どこでもドア
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どこでもドアは、藤子・F・不二雄の漫画「ドラえもん」に登場する架空の道具。
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[編集] 概要
片開き戸を模した道具。目的地を音声、思念などで入力した上で扉を開くと、その先が目的地になる。
ドアのノブに意志読み取りセンサーが組み込まれているため、場所の指定は「いつもの空き地」と言えば野比家の近所の空き地になったり、「どこでもいいから遠く」と言えば適当な場所になるなど、曖昧な指定が可能。
また、のび太がしずかの家へ行こうとすれば、のび太の気持ちが読み取られて行き先が風呂場になったりもする。
[編集] 構造
- 扉の上 … 空間たんさき(『ドラえもんひみつ全百科』)、空間歪曲装置(『ドラえもん道具カタログ』)
- 扉の下 … 空間歪曲装置(『ドラえもん道具カタログ』、『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『最新ドラえもんひみつ百科 1』、『決定版ドラえもん大事典』)、連鎖ユニット(『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『決定版ドラえもん大事典』)
- 柱 … 四次元電りゅうへんかんき(『ドラえもんひみつ全百科』)、コンピューター(『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『決定版ドラえもん大事典』)
- 足 … ていちゃくそうち(『ドラえもんひみつ全百科』)
- 扉 … 時差修正装置(『ドラえもん道具カタログ』)、空間座標決定機(『ドラえもん道具カタログ』では「空間座標決定コンピューター」表記、『最新ドラえもんひみつ百科 1』では「コンピューター」表記)、宇宙地図、世界地図、バッテリー(以上4種とも『ドラえもん道具カタログ』、『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『最新ドラえもんひみつ百科 1』、『決定版ドラえもん大事典』)
- ドアノブ … 行き先受信ノブ(『ドラえもん道具カタログ』(「いき先よみとりノブ」表記)、『最新ドラえもんひみつ百科 1』(「行き先読み取りノブ」表記)、『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『決定版ドラえもん大事典』)と呼ぶ。プライベートロック(ボタンスイッチ。『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『決定版ドラえもん大事典』)、マイクロホン、意志読み取りセンサー、コンピューターが内蔵されている(以上3種とも『決定版ドラえもん大事典』)。
また、3次元空間を4次元的に折りたたんで2か所を近づけるための装置、4次元フィールド装置が組み込まれている(『テレビ版ドラえもん 2』)。
ドアには鍵をかけることもできる。
カタログ番号:M-04、商品番号:MD401-E、価格:640000円(『ドラえもん道具カタログ』)。
[編集] 機能
ドアに内蔵されている宇宙地図の範囲(地球から半径10光年以内)でしか移動できないという制限がある。この地図はあくまで現代(おそらく22世紀)のもので、大陸の配置などが大きく異なる時代では基本的には移動できない。しかし、学習機能があり、移動しながら地形データを記憶させることも可能(『のび太の日本誕生』)。このことから宇宙規模の地図を読み込ませれば、実用的にはどこまでも移動可能と思われる(この宇宙地図、学習機能の描写は原作漫画のみで、映画には登場しない)。
次元を越えることはできないため、「地平線テープ」や「入り込み鏡」などで作られた異次元空間などの特別な世界、また過去や未来との移動はできない。 但し個人改造レベルでタイムマシンと組み合わせ、場所移動と時間移動が同時に行えるよう改造する事ができる。
#構造に記したように、扉に「時差修正装置」が組み込まれているとする資料もあるが、「時差修正マシン」「時差調節ダイヤル」のようなオプションパーツをまれに使用していることから、「時差修正装置」を搭載した機種が使用されたのは一時的なものだったと思われる。
似た道具に、「プッシュドア」「どこでもまど」」「どこでもガス」「どこだかドア」がある。
また、どこでもドアを併用せねばならない道具として「昆虫探知カード」がある。
[編集] 用例
また、どこでもドアの発明により、銀河SL天の川鉄道が廃止になった。ドラえもんは廃止の記念切符を購入している。
- 『のび太と銀河超特急』では、超空間を封鎖された際に、ドアを開けたところにバリアーが張られ、一時的に使用できなくなった。
ドラえもんのひみつ道具の中でも、「タイムマシン」や「タケコプター」、および「スモールライト」と並んで有名だが、タイムマシンやタケコプターが単行本第1巻で登場するのに対し、どこでもドアは6巻収録『のび太漂流記』で初登場と、意外に登場が遅い。
また7巻収録『山おく村の怪事件』ではドラミ用のものが登場し、こちらはドアより大きな物でもドアをくぐることができるが、ドラえもんのものでこの機能が使用される描写はない(『海をひと切れ切りとって』)。
ドアの一部が珍獣ヤマゴンにかじられたことがある。
[編集] 用語
- プライベートロック
- 他人に来られたくない場所(ただし個室に限る)を自分のドアにセットすると、連鎖ユニットという装置によりほかのすべてのどこでもドアにその情報が届き、ロックされた場所へは行けなくなるという機能。(『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』、『決定版ドラえもん大事典』)
- ドコでもドアげんり
- ドアが現在地と目的地をつなぐとき、ワープ現象により空間のゆがみが生じることをさす。(『ドラえもんひみつ全百科』)
[編集] 関連
- 「ドラえもんのうた」において3番の歌詞に登場する。
- ドラえもんが出演していたCM日産・ラシーンのキャッチコピーは「僕たちのどこでもドア」だった。
- SF作家アイザック・アジモフが1954年に発表したSF短編『こんなにいい日なんだから』(短編集『サリーはわが恋人』所蔵)には、どこでもドアと同様の機能を持つ「ドア」が登場する。ただし同作が日本で紹介されたのはかなり後年のことなので、発想のもととなった可能性は低い。
[編集] 参考文献
- 『ドラえもんひみつ全百科』(「てれびくん」1980年6月号付録)小学館、1980年。
- 『テレビ版ドラえもん 2』(コロコロコミックデラックス(4))小学館、1980年。
- 『ドラえもん道具カタログ』(F.F.ランドスペシャル <スーパー・メカノ=サイエンス>)中央公論社、1986年。
- 『ドラえもんのひみつ道具使い方事典 2』小学館、1991年。
- 『最新ドラえもんひみつ百科 1』小学館、1998年。(記事中で参考にした部分『FILES.3 ひみつ道具と四次元ポケット』は「コロコロコミック」1996年6月号掲載分)
- 『決定版ドラえもん大事典』小学館、2001年。