性差別
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性差別(せいさべつ)とは、平等に反した、性別に基づく社会的な差別のこと。また性的少数者に対する不利益も性差別の一つである。
現代において一般的に男性、女性間の生物学的な性に基づく扱いの違いが性差別であるとされることは少ない。多くの場合性差別であるとして問題になるのは「社会的な性別」(ジェンダー)を理由とした差別についてであり、そのため性差別解消の手段の一つとしてジェンダーフリーが主張されることもある。
目次 |
[編集] 歴史的背景
[編集] 選挙権の有無
[編集] 男女共学の実現
[編集] 姦通罪と公娼制度の廃止、売春防止法の施行
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- 姦通罪とは、刑法(明治40年4月24日法律第45号)第183条であるが、日本国憲法の定める男女平等権に抵触するという理由で昭和22年法第123号により削除された。
- 昭和21年に連合国最高司令官から日本国政府に「日本における公娼制度廃止に関する覚書」が公布され、ついで同22年に勅令9号「婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令」が施行され、明治以来続いていた公娼制度に終止符が打たれた。
- 昭和28年(1953年)に内閣は売春問題対策協議会を設置、同31年3月に総理府に売春対策審議会が設けられ、売春防止法を立案、同31年5月に法案提出(昭和31年5月24日法律第118号)、同33年4月に施行された。
[編集] 国連女子差別撤廃条約批准
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- 1980年7月17日署名(デンマークで開催された国連婦人の10年中間年世界会議の際、高橋展子駐デンマーク大使が署名) 1985年6月24日 条約締結を承認(第102回通常国会) 同年6月25日 批准 書寄託 同年7月25日 日本において効力発生
[編集] 強制徴兵制の有無
[編集] 宗教観
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- 特に中世盛期から後期において、キリスト教は長らく女性を抑圧してきた。13世紀カタリ派のように女性を司教に採用したり、男性を統率する立場に就任する事もあったが、ローマ教皇庁の命令で破門や虐殺を受けている。プロテスタントの生みの親ルターも「女児は男児より成長が早いが、それは有益な植物より雑草の方が成長が早いのと同じである」などという偏見のある言葉を残している。
- キリスト教によって女性差別が緩和された例も少ないながらある。たとえば売買婚を禁止した例がある(そもそも売買婚はなかったとの説もある)。ただし、奴隷との性行為に関しては、教会自身が多くの奴隷を保有していたため禁止できなかった。ローマ帝国の法律では、既婚女性の財産の所有権や発言権には非常に制約が課せられていた。しかしその後、キリスト教の布教により緩和された。つまり、一定の相続権や離婚の請求権などを得たのである。姦通の罪は女性のみに適応されていたが、男性も罪に問うた。このように、主に結婚に関係して女性の権利が部分的ではあるが解放された。しかし、こういった解放は、中世初期において集中的に発生し、後期においては締付けは逆に厳しくなったりもした。
- 全体的な流れとして、女性は宗教界では教義に則り弾圧された。
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- イスラムにおいて一夫多妻制などを男女差別の根拠とするのは歴史的に門違いである。イスラムの故郷中東は、イスラム教初期の対外征服戦争、イスラム教徒同士の戦争、十字軍などの侵略者により、長らく激しい戦乱の時を過ごしてきた。そのせいか婦人の占める人口が増大した。そのため作られた制度が一夫多妻制であり、これは本来女性を裕福な夫が経済的に保護することが目的であった。体中を布で覆わなければならないと言うコーランの教えも、妻はその姿までも総て夫の所有とされるためであるが、妻が他敵兵に見つかった際に誘拐や性的暴力を受けないためでもあった。
- しかし現在では、イスラム教の教義の本旨が上記のようであることを看過し、イスラム教の名の下に女性を弾圧する過激な組織も少なからずあり、一口に語ることは出来ない。
[編集] 同性愛と性差別
同性愛者に対する偏見も性差別と同様視されている。EUでは2006年1月に欧州議会が「同性愛嫌悪」に対する共同決議案を採決し、同性愛に対するあらゆる差別は人種差別と同様とされた。
なお、キリスト教圏では同性愛がタブー視されることが多かったが、日本では伝統的にその傾向はなく、文学の世界でも同性愛がよく表現されている。近代に日本でキリスト教圏の文化が広まった後、同性愛に対するタブーの風潮が少し広まったものの、近代では同性愛は主要な表現・嗜好のひとつであり、小説、漫画、映画などで同性愛を扱った同人作品は多い。
[編集] ポルノグラフィーと性差別
一部のフェミニストはポルノグラフィーを性差別だとする意見を述べている。女性の肉体が男性の楽しみによって利用される事が性差別だとする考え方はアメリカの著名なラディカルフェミニストであるキャサリン・マッキンノンが代表的。
カナダやEUはフェミニストの女性議員が多い為か、ポルノに対する規制が厳しく、所持しているだけで逮捕される例が存在する。
[編集] 司法における性差別
性犯罪に関する刑事事件において、女性に比べて男性のほうに厳しい対処が行われる場合がある。裁判、取り調べにおいて、女性が男性に何かをされたと訴えた場合、被疑者の男性の発言は無視され、被害者女性の証言ばかりが取り上げられることが多い。この傾向から痴漢冤罪事件などが発生し、痴漢冤罪を題材にした映画などが制作されるなど社会問題となっている。
一方で、女性の労働事件(人事処遇や解雇)などにおいては、男性管理職の観点からの価値判断に偏り、女性労働者の立場に配慮した判断がされていないとする見方が弁護士会等から指摘されている。これは、日本の裁判所こそが男社会の最たるものであり、裁判官(特に管理職の立場に相当する年配裁判官)は圧倒的に男性が多い(現在、女性で職業裁判官や弁護士から最高裁判所判事になった者はおらず、また現在40の民事部・刑事部を抱える東京高等裁判所に女性の部総括(裁判長裁判官)は一人もいない) ことも一因であるとされている。
[編集] マスメディアにおける性差別
事件や事故を報道番組で取り上げる場合や番組内で人を呼び合う時、男性は苗字で、女性は下の名前で読まれたり呼ばれたりすることが多い。例えば夫婦のどちらかが事件や事故にあった場合、夫は被害者であろうと加害者であろうと苗字で読まれ、妻は下の名前で読まれている。附属池田小事件で犠牲となった唯一の男子生徒には苗字で「~君」と読まれたが、他の女子生徒に対しては下の名前で「~ちゃん」と読まれた(いずれも同級生が卒業を迎えた日を報道番組で取上げた時。)。またナレーターやテレビドラマの解説で、前述のことが徹底・統一されている番組もある(例「伝説の教師」、「ラブカツ」など。)。
[編集] 関連図書
- 『性差別と暴力―続・性の法律学』角田由紀子 有斐閣選書
- 『ポルノグラフィと性差別 』キャサリン・マッキノン 青木書店
- 『司法における性差別 ―司法改革にジェンダーの視点を』日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会・2001年度シンポジウム実行委員会 明石書店
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
- バイセクシャル
- 男女雇用機会均等法
- ウーマン・リブ
- セクシャルハラスメント
- 女人禁制
- 国際女性デー
- 女性参政権
- 新婦人協会
- 赤瀾会
- 関連年表
- 女性差別
- 男性差別
- セクシスト
- 拒食症
- ミソジニー
- 上半身の性の問題
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