消滅した。
現在、大垣市にある西濃鉄道からの石灰石輸送や、合成会社からの化学製品輸送、名鉄の新車搬入(後述)などを行っている。また、2006年11月15日から名古屋南貨物駅~盛岡貨物ターミナル駅までトヨタ自動車の部品を輸送する貨物列車「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」が新設された。
- 1965年1月23日 - 設立
- 1965年8月20日 - 東港線・汐見町線・昭和町線開業
- 1968年9月1日 - 南港線東港~名古屋南貨物間開業
- 1969年6月25日 - 南港線名古屋南貨物~知多間開業
- 1982年4月26日 - 東築線開業(1965年以前から側線として存在)
[編集] 路線
[編集] 名鉄新車搬入
名鉄における新車搬入は、製造元である日本車輌製造豊川製作所より国鉄~JR線を経由して行われてきたが、かつて本線系統の車両は東海道本線熱田駅から、瀬戸線の車両は中央本線大曽根駅から名鉄線への連絡線を通じて行っていた。
しかし国鉄末期の合理化や、大曽根駅の高架化も伴って、名古屋臨海鉄道経由に新車搬入のルートが変更された。現在の本線系統車両の搬入ルートは下記の通りである。
- 豊川製作所 - 豊川駅 - (飯田線) - 豊橋駅 - (東海道本線) - 笠寺駅 - (臨海鉄道東港線) - 東港駅 - (臨海鉄道東築線) - 名電築港駅 - 東名古屋港駅 - (名鉄築港線) - 大江駅
名鉄と相互乗り入れを実施している名古屋市交通局の鶴舞線・上飯田線、および同規格である桜通線の車両も上記のルートで名鉄線を介して搬入された。
なお、日本車輌製造の海外輸出車両も東名古屋港駅までは同様のルートで運ばれ、そこの岸壁から船に積み込まれる。また瀬戸線の車両の場合は、東名古屋港駅岸壁の海外輸出用の留置線で車輪をタイヤに履き替え、トレーラーにより尾張旭駅の留置線まで乙種輸送する。更に、名鉄車両の他社搬出の場合もこのルートが逆方向で使用され、キハ8500系が実際に会津鉄道へ送られた。