近鉄名古屋駅
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近鉄名古屋駅(きんてつなごやえき)は、愛知県名古屋市中村区名駅1丁目2-2にある近畿日本鉄道名古屋線の終着駅。近鉄の前身となる大軌グループの、東方進出の区切りとなった駅でもあった。歴史も参照。
東海旅客鉄道(JR東海)の名古屋駅、名古屋鉄道の名鉄名古屋駅と隣接している。
また、特急の発車時にはファミコンチックな音色がする「ドナウ川のさざ波」が発車メロディとして流れ、関西私鉄の優雅な雰囲気を名古屋で唯一感じられる場所である。
目次 |
[編集] この駅からの接続路線
[編集] 駅構造
頭端式ホーム4面5線の地下駅。頭端部にJR連絡改札口、地下改札口、名鉄連絡改札口がある。ホーム中央連絡階段からの通路の端、近鉄ビル(近鉄パッセ)の中地下1階に正面改札口がある。私鉄の地下駅としては最大規模であり、併設する名鉄名古屋駅に比べてゆったりしている。
- のりば
- 普通、片側開扉、ホーム長4連
- 準急、両側開扉、ホーム長5連
- 主として急行(6両の富吉行き準急も使用)、両側開扉、ホーム長6連
- 特急、両側開扉、ホーム長8連 ラッシュ時は急行の到着にも使用(折り返し回送)
- 特急、片側開扉、ホーム長8連
- 主に5番線を出発列車、4番線を到着(入庫)列車とするが、入線時刻が重複するときは反対となる時刻がある。
- その他
- 自動改札機設置駅(回数券カード、PiTaPa、ICOCAに対応。但し、スルッとKANSAI及びJスルーカードには非対応)。
- 正式にアナウンスされてはいないが、券売機(新型のタイプ)に同カードを挿入することにより切符を購入することができ、実質的には利用することができる。
- JR連絡改札口では、PiTaPa、ICOCAと、JR東海のTOICAを2枚重ねでタッチすれば、入出場が可能である。
- 自動精算機設置駅(回数券カード、PiTaPa、ICOCAに対応。但し、スルッとKANSAI及びJスルーカードには非対応)。
- 特急券及び定期券の購入が可能。
[編集] 利用状況
- 主として通学・通勤・行楽用に利用される。
- 近鉄名古屋駅の利用状況の変遷を下表に示す。
- 輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す。年度間の比較に適したデータである。
- 乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事等の要因によって変動が大きいので年度間の比較には注意を要する。
- 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年 度 | 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 | 乗降人員調査結果 人/日 |
特 記 事 項 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合 計 | 調査日 | 調査結果 | ||
1978年(昭和53年) | 16,009,920 | ←←←← | 10,706,120 | 26,716,040 | |||
1979年(昭和54年) | 16,458,540 | ←←←← | 11,064,271 | 27,522,811 | |||
1980年(昭和55年) | 16,943,160 | ←←←← | 11,372,432 | 28,315,592 | |||
1981年(昭和56年) | 17,316,480 | ←←←← | 11,227,906 | 28,544,386 | |||
1982年(昭和57年) | 16,797,420 | ←←←← | 11,242,219 | 28,039,639 | 11月16日 | 130,775 | |
1983年(昭和58年) | 16,776,780 | ←←←← | 11,116,094 | 27,892,874 | 11月8日 | 134,432 | |
1984年(昭和59年) | 16,450,650 | ←←←← | 11,081,530 | 27,532,180 | 11月6日 | 135,918 | |
1985年(昭和60年) | 16,188,030 | ←←←← | 11,218,189 | 27,406,219 | 11月12日 | 132,626 | |
1986年(昭和61年) | 16,461,990 | ←←←← | 11,384,160 | 27,846,150 | 11月11日 | 130,130 | |
1987年(昭和62年) | 16,549,920 | ←←←← | 11,110,185 | 27,660,105 | 11月10日 | 133,224 | |
1988年(昭和63年) | 16,568,820 | ←←←← | 11,372,672 | 27,941,492 | 11月8日 | 133,719 | |
1989年(平成元年) | 16,491,930 | ←←←← | 11,504,069 | 27,995,999 | 11月14日 | 136,477 | |
1990年(平成2年) | 16,945,350 | ←←←← | 11,721,278 | 28,666,628 | 11月6日 | 137,991 | |
1991年(平成3年) | 17,662,170 | ←←←← | 11,853,079 | 29,515,249 | |||
1992年(平成4年) | 17,613,720 | ←←←← | 11,623,307 | 29,237,027 | 11月10日 | 139,535 | |
1993年(平成5年) | 17,517,420 | ←←←← | 11,624,297 | 29,141,717 | |||
1994年(平成6年) | 17,336,070 | ←←←← | 11,328,356 | 28,664,426 | |||
1995年(平成7年) | 17,058,300 | ←←←← | 10,864,655 | 27,922,955 | 12月5日 | 129,504 | |
1996年(平成8年) | 16,301,880 | ←←←← | 10,609,885 | 26,911,765 | |||
1997年(平成9年) | 15,520,110 | ←←←← | 10,326,998 | 25,847,108 | |||
1998年(平成10年) | 15,288,600 | ←←←← | 10,025,577 | 25,314,177 | |||
1999年(平成11年) | 15,050,010 | ←←←← | 10,127,835 | 25,177,845 | |||
2000年(平成12年) | 14,832,420 | ←←←← | 10,207,100 | 25,039,520 | |||
2001年(平成13年) | 14,599,320 | ←←←← | 10,135,237 | 24,734,557 | |||
2002年(平成14年) | 14,484,990 | ←←←← | 9,888,960 | 24,373,950 | |||
2003年(平成15年) | 14,303,730 | ←←←← | 9,763,883 | 24,067,613 | |||
2004年(平成16年) | ←←←← | 23,836,463 | |||||
2005年(平成17年) | ←←←← | 11月8日 | 110,144 | ||||
2006年(平成18年) | ←←←← |
[編集] 駅周辺
その他の施設は、名古屋駅の駅周辺を参照。
[編集] バス路線
[編集] 歴史
当初、近鉄名古屋線の前身の一つとなる伊勢電気鉄道が名古屋進出を計画したときは、現在の名古屋駅のかなり南方の地点に設ける予定であったという。しかし国有鉄道との連絡を図るべきということから、鉄道省の用地を利用して桜通側に地下ループ線(方向転換を要しない構造)を作る計画に変更し、その上に駅ビルを建設する予定であった。
しかし、伊勢電気鉄道は伊勢進出で体力を使い切って経営に行き詰まり、大阪電気軌道(大軌)傘下の参宮急行電鉄(参急)に合併され、名古屋進出は大軌・参急などが出資した新設会社の関西急行電鉄(関急)によって果たされることになった。この時、通常の折り返しターミナル構造に変更されている。
同駅の開業により、大軌グループによって大阪から名古屋に至るまでの路線が完成したことになった。特に名古屋~伊勢間の輸送では、鉄道省の運営する参宮線(この当時は、亀山駅~鳥羽駅間)の乗客が7割も減るほどの影響を与えたという。
なお、予算の都合から1面1線の配線にする予定もあったと言われるが、結局は将来の発展を見込んで3面3線となった。しかしそれでも戦後の輸送量増加には対応できず、4面5線への改造が1967年に行われている。
また1938年の開業後、1941年に隣接して名古屋鉄道(名鉄)の新名古屋駅(現:名鉄名古屋駅)が設置されたが、この当時は名古屋線も狭軌(1067mm)を採用していたため、戦中戦後を通じて線路が接続されていたことがあり、戦後には団体専用列車に限って相互直通運転が実施されていたこともあった。詳しくは名鉄名古屋駅を参照。
- 1938年(昭和13年)6月26日 関西急行電鉄のターミナルとして開業。当初の駅名は「関急名古屋」駅。開業時より地下駅であった。
- 1940年(昭和15年)1月1日 参宮急行電鉄が関西急行電鉄を合併。「参急名古屋」駅に改称。
- 1941年(昭和16年)3月15日 大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道に改称。駅名も再び「関急名古屋」駅となる。
- 1941年(昭和16年)8月12日 名古屋鉄道が新名古屋駅(現:名鉄名古屋)に乗り入れ。地下連絡開始。
- 1944年(昭和19年)6月1日 関西急行鉄道と南海鉄道が合併し、近畿日本鉄道が成立。駅名は「近畿日本名古屋」駅となる。
- 1950年(昭和25年)8月4日~1952年(昭和27年)9月30日 名古屋鉄道との団体臨時列車相互直通運転実施。
- 1959年(昭和34年)11月27日 標準軌化工事完成。
- 1966年(昭和41年)11月 名古屋近鉄ビル完成。
- 1967年(昭和42年)12月1日 2線2ホーム増の改良工事完成。
- 1969年(昭和44年)4月 国鉄連絡改札開設。
- 1970年(昭和45年)3月1日 「近鉄名古屋」駅に改称。
- 2006年(平成18年)3月23日 名古屋近鉄ビルが公示地価上昇率1位になる(前年比38%上昇)。
- 2006年(平成18年)10月14日 改札内精算所を移転。自動精算機が更新され、JR線連絡改札口付近にも1台増設された。
- 2007年(平成19年)4月1日 PiTaPa使用開始。