アルファロメオ・156
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
156は、イタリアの自動車メーカーアルファ・ロメオが1997年から2005年にかけて製造、販売していた中型セダン。日本での発売は1998年5月。アルファ155の後継にあたり、スポーツワゴンもラインナップする。アルファ156とも呼ばれる。アルファ・ロメオ史上、最も成功したモデルとの呼び声も高い。
2005年には、後継車であるアルファ159セダンの生産、販売が開始された。
目次 |
[編集] セダン
1997年のフランクフルトモーターショーで生産型が発表され、日本では1998年5月に発売された。1998年度のグッドデザイン賞を受賞している。
日本仕様車のエンジンは2リッター直列4気筒と、2.5リッターV型6気筒の2種類。トランスミッションは当初2リッターには5段MT、2.5リッターには6段MTが組み合わされ、後にそれぞれセレスピード(フェラーリのF1ギアシステムを元にしたセミオートマ)、2.5リッターには4段Qシステム(MTのようなシフトレバーを持つAT)が追加された。
2002年7月には、2リッターエンジンはそれまでのツインスパークから直噴エンジンに換えられ、3.2リッターV6エンジン搭載のスポーティモデルGTAが追加された(詳細は後述)。
2003年9月に外観を変更し、ジョルジェット・ジウジアーロのデザインしたアルファロメオ・ブレラに似たフロントマスクが採用された。
2004年にはスポーティグレードTI(伊:Turismo Internazionaleの略)を設定。これは、2リッター、および2.5リッターモデルをベースに外観やホイール、サスペンションにスポーティな装備を施したものである。また同時に、2リッターモデルにMTが設定された。
[編集] スポーツワゴン
日本での発売は2000年9月。当初は156の名を持たず、単にアルファ・スポーツワゴンと名乗っていたが、2002年9月からアルファ156スポーツワゴンと改称。ワゴンとしての利便性よりもスタイルを重視したモデルで、同クラスのライバル車種と比べてもトランク容量などは小さい。なお、日本向けにはMTの設定はない。
エンジン、サスペンション形式などはセダンと共通。ただし、荷物積載時の姿勢変化を抑えるため、セダンにはないセルフレベリング機構を採用している。
2005年現在、アルファ・ロメオで唯一のステーションワゴンである。
[編集] GTA
GTAはセダン、スポーツワゴンの両方に設定されたスポーティクレードである。
旧来のアルファ・ロメオにおけるGTAのAはイタリア語で軽量化を意味するAlleggeritaの頭文字で、1965年に登場したジュリア・スプリントGTAではベースモデルからおよそ200kgの軽量化を実現していた。
しかし、156GTAでは逆に全ラインナップ中で最も重くなっており(セダン(セレスピード)2リッターモデルの1300kgに対し、同GTAは1420kg)、あくまでもイメージ先行の命名である。そのためエンスーな自動車評論家の中には、似非GTAと称して否定的な態度を取る者もある。
とはいえ、183kW=250馬力を発生する3.2リッターV6エンジンはFF車としてはこれ以上望むべくもないスペックであり、また組み合わされる6段トランスミッション(日本仕様では、セダンはMTもしくはセレスピード、ワゴンはセレスピードのみ)、専用設計のサスペンション、エアロパーツなどとも相俟って、一定の人気を博している。