魔界転生
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『魔界転生』(まかいてんしょう)とは大阪新聞に1964年12月から翌年2月まで連載され、1967年に単行本化された山田風太郎の伝奇小説作品、及びその作品中に登場する秘術の名。またこの小説を原作とした映画、マンガ、演劇、アニメ、ゲーム作品もさす。
当初『おぼろ忍法帖』の題で連載され単行本化時もその題のままであったが、1981年の最初の映画化の際に作者、山田風太郎の意向で現在の題になった。
目次 |
[編集] 原作小説
文庫版は角川文庫、富士見時代小説文庫、講談社文庫から刊行されている。
由比正雪は紀州の徳川頼宣と江戸幕府、将軍徳川家光の天下を奪わんとするたくらみのため、森宗意軒が編み出した忍法「魔界転生」を手に入れようと計画。これは強烈な生の欲求を持つ人間が、死の直前に心からいとしいと思う女と交わることにより、新たな肉体を持って生まれ変わる忍法である。しかし、転生できるのは死の直前になっても、自分の人生に対して悔いをもっている人物だけである。
魔界転生で蘇る剣豪達は魔界衆という。天草四郎時貞、荒木又右衛門、居合の田宮坊太郎、宝蔵院流槍術の宝蔵院胤舜、尾張柳生流の柳生如雲斎、江戸柳生流の柳生宗矩、宮本武蔵ら名だたる豪傑が転生した。しかし、森宗意軒にとってはもう一人、どうしても魔界転生させたい男がいた。その男は、柳生十兵衛。ところが、彼はその意に反し関口柔心の息子、関口弥太郎などとともに魔界転生衆と戦うことを選ぶ。
なお、魔界衆に倒された剣豪には、田宮平兵衛、関口柔心、木村助九郎らがいる。小説中では、ほとんど十兵衛が一人の力で敵を倒すことはなく、誰かしらかの力を借りている。なお、天草四郎は映画版一作目で敵方の総大将のような描かれ方をした影響でか後のマンガ作品などでも扱いが大きい事が多いが、原作小説中では単に魔界衆の中の一人に過ぎず、中盤で十兵衛によって倒される。
[編集] 映画版
[編集] 1981年版 深作欣二監督
- キャスト
- 柳生十兵衛(千葉真一)
- 天草四郎時貞(沢田研二)
- 柳生宗矩(若山富三郎)
- 宮本武蔵(緒形拳)
- ガラシャ夫人(佳那晃子)
- 松平伊豆守(成田三樹夫)
- 徳川家綱、細川忠興(松橋登)
- 柳生左門友矩(大場順)
- 柳生又十郎宗冬(島英津夫)
- 甲賀玄十郎(成瀬正)
- 酒井雅楽頭(内田朝雄)
- 板倉内膳正(角川春樹)
- 阿部豊後守(相馬剛三)
- 堀田備中守(丘路千)
- 戸田氏鉄(小林将孝)
- 水野勝成(林三郎)
- 細川忠利(中江英生)
- 立花宗茂(島田秀雄)
- 鍋島勝茂(壬生新太郎)
- 小笠原少斉(鈴木瑞穂)
- 佐々木小次郎(白井滋郎)
- 茂左衛門(浜村純)
- 宗五郎(犬塚弘)
- 旅の僧(三谷昇)
- 伊賀の霧丸(真田広之)
- 宝蔵院胤瞬(室田日出男)
- 村正(丹波哲郎)
なお本作品は"Samurai Reincarnation"のタイトルでアメリカでもカルト的な人気を呼び、クエンティン・タランティーノらに影響を与えた。
[編集] 1996年版 白井政一監督
オリジナルビデオでの製作で、The ARMAGEDDONというサブタイトルがつく。本作は2部構成となっている。第一部の正編に続き、妖怪たちとの対決を描く第二部の魔道変まで。
[編集] 2003年版 平山秀幸監督
- キャスト
[編集] 舞台版
今までの映画版と違い、限りなく原作に近いものに仕上がっていた。とはいえやはり敵方のラストを従来の映画版と同じく天草四郎時貞であるなどの流れは継いでしまっている。
[編集] 漫画版
- 石川賢版 『魔界転生』(石川賢の個性によるアレンジで全くの別物に仕上がっている)
- とみ新蔵版 『魔界転生』 (ほぼ忠実な漫画化)
- 鳥羽笙子版 『魔界転生―夢の跡』 (少女漫画)
- 九後奈緒子版 『魔界転生―聖者の行進』 (少女漫画)