いつかギラギラする日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
いつかギラギラする日 |
|
監督 | 深作欣二 |
---|---|
製作 | 奥山和由 |
脚本 | 丸山昇一 |
出演者 | 萩原健一 木村一八 |
音楽 | 菱田吉美 小川尚子 長谷川智樹 |
撮影 | 浜田毅 |
編集 | 川島章正 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1992年9月12日 ![]() |
上映時間 | 108分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
『いつかギラギラする日』は、深作欣二監督によるアクション映画。1992年9月に松竹系で公開された。
目次 |
[編集] 概要
- 萩原健一・千葉真一・石橋蓮司らのベテランギャングと、強盗ネタを持ち込む野心家の木村一八・裏切り者の荻野目慶子との間ですさまじい現金争奪戦が展開される。
- バブル期の作品で、破格の約11億円の製作費を投入し、北海道を舞台に爆破・カーチェイスを思う存分行った。また木村と荻野目のベッドシーンも話題になった。
- 北海道が舞台になっているが撮影当時、時期はずれの台風に襲われ、北海道のほかに神奈川県三崎漁港や木更津市でも撮影されている。
- 函館市でのライブハウスシーンにおいて、一人の若い女性がエキストラとして参加していた。その女性は、出演していたバンド「ジャクスン・ジョーカー」のメンバーだった恩田快人と出会い、バンド「JUDY AND MARY」を結成し、自身を「YUKI」と名乗った。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] メインキャスト
[編集] その他のキャスト
- 樹木希林:井村の女房。
- 八名信夫:ヤクザ。角町に金を貸している。
- 安岡力也:靴屋の主人。闇の銃刀器売人。
- 原田芳雄:殺し屋。
- 六平直政
- 真木洋子
- 木下ほうか
- 神尾直子
- 賀川黒之助
- ジャクスン・ジョーカー
- 西沢正浩(vo)、篠崎辰也(g)、恩田快人(b)、梅澤康博(dr)
[編集] メディア
- CD『いつかギラギラする日 ミュージック・ファイル』 1994年12月21日発売
- 発売元:バップ ASIN:B00005H0HU 廃盤
- DVD『いつかギラギラする日』 2001年6月25日発売
- 発売元:バンダイビジュアル ASIN:B00005L82C
- 特典映像:特報・劇場予告編収録
- VHS『いつかギラギラする日』 1993年5月20日発売
- 発売元:バンダイビジュアル ASIN:B00005EFAB
[編集] 挿入歌
- ジャクスン・ジョーカー
- 「WANDERER」 「DO OR DIE」
- (アルバム『SHUFFLE AND DEAL』 インディーズレーベル(ACID HEAD) 1990年7月15日発売 AH-001 廃盤)
- ※「DO OR DIE」はアルバム『JACKS 'N' JOKER』(発売元:BMGビクター 1990年12月5日発売 BVCR-24 廃盤)にも収録
- 「BAD FRIENDS」
- (アルバム『INSIDE OUTLAW』 発売元:BMGビクター 1991年9月21日発売 BVCR-52 廃盤)
- 「FREEDOM LAND」
- (シングル 発売元:BMGビクター 1990年11月21発売 BVDR-23 廃盤)
- ※上記アルバム『JACKS 'N' JOKER』にも収録
- 萩原健一
- 「ラストダンスは私に」(徳間ジャパンコミュニケーションズ 廃盤)
- ※上記CD『いつかギラギラする日 ミュージック・ファイル』にも収録
[編集] スタッフ
- 製作:奥山和由
- 企画:中川好久
- プロデュース:杉崎重美、鍋島壽夫、斉藤立太
- 監督:深作欣二
- 脚本:丸山昇一
- 撮影:浜田毅
- 音楽:菱田吉美、小川尚子、長谷川智樹
- アクションコーディネーター:二家本辰巳
- スタント&アクション:アーバンアクターズ、ジャパンアクションクラブ
- カースタント:カースタントTA・KA
- ガンエフェクト:BIGSHOT
- 火薬効果:テイクワン
- 特殊メイク:織田尚、山木綾子
- 現像:東京現像所
- 宣伝協力:週刊ヤングジャンプ、WOWOW
- 製作協力:山田洋行ライトビジョン
- 製作:松竹第一興行、日本テレビ、バンダイ
[編集] カーチェイス
- 萩原健一の日産・テラノと、木村一八の真っ赤なトランザムのド派手なバトルが物語の後半を盛り上げる。撮影のため、わずか3年落ちのテラノ2台、新車のトランザム2台(1台380万円の車だとの事)が用意されたが、すべて全損させるなど、この作品はカーアクションにはかなり力を入れている。ドリフトやハイスピード・ジャンプなどスピード感の求められるアクションに耐えられるよう、テラノはパワーのあるV6・3000cc版が使用されている。テラノが選ばれた背景として、テラノのカタログにはトレンチコートを着た男たちが劇中に登場したのと同じカラーリングのテラノを取り囲んでいるイメージ写真があり、これが劇用車選考において選択されたきっかけになったのではないかと思われる。赤いトランザムは91年にマイナーチェンジされたばかりの最新型で、ビッグ・トルクを生かしたホイールスピンや方輪走行、猛スピードでの横転などダイナミックなアクションを見せる。蛇足だが、同じ深作監督のカーアクション作品「暴走パニック大激突」(1976年)にも真っ赤なトランザムが登場しており、この点で両作品の近似性を見ることができる。この他、八名信夫のヤクザ事務所の車や大量の白パトが破壊され、修学旅行生が乗った三菱製観光バス(車体のカラーリングから元函館バスと思われる)まで横転している。
- 西部警察を髣髴される爆破・カーチェイスが展開されているが、この作品では、日本の破壊車の定番セドリック・グロリアではなく、ギャング車・現金輸送車・ヤクザ車・白パトで当時破壊時期だったS80系~110系のクラウンが大量破壊されているのが特徴である。現金輸送車のみ120系であったが、こちらも破壊されている。
- ラスト、港でのテラノVSパトカー20台のバトルでは430セドリックや61系チェイサーが破壊用パトカーとして登場しているのを確認することが出来る。
- この作品でカー・アクションを担当したカースタントTA・KAの話によると、一番難しかった所はラスト、テラノで夜の海へ飛び込むシーンだったという(千葉県木更津港でのロケ)。通常、クルマというものは水の中へ飛び込んでも窓さえ閉まっていれば2~3分は浮かんでいる状態になり、その間に準備を整え、落ち着いて窓をあければ安全に脱出することが出来る。しかし作中では木村・荻野目組の銃撃によってほとんどの窓が割られている設定のため、海中へ飛び込んだと同時に、一気に沈める方針とのこと。夜の海中なので脱出しても上下左右が全く分からない危険なスタント。そのためテラノのリアシートを外し酸素ボンベをセットし、手元にはテンションのかかったシートベルトをカットするためにカッターナイフをガムテープで貼り付け、いざ本番へ挑んだという。結果はカメラワーク、照明を含め大成功であった。ちなみにスタントマンは窓から脱出するため小柄な人が担当しており、実際には飛び込んだと同時に猛烈な水圧で酸素ボンベは外れてしまったそうである。