土佐中学校・高等学校
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土佐中学校・高等学校 | |
国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 学校法人土佐高等学校 |
設立年月日 | 1920年(大正9年) |
校訓 | 報恩感謝 |
創立記念日 | 1922年11月18日 |
創立者 | 川崎幾三郎・宇田友四郎 |
共学・別学 | 男女共学 |
中高一貫教育 | 併設型 |
分校 | なし |
課程 | 全日制の課程 |
単位制・学年制 | 学年制による教育 |
学科 | 普通科 |
所在地・連絡先 | |
所在地 | 〒780-8014 |
高知市塩屋崎町1丁目1-10 | |
外部リンク | http://www.tosa.ed.jp/index.html |
土佐中学校・高等学校(とさちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、高知県高知市にある私立中学校・高等学校。
目次 |
[編集] 概要
中学校・高等学校の中高一貫教育である。中学から高等学校へは原則全員が進学し、高等学校へは例年50名程度外部の中学校からの入学がある。男女共学であり、男子校として戦前にあった旧制私立中学校としては珍しく新制高等学校開始後いちはやく共学化した。
県内随一の進学校である。また、文武両道を標榜しており、野球部、サッカー部などが全国大会へと出場している。
中学校と高校を併せて土佐(とさ)と呼ばれる。略称は中高それぞれ、土佐中・土佐高。中学校も含めて「とさこう」と呼ぶことがあるが、その場合は「土佐校」の字が当てられる。 高等学校には全日制の普通科のみが設置されている。
[編集] 校風
自由な雰囲気で、生徒一人ひとりが好きなことに打ち込める環境となっている。
運動会の熱の入れようは独特で、高校二年では衣装、振り付け、演出を生徒で考える仮装ホームゲームを、高校三年では高さ10メートルほどの巨大なやぐらを建造する。
中学はABCDEの5クラス、高校はTHOKSNの6クラスに分かれている。特進クラスなどは特には存在せず、文理の別や成績によってクラス分けをしないことが特徴となっている。1クラスの人数は中学、高校ともに50名前後で、他の学校より多い。ホーム担任については、主任団と呼ばれる5人の教師が、中・高それぞれ3年間を持ち上がる、独特のシステムをとっている。例えば今年1Aの担任をした教師は、来年2Aの担任となり、2Aの担任をした教師は来年3Aの担任となる。高校進学時には数名が入れ替わるものの、多くは6年間ほぼ同じ教師が主任団を構成する。それゆえに教師の「当たり外れ」が大きく、学年によって学力に差が出やすい。
高校のクラス名HOKSは校訓である報恩感謝の頭文字からとられている。Tはクラスを増設した際に校名より、Nは6クラスに増設した当時の担任名からとられている。
制服の袖の白線が土佐校生のシンボルとして有名である。
学業においては自学自習(自ら学び自ら習う)をモットーとしており、毎年東京大学・京都大学・各大学医学部を含む国公立大学や有名私立大学に卒業生を輩出している。
[編集] 沿革
第一次世界大戦に伴う好景気によって財をなした川崎幾三郎・宇田友四郎両氏が私財を投じ、少数精鋭の英才教育を施す中学校として設立した土佐中学校(旧制)が前身となる。
[編集] 年表
- 1920年:現学校法人の前身にあたる川崎・宇田財団法人と土佐中学校(旧制)の設立が認可され、創立者の一人・川崎幾三郎氏の控家で授業開始。
- 1922年11月18日:現在地の校舎落成式。この日を創立記念日とする。
- 1945年7月4日:高知大空襲により校舎が焼失。翌年に校舎が再建されるまで各地を転々とする。
- 1947年4月1日:男女共学の新制中学校を併設。
- 1948年4月1日:新制高校となる
- 1959年:新グラウンドが完成。
- 1973年:現在の校舎がほぼ完成。
- 2008年:現在の校舎がほぼ崩壊。
[編集] 主な学校行事
4月:中高入学式・始業式 遠足
5月:中学クラスマッチ
6月:オープンスクール
7月:一学期終業式 高校クラスマッチ
8月:夏季休業中
9月:二学期始業式
10月:運動会 遠足
11月:開校記念日(11月18日) 文化行事 修学旅行(高1)
12月:二学期終業式
1月:三学期始業式 高校卒業式 スキー研修(中2)
2月:中学合唱コンクール 向陽祭(文化祭)(隔年) 文化部発表
3月:中学卒業式 中高終業式
[編集] 制服
[編集] 夏・冬服
男子は黒の詰襟・ズボン、女子は紺のブレザー・スカートを着用する。男女とも袖口から10cmほどのところに白線が1本入るのが特徴。
夏期には男子は白のカッターシャツに黒の学生ズボン、女子は白の開襟シャツにスカートを着用する。夏期の制服には白線のような目立った印はつかない。
[編集] 体育服・水泳着
男子は白の長袖・半袖体操服に黄白色の長ズボン・短パン、女子は白の長袖・半袖体操服に臙脂色(えんじいろ)の短パンを着用する。
水泳時には男子は紺色のボクサー型の水着、女子は紺色のワンピース型のスクール水着を着用する。
[編集] 上履き
2006年度の色は、中1が臙脂(えんじ)色、中2が緑色、中3が茶色、高1が黒色、高2が青色、高3が象牙色となっている。 尚、トイレにはトイレ用スリッパがある。2003年に変更になり、いわゆる「おじさんスリッパ」になった。それまでは男子が藍色、女子が深緑色のスリッパだったが、現在では男女での色分けはなく、学年ごとに違う色を使用する。甲の部分に校章のシールが貼られている。トイレ用スリッパは全て黄色である。 また土佐校生は上履きのことを「せった」と呼んでいる。
[編集] 施設
老朽化が進んでおり、南海地震も予想されていることから大規模な改築の計画がある。
[編集] 校舎
中央棟・中学棟・高校棟に分かれている。ほとんどの教室に冷暖房が完備されている。
中央棟には職員室のほか、中高ともに使用する大教室、図書室などがある。
高校棟には高校の教室、理科実験室・講義室などがある。
中学棟には中学の教室、売店などがある。
[編集] 体育施設
以下の施設がある。新グラは校舎から徒歩10分程度の位置にある。
- 25mプール
- 第1グラウンド(通称旧グラ)
- 第2総合グラウンド(通称新グラ)
- テニスコート(4面)
- 弓道場
- 野球部右文寮
- 体育館
[編集] 食堂・売店
学食は、体育館(2F)のある棟の1Fに所在している。 メニューは、うどん・そば・カレー等であり、貧乏学生の味方とも言える安さで提供している。 また、ジュースの自販機や惣菜パンなども販売されており、昼休みは大変に混雑する。 様々なメニューに鶏のから揚げをトッピングできるのが特徴である。
売店は校舎1階に所在している。
[編集] 寮
向陽寮という男子寮がある。定員男子60名で全室個室、2食付である。女子寮は設置していない。
他に野球部用の寮が新グラに併設されている。
[編集] 部活動など
文武両道を標榜しており、特に運動部に力を入れている。
野球部は選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に6回、全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に4回の出場を果たしており、春夏1回ずつ準優勝している。攻守交代時の全力疾走は有名。
他にも体育会系ではサッカー部、陸上部、水泳部、ハンドボール部、バスケットボール部、硬式テニス部、軟式テニス部、バドミントン部、バレーボール部、ソフトボール部、弓道部、剣道部、柔道部、登山部、自転車競技部などが、文化部ではオーケストラ部、吹奏楽部、棋道部、放送部、演劇部、文芸部、合唱部、茶道部など各団体が活躍をしている。近年でもサッカー、陸上、水泳、硬式テニス、バドミントン、ハンドボール、弓道、剣道、登山、自転車、棋道と、それぞれインターハイや選抜大会、国体などの全国大会への出場がある。多彩な部活動があり、生徒らの個性を発揮できる環境がある。
[編集] 著名な卒業生
括弧内の数字は卒業年。50音順。
[編集] 文化
- 大森望:評論家・翻訳家
- 北村総一朗(本名・北村総一郎):俳優
- 公文公:日本公文教育研究会創業者
- 公文俊平:社会科学者
- 倉橋由美子:作家
- 黒鉄ヒロシ:漫画家
- 坂東眞砂子:作家
- 平井康三郎:作曲家
- 西谷昇二:代々木ゼミナール英語科講師
- 野田正彰:精神科医・評論家
- 田岡典夫:直木賞作家・追手前高校から転校、のち日比谷高校に転校
- 塩田潮:作家
[編集] 大学関係
- 尾池和夫(1959):地震学者・京都大学総長
- 岡村甫:工学博士、高知工科大学学長
- 川口清史:経済学者、立命館大学総長
- 森岡正博(1977):哲学者、大阪府立大学教授
- 池澤俊治郎:中部大学工学部教授
- 佐竹研一:学者(環境化学、環境科学全般)、立正大学地球環境科学部教授
- 島村和典:高知工科大学工学部教授
- 馬場章夫:大阪大学大学院工学研究科教授
- 刈谷三郎:高知大学教育学部教授
- 北村均:横浜市立大学医学部教授
- 吉野さやか:筑波大学大学院教授
- 植田信広:九州大学大学院法学研究科教授
- 須賀陽子:徳島文理大学音楽学部助教授
- 服部哲郎:香川大学工学部教授
- 和田健夫:小樽商科大学副学長、理事、教授
- 田辺敬貴:愛媛大学医学部教授
- 掛水隆:東京電機大学助教授
- 西村秀二:金沢大学法科大学院教授
- 門田明雄:首都大学東京助教授
- 森裕司:東京大学大学院農学生命科学研究科教授
- 有田憲司:徳島大学大学院助教授
- 高岡昌徳:大阪薬科大学薬理学教室教授
- 山下倫範:立正大学地球環境科学部教授
- 山本博史:哲学者、追手門学院大学人間学部教授
- 谷岡朗:学者(アメリカ文学)、日本大学理工学部助教授
- 笹岡真弓:文京学院大学人間学部教授(医療福祉、介護福祉)、 (社)日本医療社会事業協会会長
- 福崎裕子:東京理科大学助教授、同時通訳(フランス語)
- 石本美智:高知工科大学工学部助教授
- 森田啓之:岐阜大学医学部教授
- 窪田泰夫:香川大学医学部教授
- 横山正尚:岡山大学医学部助教授
- 土居義岳:九州大学大学院芸術工学研究院教授
- 杉本優:群馬県立女子大学文学部教授
- 吉田篤正:大阪府立大学大学院工学研究科教授
- 山崎正:神戸大学理学部数学科教授
[編集] 政治
[編集] 経済
- 武市智行:スクウェア(現スクウェア・エニックス)元社長
- 秦郷次郎:ルイ・ヴィトン・ジャパン社長
- 廣内武:オンワード樫山会長
[編集] スポーツ
- 岡村甫 - 東大野球部投手、東大工学部名誉教授 高知工科大学学長 / 東京六大学野球・通算17勝
- 大橋勲 - 慶大野球部捕手→巨人軍
- 萩野友康 - 慶大野球部投手 / 東京六大学野球・慶大三連覇
- 玉川寿 - 慶大野球部 / 東京六大学野球・盗塁王
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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