経度
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経度(けいど:longitude)とは、緯度(いど:latitude)とともに、地球上の位置を示す座標の一つ。
経度は、その地点と北極・南極を通る大円と、ロンドンの旧グリニッジ天文台を通る大円(本初子午線)とのなす角度で表される。本初子午線よりも東側を東経(とうけい)、西側を西経(せいけい)と言い、それぞれ180度まである。また、東経に+(プラス)、西経に-(マイナス)を付けて表す場合もある。
同じ経度の点を結んだ線を経線(けいせん)と言い、子(北)と午(南)とを結ぶ線であることから子午線(しごせん)とも言う。「経」は織物の縦糸の意味で経緯線を織物に見立てたものである。メルカトル図法の地図では、経線は本初子午線に平行な直線となる。
概ね経度180度の線が国際日付変更線となる。
経度は標準時を定める基準となる。日本の標準時である日本標準時(JST)は、明石市などを通る東経135度の時刻である。
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[編集] 経度1秒の長さ
経度1秒の長さは、緯度によって大きく異なる。 理科年表2001年版によると、次の通り。
- 経度1秒の長さ(赤道上) 約31m
- 経度1秒の長さ(緯度35度上) 約25m
- 経度1秒の長さ(緯度90度上) 0m
[編集] 各経度の主要な都市
:注:経度の値は概略値
- 東経0~60度
- 東経60~120度
- 東経120~180度
- 西経0~60度
- 西経60~120度
- 西経120~180度
[編集] 経度をめぐる歴史
外洋航海がさかんになった16世紀以降において、航海中の自分の船の位置を知ることは安全な航海において重要になった。緯度は太陽の高さなどで比較的知り易いのに対し、経度は基準の経度の街の時間を正確に表示し続ける時計が入手できなかった時代には極めて困難であった。多くの国で、経度の決定法の開発について懸賞がかけられた。ガリレオは木星の衛星イオの食の周期を自然の時計として用いる方法を提案し、トビアス・マイヤーの月運行表も、もともとは地上の地図の作成に使われたものであるが、海上での経度の決定法として賞金を得ている。18世紀のジョン・ハリソンによる揺れる船上、温暖の差の激しい航海でも正確な時を刻むクロノメーター開発に関する物語はデーヴァ・ソベルの『経度への挑戦』に興味深く描かれている。