美少女戦士セーラームーン (テレビドラマ)
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『美少女戦士セーラームーン』(びしょうじょせんしセーラームーン)は、2003年10月4日から2004年9月25日まで放送された武内直子の漫画『美少女戦士セーラームーン』を原作にしたテレビドラマである。全49話。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
1990年代にテレビアニメ化され大ブームとなった武内直子の漫画『美少女戦士セーラームーン』を原作に、CBC・電通・東映製作によって制作され、TBS系列各局で放送された。ただしテレビ高知では前期のエピソードは約3ヶ月の時差ネットで放送されたあと、そのギャップを埋めるため深夜に集中放送を行い、テレビ山口では前期の半年間は全く放送されなかった。
また、2003年12月21日には、CBCラジオで、ラジオ特番「DJムーン」を放送。(この放送は、年明けの2004年1月4日に、MBSラジオ、TBSラジオでも放送された。)さらに、最終回から4年後、うさぎと衛の結婚前夜を描いた「Special Act.」、愛野美奈子がセーラーVとして覚醒する、セーラームーン前史「Act.ZERO」、以上2本の特別編ビデオ(オリジナルビデオ。東映/バンダイビジュアル製作)が発売された。
エピソードは原作第一部、対ダークキングダム編を基にオリジナル要素を付加しているが、特別編でうさぎと衛の結婚まで描かれたことで実写版の世界は実質上完結したと言える。
なおアニメ版とミュージカル版のタイトルの英語表記はPretty Soldier Sailor Moonだが、テレビ実写版ではPretty Guardian Sailor Moonに変更されている。(原作も新装版からこの英語表記に変更されている。)
[編集] 評価
それなりの人気はあり、特にアパレル関係は売れたのだが、アニメ版のような大ブームには至らなかった。原因として、朝食時間帯枠の放送のため視聴者の親が見る報道番組・情報番組と重なってしまったこと、2003~2004年当時の少女漫画そのものがアニメ版の全盛期とは事情が変わり、高年齢向けのものと低年齢向けのものに二分化し、前者は『NANA』、『ハチミツとクローバー』、『のだめカンタービレ』、『ラブ★コン』といった現実的なものが嗜好されるようになり、現実的な恋愛を重視した作品が嗜好されるようになった事により、美少女戦士というジャンルを見るのは未就学児や小学校低学年の女児が中心となってしまったことなどが複合的に影響したと思われ、仮にアニメで復活してもブームの再来はなかったと思われる。
直後に未就学女児中心に『ふたりはプリキュア』(東映オリジナルのアニメ作品)が成功していることを考えると、一概には美少女戦士というジャンルが終わっていたとは言えない部分もある。ただしこの実写版の直前の数年間のアニメ版の再放送をもってすら「ある程度売れる」という以上の成功でしかなかったのも事実である。女児層においての認知度も放映期間中の2003年クリスマス時期においては前述のアパレルが女玩で一番売れた量販店もあり、またバンダイこどもアンケートにおいてもクリスマスプレゼントに欲しい玩具では3~5歳の女児ではは東映オリジナルのナージャを上回る3位(上位二つは実用品、キャラものでは最上)、6~8歳においても8位(タカラリカちゃん人形と同列)であり、女児層における人気は決して低くはなかった事実が伺える。また『きらりん☆レボリューション』はきらり役の歌手とのタイアップでアニメ化されプロモーションとして人間の月島きらりが大々的にメディアに露出した事も成功の一因と思われ、近年の少女漫画原作ドラマのヒットや『ちびまるこちゃん』のドラマのテレビシリーズ化を思えば早すぎた企画だったのかもしれない。
視聴率は地方局においては10%以上になることもあったが、関東地方では『ズームイン!!サタデー』などに押される形で最高視聴率5.1%、平均視聴率3.8%(ビデオリサーチ調べ)と最高、平均視聴率が前番組の星のカービィの平均視聴率から低下する等低迷し、低いときでは1%台(ビデオリサーチ調べ)になってしまうこともあった。この時間枠の視聴率は次番組(『ウルトラマンネクサス』)では更に低下し、後のMBSとの全国枠の交換(『知っとこ!』を7:30放送開始にすることで生放送番組を連続させる)へつながった。
脚本はアニメ版が「マンネリな脚本」と一部で評されていたのに対し、本作の小林靖子による脚本は少女漫画らしいドラマチックでシリアスな展開となっている。プロデューサーの白倉伸一郎は、作品内容について(原作の雰囲気を重視するという意味で)『原作原理主義』だと語っている。しかしアニメ版で確立された定番パターンと明るさが好きだったアニメ版ファンには違和感を持って迎えられた。
原作漫画・アニメ・ミュージカルのファンからの、この実写版の評価は賛否両論(詳しくは下記の差異を参照)で、本ドラマ以降セーラームーンのファンは原作・アニメ・ミュージカル派と実写版ドラマ派の二通りに分けられるようになったといわれるが原作ファンにはアニメ版に足りない要素の補完という点で支持があるのも事実である。
[編集] キャスト
- 月野うさぎ(セーラームーン):沢井美優
- 水野亜美(セーラーマーキュリー):浜千咲(現在は梨華に改名)
- 火野レイ(セーラーマーズ):北川景子
- 木野まこと(セーラージュピター):安座間美優
- 愛野美奈子(セーラーヴィーナス):小松彩夏
- 地場衛(タキシード仮面):渋江譲二
- ルナ:潘恵子(声のみ)
- ルナ(人間時)(セーラールナ)(※オリジナルキャラクター):小池里奈(26~)
- アルテミス:山口勝平(声のみ)
- 大阪なる:河辺千恵子
- 桜田春菜:大寶智子
- クインベリル:杉本彩
- ジェダイト:増尾遵
- ネフライト:松本博之
- ゾイサイト:遠藤嘉人
- クンツァイト/ シン:窪寺昭
- 月野育子:森若香織
- 月野進悟:武子直輝
- 古幡元基:黄川田将也
- 日下陽菜(※オリジナルキャラクター):松下萌子(16~26)
- 黒木ミオ(※オリジナルキャラクター):有紗(29~)
- 木村桃子:清浦夏実
- 阿部香奈美:平井愛子
[編集] スタッフ
- チーフプロデューサー:岡﨑剛之(CBC)、竹澤寿之(CAZBE)
- プロデュース:矢田晃一(東映エージエンシー)、坂田雄馬(電通)、白倉伸一郎、丸山真哉(東映)
- 脚本:小林靖子
- 監督:田﨑竜太、高丸雅隆、舞原賢三、鈴村展弘、佐藤健光
- 特撮監督:佛田洋
- 撮影:松村文雄、上赤寿一、川口滋久、上林秀樹、小林元、いのくままさお
- 録音:土屋和之(第一話から最終話・TV全放映分)録音助手:松本敦子
- ビジュアルコレオグラファー:彩木映利
- スタントコーディネーター:玉寄兼一郎(17~)
- デザイン;竹田団吾〔衣裳〕 、篠原保〔妖魔〕
- 音楽:大島ミチル
- 企画制作協力:電通、CAZBE、東映エージエンシー
- 製作・著作:中部日本放送、東映
- 主題歌
- 「キラリ☆セーラードリーム!」作詞:武内直子 作曲:羽場仁志 編曲:京田誠一 歌:小枝(さえ)
- 劇中歌
- 「C'est la vie ~私のなかの恋する部分」作詞:岩間祐穂 作曲・編曲:平間あきひこ 歌:愛野美奈子(小松彩夏)
- 「Romance」作詞・作曲:杉浦篤 編曲:秋葉原健介 歌:愛野美奈子(小松彩夏)
- 「Kiss!2 Bang!2」作詞:田形美喜子 作曲・編曲:高見優 歌:愛野美奈子(小松彩夏)
[編集] 実写版と他メディア版の差異
- アニメ独特の「ありえない髪の色」を、変身後のみ採用。変身前は全員黒髪または茶髪。
- 水野亜美の髪型を、ショートカットからセミロングに変更。(セーラーマーキュリーに変身後は、水色のショートカット)
- 火野レイのキャラクターを、原作に準拠した「神秘的なクールビューティー」に。
- 愛野美奈子が、「アイドルになることを夢見る女子中学生」から「ティーンエイジャーに人気のアイドル」という設定に変更される。
- セーラー戦士の戦士服が、原作準拠のデザインに変更。大きい変更は以下のようなものがある。
- ルナとアルテミスが猫から「しゃべる猫のぬいぐるみ」に変更。
- ルナの声優はアニメ版と同じく潘恵子だが、アルテミスの声がアニメ版の高戸靖広から、山口勝平に変更。
- セーラー戦士全員の決め台詞が「○○と××(それぞれの戦士を表す言葉が入る)の、セーラー服~」「○○(それぞれの守護星が入る)に代わって~」という形に統一される。
- アニメ版では月野うさぎのみが持っていた「変身ペン」を、「変身携帯テレティアS」としてセーラー戦士全員に持たせる。
- 第2期シリーズ以降(アニメではR以降)からの登場のキャラクターではあったが、ちびうさと外部太陽系戦士達(ウラヌス、ネプチューン、プルート、サターン)は登場しなかった。外部太陽系戦士達の存在を匂わす設定が語られる事もなかった。
- ダークキングダム四天王のキャラクター設定。元人間でタキシード仮面(プリンス・エンディミオン)の元従者であると言う原作の設定が生かされている。四つの石の化身である点も原作に準拠。各個人の設定の違いは以下のとおり。
- ジェダイト:小僧。金髪。真面目一徹だが詰めが甘い。エナジー収集担当。ベリルへの忠誠心はきわめて高い。 (ベリルの呪縛から解き放たれた後でも最期までベリルに仕えた程)一時、石に戻った時期もあった。
- ネフライト:イケメン。赤髪。ベリル様の寵愛を受けようと必死。他の四天王に対する嫉妬が深い。幻の銀水晶捜索担当。前世では熱血漢。一度、ベリルに殺されたかと思わせてクインベリルからの影響から離れ、ベリルへの復讐の機会をうかがっていたが、(その間はクラウンの店員となった)最終的に恩讐を捨て人間として生きることを決意する。
- アニメ版オリジナルの大阪なるとの恋愛関係も存在しない。
- ゾイサイト:神秘的なキャラ。銀髪。音楽(主にピアノ)を武器に人を操る精神攻撃を旨とする。また、精神のみを任意の場所に飛ばすことも可能。オカマではない。作曲により妖魔を創造。プリンセス抹殺を担当。一度ヴィーナスに敗れたが、その後に復活。前世での悲劇を繰り返さぬよう、エンディミオンとセレニティの(つまりは衛とうさぎの)仲を裂こうとした。
- クンツァイト:貫禄あふれる悪の幹部。黒髪。剣の使い手。強くて陰険。己の髪を人間の首に巻きつけることで、人間を妖魔化する。ネフライト曰く『失敗作』。記憶の覚醒前は、洋館で暮らす謎の好青年『シン』と名乗っていた。クインベリルへの敬意は感じられず、常に慇懃無礼な態度で応じる。『大いなる悪』の復活に情熱を注ぐ。前世ではエンディミオンへの忠誠心がもっとも強い男であったが…。
- クラウンがゲームセンターからカラオケボックスに変更。古幡元基が店員なのに変化はない。
- 古幡元基が、うさぎの憧れのお兄さんだったのが、冴えない亀愛好家に変更。後に木野まことに恋心を抱くようになる。原作・アニメではまことが元基に恋するが結ばれないのに対し、実写では元基がまことに恋し結ばれる(特別編Special Act.で、元基がまことに花嫁のブーケを渡す)、というまったく逆の関係になっている。
- 地場衛が高校生から大学生へ変更。元基はクラスメート。
- 地場衛がうさぎから「まもる」と呼ばれている。なお、タキシード仮面も「様」を付けずに呼ばれている。(怪盗というイメージから当初は敵扱いされていたため)
- 地場衛に幼なじみであり婚約者の日下陽菜の存在が追加される。
- うさぎのママ、月野育子はイケイケ主婦のイメージで、原作、アニメほど教育ママという雰囲気ではない。愛情深さが前面に出ている母で、うさぎもやや甘えん坊である。「オムレツにチーズを入れるか入れないか」というくだらない理由でうさぎとケンカしたり、TVリポーターデビューを夢見たりする。進悟が小生意気な弟である点は変わらず。父親は電話で存在を匂わせるだけだが(その後前述の「Special Act」においてこの作品の監督田崎竜太が父親役を演じた)、月野家のシーンは満ち足りた円満な家庭描写である。
- セーラー四戦士の新装備として「セーラースタータンバリン」が登場する。光線を放ったり、戦士達の力を増幅する機能を持つ。最終決戦とオリジナルビデオでは武器に変化させて使われ、マーキュリーの物は氷の剣に、マーズとヴィーナスの物は短剣に、ジュピターの物は矛槍になる。
- 今まで殆ど描かれてこなかった、うさぎの親友の大阪なるとセーラー戦士の関係が描かれる。基本的には同じクラスメートの亜美となるの関係であるが、当初は人付き合いが苦手な亜美とうさぎとの幼なじみのなるとの間に嫉妬などの軋轢もあった。様々な出来事を経て最終的には同じうさぎの友人として仲良くなる事が出来た。
- セーラーマーキュリーがダークキングダムに捕らわれ、ダークマーキュリーとして一時的に敵に回ることになる。ここは、亜美の心に踏みこんだ点も含めて、実写オリジナルの展開としては好評だった部分でアニメ風にアレンジしたダークマーキュリーのガレージキットのフィギュアも造られた。
- ルナが人間の少女に変身し、さらにセーラー戦士「セーラールナ」となる。おそらくダークキングダム編の映像化で出番がないものの玩具が売れていたちびムーンの代打的に登場が決まった様だ。基本的にギャグ担当のにぎやかしキャラで、原作・アニメ劇場版で登場した大人びた人間バージョンとはあまりにも落差がある。原作5部のマウ星出身でセーラー戦士になれるのは本来セーラーマウだけであるという設定にも合わない。ただし、キャラデザインと「お菓子が大好き」という設定は原作者自らによるものである。
- 愛野美奈子のライバルとして、同じくアイドルの黒木ミオというレギュラーキャラが追加される。黒木ミオはダークキングダムの手の者で、正体はベリルの影。うさぎをクラスから孤立させるなど、陰険なイジメを行った。 (「Special Act」では、クインベリルに変わる新女王として、君臨し、最後は植物型の巨大妖魔に変身。)
- 原作、アニメ共に他のセーラー戦士とは違いうさぎはあまりいじめの対象になることはなかった。洗脳時の亜美や黒木ミオからのようなクラスで孤立させるようないじめを受けるのはドラマ版のみである。とはいえ、いずれも基本的にうさぎが孤立していないという前提による敵の作戦であり、そのような状況下に置いても尚繋がっていたなるとの友情の強さはやはり他メディアでは見ることの出来ないものである(うさぎに関しては、レイを迫害する少女たちに臆せず向き合う強いシーンなども描かれていた)。
- 火野レイの父親(隆司:政治家、演:升毅)と水野亜美の母親(冴子:医師、演:筒井真理子)絡みのエピソードが追加される。
- 「プリンセス・セーラームーン」という、セーラームーン最終形態が登場する。 武器は、剣とハーブに変形する「プリンセスハーブ」。
- 最終決戦を前に、愛野美奈子が病死。残された4人で最終決戦に向かう。
- クインメタリア=銀水晶により増幅されたプリンセスの「負」の心と言う設定。
- 地場衛は洗脳されず、四天王を人質にダークキングダムに幽閉される。星を守るためにクインメタリアを体内に取り込むが、逆に取り憑かれる。この時の姿は、メタリア・エンディミオンと呼ばれる。
- アニメ版ではベリルを倒して終わったが、実写版ではメタリアの最後が描かれる。メタリアは衛の犠牲で倒されたのだが・・。
- 最終話でいったん地球が消滅している。それは本来の結末の映像化だったといわれるが、愛野美奈子の死と並んで、原作・アニメ版のファンの意見が分かれる所となっている。
[編集] ビデオ・DVD
- 美少女戦士セーラームーン (1)~(12)(2004年3月 - 2005年2月、バンダイビジュアル)
- 美少女戦士セーラームーン キラリ☆スーパーライブ(2004年8月、バンダイビジュアル)
- 美少女戦士セーラームーン Special Act.(2004年11月、バンダイビジュアル)
- 美少女戦士セーラームーン Act.ZERO(2005年3月、バンダイビジュアル)
[編集] 写真集
[編集] 外部リンク
CBC・TBS系 土曜7:30枠 (本作以降特撮枠) |
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美少女戦士セーラームーン | |
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