いとうみきお
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いとう みきお(漢字表記:伊藤 幹雄、1973年3月26日 - )は、日本の男性漫画家。主に週刊少年ジャンプで活動。神奈川県横浜市出身。AB型。
代表作に『ノルマンディーひみつ倶楽部』、『グラナダ -究極科学探検隊-』、『謎の村雨くん』。
色物的な要素こそ強いが少年漫画の王道を行くストーリーが持ち味。どんぐりまなこが特徴の、どちらかというと好みが分かれるタイプの画風だが、丁寧でしっかりとした描線と映画的な構図・画面構成、コメディセンスには定評がある。登場人物達が時に見せる、ツッコミ役不在でテンション高く(時に淡々と)ボケ倒す掛け合いに代表される、どこかズレているが憎めない独特の世界観が癖になるという、根強いファンも少なくない。
眼鏡・ゴーグルやマフラー・スカーフを身に着けているキャラクターが作品に数多く登場するのも特徴。
目次 |
[編集] 略歴
西部劇を題材とした『ロマンタジーノ』でデビュー。
(「ノルマンディーひみつ倶楽部」4巻カバー裏によると、「ノルマンディー」のプロトタイプとされる作品「ライジング」で何らかの漫画賞(天下一漫画賞佳作?)を受賞していた模様。これをきっかけに新人予備軍入りしたという説も有る)
「ロマンタジーノ」発表以降、同じく西部劇2作の読み切りを週刊少年ジャンプで発表したが、デビュー作が赤マルジャンプで新人勢中2位の好アンケートを記録したのに対し、本誌発表作品のアンケートは全く振るわなかった事から以降西部劇路線を封印、週刊少年ジャンプ2000年24号より学園コメディ『ノルマンディーひみつ倶楽部』の連載を始める。
(これに関しては、師匠である和月伸宏の西部劇作品(GUN BLAZE WEST)が予定されていたため、その力関係で路線転向せざるを得なかったのではないかとの推測も飛び交ったが、いとう本人はこれを否定している)
『ノルマンディーひみつ倶楽部』終了後に、同誌2002年29号にて読切『ジュゲムジュゲム』を発表、これを前身として2003年1号より『グラナダ -究極科学探検隊-』の連載を開始するが、読み切り版からの主人公の性格の大幅な改変と、序盤から急激な路線変更を行った事が災いしたのか読者の支持を得られず同年16号で打ち切りとなる。(ただし、傍若無人な主人公の性格が不評をかった現代編に対し、路線変更後の「過去回想編」の方が、丁寧な心理描写と少年漫画の王道を行くストーリー展開で評判は良かった)
「グラナダ」の終了後は、かねてよりいとうの弱点と指摘されていたストーリーの構成下手(ただし、ほとんどの読切作品では堅実な構成力を遺憾なく見せていた)を章立てにより補おうとした「秘密兵器ハットリ」、「グラナダ」での難点であった説明不足を補うために、ライトノベル調の主人公の一人語りで構成された「謎の村雨くん」(読切版)など、さまざまな試みをしながら1年1作のペースで読み切り作品を発表していた。
そんな中、週刊少年ジャンプ2005年52号にて発表した「謎の村雨くん」が好評を博し、半年たたずの翌年20号より同タイトルの連載を開始する(第3巻によると、「グラナダ」の前身『ジュゲムジュゲム』以上の好アンケート順位を記録した模様。同作品の順位は某所関係者発言では「4位」だとされているため、この説が正しければ同号掲載陣中、最低でも3位以上を記録したということになる)。
同期連載開始作品である「エム×ゼロ」が「MP0」発表から1年5ヶ月、To LOVEる -とらぶる-が「TRANS BOY」発表から1年9ヶ月と、プロトタイプ発表から一年以上の準備期間を置いていた中、極めて短い準備期間での連載開始であった。連載当初は人気が高く、センターカラーを数回与えられるなど、いとう作品では「成功」したと思われたが、この作品も同年43号にて打ち切りに終わる。 (なお、前連載作『グラナダ』の時も、いとうは前身『ジュゲムジュゲム』発表から僅か20週程度の準備期間しか与えられていない。そのため編集サイドの準備期間の提供不足を指摘する声も)
同じ『週刊少年ジャンプ』を中心に活躍する作家としては内水融と同じく、読み切り作品では高評価を得るものの連載になると失速するといったパターンが多く、本人もそれを認めている。 内水が少年誌要素を無理矢理連載作品に挿入した結果失敗する事が多いのに対し、いとうの場合、連載作品では物語の序盤の段階からストーリー展開やキャラクター付けを極端にしてしまい、作品の操縦に失敗するといったケースが多く見られる。
これに関しては、序盤から盛り上げを要求されるジャンプの方針や、初連載作品が掲載順低迷と打ち切り回避を1年弱の期間繰り返して低空飛行を続けた経験から来る、ジャンプシステムとアンケート不振に対するプレッシャーが少なからず影響しているのではないかという見方が強い。
また、「ジュゲムジュゲム」と「グラナダ」における流星兵器の扱い、「謎の村雨くん」における記憶消去の扱いなど、好評を得た読切版の内容にとらわれすぎて、読切では枝葉末節にすぎなかった部分を重要視しストーリーをちぐはぐにしてしまうといったケースも多く見られる。
[編集] 人物
- 和月伸宏の元でアシスタントをしていた頃の人望からか、るろうに剣心、仏ゾーン、ONE PIECEなどの背景等にネタとして友情出演している。他作品登場時の肩書きは『旅芸人いとうみきお』の事が多いが、単行本著者近影にて11玉同時のお手玉を披露していることからすると、旅芸人というのもまんざらジョークでも無いのかも知れない。武井宏之いわく、『ミスチル歌うとおもしろい』。
- 先述の背景ネタとしての登場や、単行本の隠しページ・おまけページでは『イトゥーミキオ(ITOO MIKIO)』という表記を使用することがある。
- 趣味は映画鑑賞(『キル・ビル』の熱烈なファン)と将棋、苦手なものは飛行機(そのため国外に出たことは無い)。
- 赤マルジャンプ1998SUMMERでのプロフィールによると、「うっちゃれ五所瓦」、「編集王(6巻)」、「コンデ・コマ」が好きという意外な一面も。また、篠原ともえのファン。
- グラナダテレビ版連続ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』を愛するシャーロキアン。そのためか自画像はシルクハットを被りマントを羽織ったスタイルであり、作品の端々にも英国趣味の古風なデザインが時折登場する。
- 本人曰く、『CACAO99%はボリボリ食べられるがブラックコーヒーは苦いから飲めない』という不思議な味覚の持ち主。『謎の村雨くん』の主人公村雨クナイと同じく、バームクーヘンも好きなようだ。
- 祖父が100歳の誕生日を迎え、総理大臣から表彰を受けている。
[編集] 作品リスト
[編集] 連載
- ノルマンディーひみつ倶楽部(週刊少年ジャンプ・2000年24号~2001年20号・全5巻)
- グラナダ -究極科学探検隊-(週刊少年ジャンプ・2003年1号~16号・全2巻)
- 謎の村雨くん(週刊少年ジャンプ・2006年20号~43号・1巻~)
[編集] 読み切り
- ロマンタジーノ(赤マルジャンプ・1998SUMMER・伊藤幹雄名義・グラナダ -究極科学探検隊-2巻収録)
- ロマンタジーノ(週刊少年ジャンプ・1999年10号)
- トランジスター-TRANZSTER-(週刊少年ジャンプ・1999年49号)
- ジュゲムジュゲム(週刊少年ジャンプ・2002年29号)※グラナダの前身的漫画
- ゴーウエスト!(赤マルジャンプ・2004SPRING)
- 秘密兵器ハットリ(週刊少年ジャンプ・2004年42号)
- 謎の村雨くん(週刊少年ジャンプ・2005年52号)
[編集] 未発表作品
- フィラデルフィア
- 明朗快活卓球部
- ライジング
- 学園ズビズバー
- カフェオレ
- 少年ハリガネ
- ムラサメスポーツ
[編集] 関連人物
[編集] 関連項目
- ノルマン現象(ノルマン効果)
[編集] 外部リンク
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