和月伸宏
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和月 伸宏(わつき のぶひろ、1970年5月26日 - )は日本の漫画家。本名は西脇伸宏。愛称は「ワッキー」など。新潟県三島郡越路町(現長岡市)出身。新潟県立長岡高等学校卒業。既婚。
主に「週刊少年ジャンプ」で活躍。代表作に『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』、『武装錬金』などがある。
目次 |
[編集] 略歴
1987年、第33回手塚賞佳作(『ティーチャー・ポン』)でデビュー。 同期受賞者に出口竜正がいる。
高校卒業後上京し、次原隆二、高橋陽一、小畑健、梅澤春人らのアシスタントを務める。特に同県出身の小畑を師匠として尊敬している。
1994年、「週刊少年ジャンプ」に『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を連載。TVアニメ化された。
2001年、『GUN BLAZE WEST』を連載。
2003年、『武装錬金』を連載。2006年にTVアニメ化された。
近作に『エンバーミングII-DEAD BODY and LOVER-』(2006年 ジャンプ the REVOLUTION掲載)がある。
[編集] 作風
- 『るろうに剣心』初期の頃は美麗な画風と、戦闘だけでなく人間ドラマも備えていることもあって、ジャンプの少女マンガと例えられていたことがある。
- 対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズのファンだったため、『るろうに剣心』には『サムライスピリッツ』に影響を受けた表現が多く見られた。この縁により後年、サムライスピリッツの続編『サムライスピリッツ零』の一部キャラクターデザインを担当する。
- アメリカン・コミックスのファンであり、それをモチーフにしたキャラクターデザインも多い。
- 凝った制服デザインをする。『武装錬金』では銀成学園の制服、再殺部隊の制服、ニュートンアップル女学院の制服など、多くの独創的なデザインの制服が登場している。
- 『るろうに剣心』の頃は忙しくて単行本の表紙を描き下ろす事も少なかった(表紙を描き下ろしたのは7巻と24巻のみ。他の表紙は本編のカラー表紙もしくはジャンプの表紙の流用)が、『武装錬金』では余裕が出来たのか、全巻表紙を描き下ろしている。
- 単行本の余剰ページに、登場人物のデザインやモチーフなどを詳細に記述したおまけをつけることでも有名で、読者サービスと作品へのより深い理解を兼ねたものであると語っている。
[編集] その他
- 藤田和日郎と同人誌を描いたこともある。安西信行とも親交があり、安西のコミックスや同人誌に寄稿したことが何度かある。
- 『武装錬金』のストーリー協力を行った小説家黒崎薫とは親しい仲である。黒崎は後に小説『武装錬金//(ダブルスラッシュ)』の執筆も担当している。
- アクションゲームが好きで『バーチャロン』や『ライジング・ザン』にハマっていたこともある。バーチャロンに関しては『るろうに剣心』(IN THE BLUE SKY)『武装錬金』(FADE TO BLACK)で、ゲーム中に使われているBGMの名前を拝借してサブタイトルに使ったことがある。
- ギャルゲーはほとんどプレイしていないが、『To Heart』に(連載中は気にしていなかったが、終了後にプレイした時には「こっ恥ずかしい」と叫びつつも)一時期没頭していたことがある。
- かつてジャンプ新年号の表紙に掲載されていた連載作家の集合写真が1997年を最後になくなったのは、和月の容貌が画風とはあまりにかけ離れていたために読者離れが起きたためと噂されている。しかし本当の理由は、1998年1号より表紙のデザイナーが変わったためである。実際に、和月の写真が初めてジャンプ表紙に登場したのは1995年だが、それ以降も2年連続して登場している。
- 日本の漫画では『ブラック・ジャック』のファンである事を明言したことがある。また、『ゲッターロボ』の熱狂的なファンでもあり、単行本で「I LOVE ゲッター」と発言している。
- ロックバンド・アンジーのファンで、ヴォーカルの水戸華之介をデザインモチーフにしたキャラクターを『るろうに剣心』に登場させている。また大槻ケンヂ及びその所属バンド筋肉少女帯のファンでもあり、作中にも影響が多く見られる。『メテオストライク』では作中でラジオから筋肉少女帯の楽曲名が流れており、『武装錬金』では作中の台詞や用語に大槻の小説『ステーシー 少女ゾンビ再殺談』や筋肉少女帯の歌詞フレーズが多く引用されている。
- 司馬遼太郎の大のファンである。
- 歴史上の人物で一番好きなのは土方歳三。その次に好きなのが大久保利通だと発言している。新撰組のファンだが維新志士側も好きである。
- 2004年12月にセガから発売されたの3D格闘ゲーム『新撰組群狼伝』のキャラクター原案を担当した。
[編集] 作品リスト
[編集] 連載作品
- るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(週刊少年ジャンプ1994年19号-1999年43号)
- GUN BLAZE WEST(週刊少年ジャンプ2001年02号-2001年35号)
- 武装錬金(週刊少年ジャンプ2003年30号-2005年21・22合併号→週刊少年ジャンプ増刊『赤マルジャンプ』2006年8月号、11月号)
[編集] 読切
- 北陸幽霊小話(『ホップ★ステップ賞SELECTION』6巻に収録)
- 戦国の三日月(『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』6巻、同作完全版10巻に収録)
- るろうに -明治剣客浪漫譚-(『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』1巻及び3巻、同作完全版1巻及び3巻に収録)
- 弥彦の逆刃刀(『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』完全版22巻に収録予定:完全版1巻のるろうに短信より)
- メテオストライク(『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』28巻に収録)
- 春に桜(『剣心華伝』に描き下ろし収録、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』完全版22巻にはフルカラーにて収録予定:完全版19巻のるろうに短信より)
- エンバーミング-DEAD BODY and BRIDE-(『武装錬金』10巻に収録)
- エンバーミングII-DEAD BODY and LOVER-(週刊少年ジャンプ増刊『ジャンプ the REVOLUTION!』2006年11月1日増刊号に掲載)
[編集] ゲームキャラクターデザイン
- サムライスピリッツ零(原案)
- 新選組群狼伝(原案)
[編集] 関連書籍
[編集] 作者理念
- キャラクターの醜と美をはっきりさせる(美の中にある醜の代表として剣心。醜のなかにある美の代表としてパピヨンもしくは志々雄)。
- 美に美を重ねない(例:美少女の肩から天使の翼が生えたデザインなど)
- 剣劇は斬るか斬られるかの緊迫の間合いの取り合いが魅力。だから剣先から魔法的な衝撃波やビームを飛ばすなどの剣劇の魅力を壊すことはしない。
- 自分の選んだ道なら若いうちは一生懸命とりくんだほうがいい。
- 女の子はかわいく美しく描く!
- 女性の裸やパンチラは描かない(裸は描く場合はあるが、少年誌であることを考え、あくまでもほどほどの描写である)。
- エンターテイメントの基本は笑顔とハッピーエンドであるという持論がある。ただし、あくまで「基本」であって必ずヒロインを生存させたり、ハッピーエンドにするわけではない。
これらのことは全て、単行本で作者がコメントしていることである。
[編集] アシスタント
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』時代のアシスタントから人気作家を輩出し、その結束力の高さもあって「和月組」と呼ばれている(もっとも和月本人はこの呼び方を嫌っている〔安西信行の同人誌での寄稿文章より〕)。彼らがアシスタントを離れた後にも単行本の作者コメントにその名前がしばしば見える。