日本PTA全国協議会
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日本PTA全国協議会(にほんピーティーエーぜんこくきょうぎかい)は社団法人のひとつで、全国のPTAの全国協議会で健全な青少年の育成を目指した団体である。略称は日P。
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[編集] 概要
第二次世界大戦後、アメリカの占領下で、アメリカの第一次教育使節団の報告書による勧告を元に誕生したPTA活動の全国連絡協議会で、公益法人という位置づけになっている。 活動は、完全な小中学校での週五日間授業の実現と、健全な校外生活、少年非行の防止、家庭教育、児童虐待やいじめなどの防止と予防のための啓蒙活動。青少年に好ましくない雑誌、テレビの俗悪番組についての意見表明などである。
[編集] アンケート
日本PTA全国協議会は、毎年小学5年生・中学2年生およびその保護者に対し「テレビ番組に関する小中学生と親の意識調査」と称するアンケートを行い、テレビ番組について以下のようなランキングを発表している。
[編集] 子供に見せたくない番組
「子供に見せたくない番組」とは、日本PTA全国協議会がメンバーを対象にアンケートしている企画の一つ。 小学5年生保護者の第1位は2001年~2004年は「クレヨンしんちゃん」、中学2年生保護者の第1位は2001年は「めちゃ²イケてるッ!」、2002年~2003年は「ロンドンハーツ」、2004年は「めちゃ²イケてるッ!」、「ロンドンハーツ」であった。バラエティ番組が選ばれることもあればアニメ番組が選ばれる例も存在する。元の名前は「ワースト番組」だった。
- 「ワースト番組」にはかつて「8時だョ!全員集合」が毎年のように1位を独占した。しかし、「オレたちひょうきん族」が同時間枠で放送開始されてからは「子供にみせたくない番組」1位を争うことになった。
- また、アニメで初のランクインは「ルパン三世」だった。
- このアンケートに関してお笑いコンビのナインティナインの岡村隆史は自身の持つ「ナインティナインのオールナイトニッポン」の中で痛烈に批判している。ナイナイ自身は「子供に見せたくないタレント」第9位にランクインしている。
週刊文春でも「子供に見せたくないタレント」という同じような企画がある。
[編集] 子供に見せたい番組
「子供に見せたい番組」とは、日本PTA全国協議会がメンバーを対象にアンケートしている企画の一つ。近年はテレビ東京やフジテレビが製作した番組が多くTOP10に入る傾向がある。ちなみに小学5年生保護者、中学2年生保護者ともに第1位は2002年、2003年は「プロジェクトX」、小学5年生保護者の第1位は2004年は「どうぶつ奇想天外」、中学2年生保護者の第1位は2004年は「プロジェクトX」、2005年は小学5年生保護者、中学2年生保護者ともに「1リットルの涙」である。ちなみに日本民間放送連盟による「青少年に見てもらいたい番組」の常連である「ちびまる子ちゃん」、「サザエさん」、「ドラえもん」などのアニメはTOP10には入らないことが多い。ちなみにもとの名前は「PTA推薦番組」だった。
- ジャンクSPORTSは中期以降タイトルバックが出る直前に「PTA推薦番組」というテロップを流して放送していた。
[編集] 子供の好きな番組
「子供の好きな番組」とは、日本PTA全国協議会がメンバーを対象にアンケートしている企画の一つ。小学3・4・5・6年生の第1位は1998年と1999年は、「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」、小学5年生、中学2年生とも第1位は2002年は、「学校へ行こう!」、2003年は「トリビアの泉」である。2004年は「どうぶつ奇想天外」が小学5年生1位に、「はねるのトびら」が中学2年生1位となった。なお、「子供の好きな番組」と「子供に見せたくない番組」には重複が多く、逆に「子供に見せたい番組」との重複は少ない。親と子供のテレビ番組に関する温度差が目立つ結果となっている。
[編集] その他
ほか、「子供に読んで欲しくない本」「子供の好きな本」「子供に見せて欲しい映画」「子供に遊ばせたくないゲーム」「子供の好きなゲーム」と題したランク付けを行っている。
[編集] 推薦図書
ゲーム脳仮説を提唱した森昭雄の著書、『元気な脳のつくりかた』(少年写真新聞社 ISBN 4879812226)は、日本PTA全国協議会の推薦図書とされている。
[編集] 会の活動と「テレビ離れ」との関係
1995年頃から日本PTA全国協議会がテレビ番組の批判を始め、それをきっかけとして1997年に『放送倫理・番組向上機構 (BPO)』の前身である「放送と人権等権利に関する委員会機構」 (BRO) が出来たことがテレビがつまらなくなった原因の一つとされ、いわゆる「テレビ離れ」を引き起こす要因となったとされる。
「子供に見せたくない番組」「推薦図書」に見られるように、日本PTA全国協議会による批評は表面部分だけでの評価や批判が目立ち、深層部分や作者の意図するものを考慮に入れない場合が多い。例を挙げると、「クレヨンしんちゃん」は主人公のしんのすけが、毎回下品かつ低俗な行動をする事が批判されるが、一方でしんのすけの心優しい一面や、作品の各所に見られる家族愛といった側面は無視される傾向にある。推薦図書ではゲーム脳を提唱した森昭雄に対する高評価などである。
お笑いコンビダウンタウンの松本人志も、『ごっつええ感じ』が2001年秋に一夜だけテレビで復活した後、その評価があまり芳しくなかったことに対し、「本当に面白いことはテレビではもう出来なくなってしまった」と語っている。
また、ビートたけしも『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』と『お笑いウルトラクイズ』の復活オファーがあったが、当時のような企画は今のご時世ではなかなか放送出来ないため、視聴者を満足させることが出来ないとして断ったことがある(ただし、お笑いウルトラクイズは2007年正月に復活することになった)。
また、ドラマでも『江戸川乱歩の美女シリーズ』のようにかつては放送できたものが日本PTA全国協議会によって批判されてやむなくDVDでのリリースに至ったというケースが出た[要出典]。
総論として、日本PTA全国協議会の活動の結果テレビがつまらなくなった・テレビをダメにしたという批判が出ている[要出典]。
[編集] 関連記事
- 低俗番組
- 背徳小説
- 放送倫理・番組向上機構 (BPO)
[編集] 外部リンク
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