浅倉大介
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浅倉 大介(あさくら だいすけ、男性、1967年11月4日 - )は、日本の音楽プロデューサー・作曲家・アレンジャー・キーボーディスト。貴水博之とのユニット、accessのキーボーディスト兼、プロデューサー。東京都出身。東京都立蔵前工業高等学校卒業。
エレクトリック・ミュージックシーンで活躍しているミュージシャンの一人。
ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
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[編集] 来歴・人物
小学生の時にエレクトーンを習い始めたのが音楽との出会い。高校時代にはYMOの影響を受け、楽器屋でアルバイトをしながらシンセサイザーに触れる。それらの製品のバグなどを報告していた所、YAMAHAから声が掛かり、高校卒業後は契約社員として勤務。社員としてシンセサイザー(DX7IIFD等)や、シーケンサーQX3の開発、及びそれらのインストラクターを務める傍ら、ゲーム音楽の作・編曲等も手掛ける。当時の代表作はDAIVA(ディーヴァ)。その後、小室哲哉率いるTM NETWORKのマニピュレーションに参加。サポート・キーボーディストとしてステージデビューを果たした。それ以前もTM NETWORKのCAROLツアーのレコーディング、合歓の郷でのツアー合宿などには帯同し、マニュピレーション等を担当していた。
1991年にはファースト・アルバム『LANDING TIMEMACHINE』でソロデビューし、1992年から貴水博之とのユニットである access を結成。「NAKED DESIRE」「MOONSHINE DANCE」などの数々のヒットナンバーを送り出し、2年間で11枚のシングル、3枚のアルバムを発表した。
access 活動休止後の1995年からはソロ活動を再開させる一方で、音楽プロデュースを本格的に進めていく。1996年には自身が参加する3人組の新ユニット Iceman を始動させ、その後もT.M.Revolution のヒットなどで成功を収める。1999年、T.M.R.の東京ドームライブにサポーターとして参加後、T.M.R.を封印した西川とのユニットthe end of genesis T.M.R.evolution turbo type Dとして2000年まで共に活動していく。T.M.R.が西川のセルフプロデュースになった現在も、作曲については2006年現在引き続き担当している。
2001年から2002年にかけては、95年以来となる6年ぶりのソロ活動を再開。四季をテーマにしたツアー先行型の音楽活動を展開。 2002年には access を再開。現在、ソロと並行して活動中。 2004年から2005年冬にかけての1年は、「虹」をテーマに掲げた7枚のコンセプト・アルバム「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズを定期リリース。 また、プロデュースやユニット、ソロの活動と比べるとまだ数は少ないが、舞台、アニメ、ゲーム、映画の音楽製作・監修も務める。
デジタル音楽プロデューサー、シンセサイザー演奏者としての評価も高く、シンセサイザーを使った音楽製作・打ち込みの技術では、現在でも日本のトップクラスであり、プロのミュージシャンですら浅倉の技法を参考にする者が少なくない。既述したように、ヤマハに在籍していた事もあってか、同社のシンセサイザーであるQS300とEOS BXのイメージキャラクターを担当しており、ヤマハとの関わりが深い。 キーボード演奏面では、ショルダーキーボードの使用やパフォーマンスなど小室哲哉の影響を強く受けている。
また、音楽機器に限らず最新鋭のデジタル技術にも造詣が深く、時代に先駆けて音楽の発表に活かす事が多い。1995年の3rdアルバム「ELECTROMANCER」では世界初の試みとしてCD-ROMを付属し、2002年発表の「21st Fortune」では、5.1チャンネルでの鑑賞を前提とした音楽作りを導入。Icemanでも世間に浸透する前の1998年の時点で既にDVD作品を発表している。その他、accessでは日本のJ-POPシーンでは初めての4曲入りマキシシングルを発売し、近年発表された「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズでは実に1年という短期間で7枚のアルバムを発売するなど、常に実験的かつ真摯な姿勢が伺える、アグレッシヴなミュージシャンである。
浅倉大介は作曲する際に、低価格オーディオから高級オーディオまでどんな音響機器でもいい音で再生できるように心がけて制作しているという。そのため、かつて音楽データの違法コピー問題において、所属しているレコード会社(ソニー・ミュージックエンタテインメント)がコピーコントロールCDを導入する際に、「音質が悪い」ことを理由に断固として導入に反対した希有なアーティストとしても名高い。裏を返せば、上述の様な技術面への造詣の深さゆえに、音質の悪さやコピーコントロールのシステムが、後々にメーカーとユーザーの間で大きな問題に発展することを導入前から見抜いていた数少ない存在である。ちなみに、当時のソニー所属のミュージシャンでコピーコントロールCDの音質を問題視したのは、浅倉、奥田民生とその他に1人いただけであった。コピーコントロールCDでの発売を避けるため、クラブリミックスアルバム「Sequence VIRUS」シリーズと「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズは所属事務所のレーベル「Darwin Record」からの発売となったことはファンの間では語り草となっている。
一方、「師匠」とされる小室哲哉と比べると、商業的才覚にはあまり長けていないと言える。音楽プロデューサーとして多くのアーティストプロデュースを手がけたが、一般的な視点からするとメジャーシーンでヒットしたのはaccessとT.M.Revolutionのみ、という印象は否めない(特に後者の場合、西川貴教本人の自助努力によるところが大きいという意見もある)。「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズの場合も、インディーズレーベル(実際オリコンのインディーズチャートにランクインしている)での発売であったために販路が限定されたこと(アマゾンなどでは購入できない)と宣伝不足により、上述の試みの割にはメディアで取り上げられること自体が皆無に等しい状況だった。
[編集] ソロ活動
インストゥルメンタルの楽曲とボーカル曲を織り交ぜて音源を発表する事が多く、どちらかというと前者の方が多いのも特徴。また、ボーカル曲は自身でボーカルを執る曲も多いが、ゲストボーカルとして主に新人のミュージシャンに歌わせる事もあり、access やT.M.Revolution誕生のきっかけもここから始まっている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] シングル
- COSMIC RUNAWAY 浅倉大介 Pred.AXS (1995/2/1)映画「大失恋」主題歌
- SIREN'S MELODY (1995/5/10)
- BLACK OR WHITE? 浅倉大介 expd.西川貴教 (1995/5/25)
- RAINY HEART~どしゃ降りの想い出の中 浅倉大介 expd.葛山信吾 (1995/6/10)
[編集] オリジナルアルバム
●印はDarwin Recordからの販売であり、一般流通していない(特定の店舗のみの販売)。
- LANDING TIMEMACHINE
- TM NETWORKのカバー数曲を収録
- 収録曲「LANDING TIMEMACHINE」は1990年頃にCNNデイウォッチのテーマ曲として使用された。最近では、FNNスーパーニュースでもテーマ曲の原曲として2000年4月~2002年3月まで聞くことができた。週末版のFNNスーパーニュースWEEKENDでは、現在でもこの曲をベースにしたものが使用されている。
- D-Trick
- ゲストボーカリスト:麗美、貴水博之
- 収録曲の「Rainbow In The Universe」は、めざましテレビ(フジテレビ制作1994年~1995年7時台OP)「レインボー」(MBS 毎日放送制作・西日本地域を中心としたJNN系列局で放送)、「KBCニュースピア630」(KBC 九州朝日放送制作・2002年まで使用)、ふくしまニュース一番街(KFB 福島放送制作・1997年3月28日で終了)、「柏村武昭のテレビ宣言」(HTV 広島テレビ制作)、KTSニュース・天気予報(KTS鹿児島テレビ放送)でもテーマ曲として使用されたほか、KFBニュース(KFB 福島放送)では現在も使用されている。
- そのほかの曲も番組BGMとしてしばしば使用されている。
- ELECTROMANCER
- 21st Fortune CD
- 「theme of j-sports」TBS系「J-SPORTS」テーマソング
- ●Violet Meme(紫の情報伝達値)
- ●Indigo Algorithm(藍の電思基数法)
- ゲストボーカリスト:真藤敬利
- ●Blue Resolution(青の思覚解析度)
- ゲストボーカリスト:藤田真由美
- ●Green Method(緑の中庸秩序系)
- ゲストボーカリスト:藤田真由美、戸苅朋勇、橋本真衣、ゲストラッパー:HIDE(Dt.)
- ●Yellow Vector(黄の多次限指向性)
- ゲストボーカリスト:藤田真由美
- ●Orange Compile(橙の能動編積式)
- ●Red Trigger(赤の誘発思動期)
- d・file -for tv programs-
- TV番組のタイアップ向けに書き下ろした楽曲を含む全7曲
[編集] ベストアルバム
- DecAde ~The BEST of Daisuke Asakura~
- d・collection -the best works of daisuke asakura-
- 一般流通していない「Darwin Record」から発売された楽曲の一部が収録されている。
[編集] クラブミックスアルバム
すべてDarwin Recordからの販売であり、一般流通していない。
- Sequence Virus 2003(現在は廃盤)
- Sequence Virus 2004(「神曲」はThe Seeker名義)
- Sequence Virus 2005(「夢の続き」は柴田智子with浅倉大介名義)
- Sequence Virus 2006
[編集] VHS・DVD
- Dimention-Trick
- INTERFACE OF ELECTROMANCER
- DA's Special Valentine Party!!! in 横浜アリーナ 1999.2.14
- DA's Party Special Summer Festival!!! In Tokyo Bay NK Hall 1999.8.29
- 21st Fortune DVD
- DAISUKE ASAKURA Live Tour '04 Cultivate Meme~about Quantum Mechanics Rainbow~
- DAISUKE ASAKURA Quantum Mechanics Rainbow
- DAISUKE ASAKURA Drive Meme-over Quantum Mechanics Rainbow-
[編集] コンプリートBOX
- 21st Fortune
[編集] サウンドトラック
- DAIVA(ゲーム)
- グラビテーション(アニメ)
- 格闘料理伝説ビストロレシピ(アニメ)
- DEAD LEAVES(アニメ)
- めいわく星人パニックメーカー(ゲーム)
- 旅の贈りもの 0:00発(映画)
- スターフィッシュホテル-image soundtrack-(映画)
[編集] 限定品
- Take Action!(2004)読売理工学院イメージソング/100枚限定
- Le Petit Prince~DA Mastered Original(2004)2004Darwin Winter Shopにて300枚限定発売
- Christmas Greeting 2003~'03.12.23 X'mas Dinner Show Line out(2004)Darwin Winter Shopにて300枚限定発売(Le Petit Princeのc/w)
[編集] 配信のみ・未CD曲
- EOSのテーマ(2001)YAMAHAシンセEOS BX内蔵
- Indigo cave-Live at 2004.9.25 Osaka(2004)Moraで配信
- Jade of sorrow-Live at 2004.9.11 Fukuoka(2004)
- Meme crack~ハルカ カナタのMajorへ-Live at 2004.9.18 Sendai(2004)
- Le Petit Prince-Live at 2005.10.9 Tokyo(2004)OnGenで配信
- Quantum Mechanics Rainbow VI(2005)Listen Japanで配信
[編集] 参加ユニット
[編集] プロデュース・楽曲提供したミュージシャン
[編集] プロデュース
- MODE
- オナペッツ
- LAZY KNACK
- 雛形あきこ
- T.M.Revolution
- pool bit boys
- 木村由姫
- Fayray
- コタニキンヤ(MC-K2) (Mad Soldiers 名義…伊藤賢一との共同プロデュース)
- 藤井隆
- サカノウエヨースケ
- RUN&GUN
- The Seeker
[編集] 楽曲提供
- 宇都宮隆「easy attraction」「LOVE-iCE」「SLASH!」「DAWN MOON」他
- 南青山少女歌劇団「SWEET&TOUGHNESS」
- OHA-ガールグレープ「おは!おは!ザ・ワールド」
- SHAZNA「PURE HEARTS」「AQUA」
- 阿部薫「Tocohyotsu Beat!!」
- 椎名へきる「レヴェランス」
- 加山雄三「夕陽は赤く」
- マジーとレギュラー「愛キラキラ」(よみうりテレビイベント「わくわく宝島」テーマソング)
- kimeru「Starry Heavens」「水の記憶」
- 玉置成実「CROSS SEASON」
[編集] レギュラー出演番組
- Neo Age Circuit(ラジオ)
- 新堂本兄弟(テレビ)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- DAnet公式サイト
- access Official Siteaccess公式サイト
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