車内販売
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車内販売(しゃないはんばい)とは、列車やバスの車内において物品を販売するサービスのことである。略して車販(しゃはん)ともいう。飲食物を販売するため、食堂車とともに、列車内の供食サービスの一つである。
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[編集] 日本における車内販売
[編集] 定義と営業形態
主に新幹線や特急列車(主として長距離列車)等、JR・私鉄の優等列車に専門の要員が乗務し、各車両の通路を定期的に巡回して、乗客の要望に応じて物品を販売する形態の販売行為を指す。ただし普通列車(快速列車等も含む)でも、首都圏のJR線(東海道本線、横須賀線、総武快速線、高崎線、宇都宮線のグリーン車)など一部の線区で車内販売員が乗務している。車内にビュッフェ(ビュフェ)またはカフェテリア、カウンターなどを設け、そこで物品を販売している列車もあるが、これらの販売形態を車内販売に含めるかどうかは意見が分かれる。しかし、列車内に設けられた自動販売機での物品の販売や、路線バスにおける乗車カード・回数券などの販売などに対してはこの言葉を使わないのが普通である。
日本ではバスの車内で専門要員が車内販売を行う例はないが、国によっては車内販売が行われるバス路線が存在する国もある。なお日本でも神奈川中央交通グループでは子会社の湘南神奈交バスなどにおいてセルフサービスによる車内販売を行なっているが、これは運賃外収入によるバス路線の維持を目的としている。
[編集] 車内販売で販売される主な物品
など
[編集] 基本的な乗務内容
販売員はまず所定の駅で販売品が積み込まれたワゴンを列車内に持ち込むか、車内販売の材料を車内に持ち込み、車内に格納されているワゴンに積み込む(新幹線の場合に多い)。新幹線や特急列車には販売員の車内販売業務の拠点となる部屋が設けられていることが多い。この部屋を車販準備室(しゃはんじゅんびしつ)という。かつては食堂車の厨房を拠点としていたが、食堂車が廃止されたためこのような部屋が設けられるようになった。車販準備室には簡単な作業を行うための空間や、飲料の保温用ポット・保冷用冷蔵庫などが備えられているのが通常であるが、車両によっては、通常車掌が使用する乗務員室をそのまま利用し、このような設備がない場合もある。
発車後、車掌による案内放送の後に車内販売の案内を行い、車内を巡回する。列車の運行中に車販準備室に出入りしつつ何度か巡回し、終点近くになると案内放送で営業終了の旨を放送し、車販準備室で後片付けや集計などを行い、車内販売の乗務行路に定められた駅で下車する。
列車内の巡回は、販売員が販売品を積んだワゴンを押して移動する、ワゴンサービスが一般的だが、2階建て車両でワゴンによる移動が困難な場合や販売品の量が少ない場合には、販売品を入れた籠などの容器を手で携えて巡回する。また、新幹線では、2階建て車両の場合デッキ付近に車内販売用エレベーターがあり、それを使い1階⇔2階に運んでいる。
車内販売のある列車を運行する鉄道事業者は車内販売専門の子会社を持っていることが多く、販売員はその子会社に所属しているのが普通である。
販売員は女性が多いが、男性の販売員も少ないながらいる。
[編集] 現状
業務の性質として採算がとりにくいことに加え、列車の速度向上などで乗客の乗車時間が短くなっていることや、駅構内の売店や駅外のコンビニエンスストア・ファーストフード店などで安くて多種多様な商品を購入できるようになっていることなどから、近年では車内販売の内容は縮小傾向にあり、以前に車内販売が行なわれていたもののそれが廃止されたJR・私鉄の優等列車もある。特に寝台特急列車においては、車内販売が行われる区間は主に朝の時間帯に運行されるごく限られた区間となっている。そのような中、首都圏JR線の普通列車グリーン車で車内販売が新たに開始されたほか、近鉄が伊勢志摩への観光客誘致の一環として2006年11月から土曜休日の一部の(伊勢志摩ライナー使用の)伊勢志摩方面特急で4年ぶりに車内販売を復活した。
[編集] 日本以外における車内販売の形態
- 大韓民国においては、地下鉄の車内で様々な物を売り歩く人の姿が見られる。これらは本来違反であるのだが、乗務員の目を盗むようにして半ば公然と行われている。大声を上げて啖呵売りを行う者もいれば、チラシを配って購入を希望する客にのみ対応を行う控えめな人も居る。売られるものには日用品・食料品の他、電卓や時計などもある。なお、韓国鉄道の列車の場合は弁当や菓子類を販売している。
- 東南アジア諸国の鉄道においても、様々な物売りが列車に乗ってくる事がある。自家製の野菜を売るものもいれば、ダフ屋のように入手困難なチケットを売るもの、更にはゲリラ的に乗ってきて一駅で折り返すもの、外貨の闇両替を行うもの、チンドン屋や日本の街頭ライブのように音楽演奏・芸を行って金をもらうものなど、種類は多種多様である。
- アルゼンチン等南米の国では、ボールペン等の商品を順番に乗客に配り、買わない客からは後から回収する物売りが存在する。周りの客が当然のように受け取っていることから、観光客等が試供品のサービスと思って封を開けてしまい、代価を請求されるトラブルもあるので要注意。
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