アルビレオ・モード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
ソプラノ・サクソフォーン協奏曲『アルビレオ・モード』は、吉松隆が2004年から2005年にかけて作曲した作品。サクソフォン奏者須川展也の委嘱で書かれた作品であり、2005年4月29日にザ・シンフォニーホールにおいて、須川の独奏と藤岡幸夫指揮の関西フィルハーモニー管弦楽団により初演された。また、2006年9月に行われた須川展也サクソフォン協奏曲コンサートでも、後半の1曲目に演奏された。
吉松は1994年に須川の委嘱で「サイバーバード協奏曲」を作曲しており、再度サクソフォーン協奏曲を依頼された際、当初は乗り気ではなかった。しかし、前作で用いたアルト・サクソフォンではなく、ソプラノ・サクソフォンの協奏曲ならどうかと持ちかけられて応じることになった。
[編集] 解説
曲は2楽章からなり、各楽章には以下の標題がつけられている。
- 第1楽章「トパーズ」
- 第2楽章「サファイア」
吉松にとってソプラノ・サクソフォーンのイメージは、ジョン・コルトレーンとヤン・ガルバレクの2人のジャズ・プレイヤーに代表されるものであった。そこで、クール&ビューティな「ガルバレク・モード」と、ホット&ディープな「コルトレーン・モード」の2楽章からなる協奏曲という発想が生まれた。そしてこの、吉松にとってのソプラノ・サクソフォーンの二重性を象徴するものとして、2つの恒星からなる二重星であるはくちょう座β星、アルビレオ(Albireo)に結びつけられ、「アルビレオ風の様式」あるいは「アルビレオ風の旋法」といったような意味で『アルビレオ・モード』と名づけられた。
2つの楽章はそれぞれ、第1楽章「トパーズ」がクール&ビューティな「ガルバレク・モード」、第2楽章「サファイア」がホット&ディープな「コルトレーン・モード」に当たる。
[編集] エピソード
須川は2005年の初演の前日、激しいカデンツァを研究中にオクターブキーを押す親指のたこをつぶしてしまった。しかし、当日の演奏はそのことを忘れさせる名演で、須川自身も「本番中は痛みのことなど忘れて頑張った、本番の集中力はすごい」と語った。
カテゴリ: サクソフォーン協奏曲 | 近現代の楽曲