国鉄千葉動力車労働組合
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国鉄千葉動力車労働組合(こくてつちばどうりょくしゃろうどうくみあい)は、日本の労働組合の一つ。
旧国鉄千葉管内、現JR東日本千葉支社などの労働者で組織する。通称動労千葉(どうろうちば)。マスコミでは千葉動労と表記される。
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[編集] 概要
- 本部:千葉県千葉市中央区要町2丁目8番 DC会館内
- 執行部:委員長田中康宏、書記長長田敏之
- 組織:13支部。内訳はJR東日本に9、JR貨物に2、JR木原線が第三セクター化したいすみ鉄道に1、中央支部1
- 機関誌:年刊『動労千葉』および『日刊動労千葉』
[編集] 沿革
成田空港建設を巡る成田紛争に対する見解の違いから、国鉄動力車労働組合(動労)千葉地方本部が1979年3月30日に組織的に分裂して発足した。現在、OBも含め600人余りの組合員を有し、同県船橋市・勝浦市などで地方議員を輩出した。しばしば中核派の支持団体と看做される(同党派の出版物で動労千葉を好意的に取り上げることが多い)。そのため、中核派と対立する革マル派と内ゲバを繰り広げるなど、戦闘的な組合である。
国鉄分割民営化に対しては、国鉄労働組合(国労)同様否定的な見解を貫いた。そのため、分割民営化時に国労、全国鉄動力車労働組合(全動労)などとともに排除の対象とされた。分割民営化を否定するため、「国鉄」の文字を未だに冠している。現在では不採用組合員16名の復帰をめざし、動労千葉争議団を結成し、政治セクトの違いを超えて国労の争議団と共闘している。
1985年11月29日に中核派によって引き起こされた国電同時多発ゲリラ事件(この事件で首都圏の国電路線・マルスが麻痺しただけでなく、浅草橋駅が焼き討ちにあい、首都圏の通勤通学者の怒りを買うことになった)はこの動労千葉のストライキの日と同日であり、動労千葉は「自分達を支援するもの」という主旨の発表を行っている。動労本部の松崎明委員長(当時)は「ゲリラを誘発したストライキだ」と非難声明を出し、総評に対して、動労千葉を除名するよう求めた。このストライキと翌1986年2月15日に打たれた第2波ストライキにより、公共企業体等労働関係法によって28名の組合員が解雇にされた。
しかし、この事件とストライキが動労千葉を大きく飛躍させる一大闘争だったことはいうまでもない。翌1986年には、平凡パンチ(廃刊)の「内田裕也のロックン・トーク」という連載記事で、内田裕也と中野洋委員長(当時)の対談が掲載されたり、週刊プレイボーイでは「千葉動労なぜ闘う!?」と言う記事で、当時の青年部長が取材を受けるなど、メディアでの取材がよく見られた。
1986年11月30日、直前に結成されたばかりの動労水戸・動労連帯高崎とともに動労総連合を組織し、のちに動労西日本を加え、現在に至る。本部は動労千葉と同じ。
[編集] 現状とJRの対応
JR東日本における房総半島(千葉支社)の各線では、よくストライキによる間引き運転や運休(久留里線など)が行われるが、これは動労千葉の争議行為によるものが多い。毎年3月中旬には必ず行なわれるため、地元ではもはや「春の風物詩」となっている。一部では「花見スト」などと揶揄されており、千葉以遠のいわゆる房総各線の利用者からの反発が大きい。
千葉県内の普通列車に現在まで新系列車両を投入しないのは、新系列車両はメンテナンスフリーであり、仕事が減ってしまうという懸念があることが大きく、このため千葉地区は「旧型車の墓場」と言われるようになってしまった。(この「利用者のサービス向上よりも自分達の雇用を守る」という姿勢は一部の利用者から反感を買っている)動労千葉ではJR東日本の進める検修部門の外注化に断固拒否の姿勢を堅持しており、その後、習志野電車区は閉鎖され所属車両は三鷹電車区へ転属、幕張車両センター所属のE217系が全車両とも鎌倉車両センターへ転属したのは、保守部門の効率化という一面もさることながら、動労千葉の「外注化拒否」に対するJR東日本の対抗姿勢の現れとも言われている。動労千葉は、E231系のような新系列車両が軽量車体であること、成田エクスプレスや総武快速線の高速運転に対し危険性を主張しており、このようなことから現在でも253系(成田エクスプレス)は全車が横浜支社鎌倉車両センター所属である。
なお、1985年と86年に行われたストライキによる解雇者については、1996年3月27日に千葉地裁で国鉄清算事業団との間で和解が成立した。被解雇者は全員和解金(退職金)を受けて、処分日に依願退職したと同等の扱いとなり、職場復帰はなかったものの、一定の勝利解決を見ている。
2006年ころには、館山運転区廃止に対して地域反対集会を開催し、来賓に市長や観光協会長を招いて共に運転区廃止反対の声を上げている。ストライキを行使する態度は変わっておらず、動労千葉の闘いが地元で支持されているかはともかくとして、地元との関係性を強める新たな動きが出ている。
[編集] 参考文献
- 中野洋『動労千葉俺たちは鉄路に生きる―国鉄分割・民営化に異議あり!!―』(社会評論社、1986年)
[編集] 外部リンク
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