アルファロメオ・147
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
147は、イタリアの自動車会社アルファ・ロメオで製造、販売するハッチバック型の乗用車である。
目次 |
[編集] 概要
アルファ 145、アルファ146の後継車種で、2000年のパリ・オートサロンでデビューを飾り、2001年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。2004年に大幅な改良が加えられた。
トランスミッションは、セレスピードと呼ばれるセミオートマチックトランスミッションを採用した。アルファ 156で初めて採用されたのセレスピードは、アルファ147になって細部のチューニングを施され、格段に故障が少なくなったばかりか、変速時のタイムラグも若干ながら改善された。またステアリングの表側に設置されていた変速ボタンは、ステアリングの裏側にパドルの形で移植された。
6エアバッグや高級オーディオ、各種の走行安全装置を搭載することから価格は200万円台後半~400万円台後半となり、コンパクトカーとしては非常に高価な部類になる。しかし、各社も追随して同様の車種を販売していることから、プレミアムコンパクトという乗用車の中のカテゴリーを築くことに貢献したと言える。
駆動方式は、全グレードFFである。
サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リヤにマクファーソンストラットを採用し、前後ともにコイルばねである。
デザインはアルファ・ロメオ・デザインセンターのワルテル・デ・シルヴァ(現フォルクスワーゲングループ)、アンドレアス・ザパティナス(その後スバルに移籍)、ウォルフガング・エッガー(現アウディ)の共同作業による。2004年に行われたフェイスリフトはジウジアーロが担当した。
[編集] ボディサイズ
- 全長4170×全幅1730×全高1420、ホイールベース2545(単位はmm)
- フェイスリフト後は、全長4225×全幅1730×全高1450、ホイールベース2545(単位はmm)
- GTAは、全長4200×全幅1765×全高1460、ホイールベース2545(単位はmm)
[編集] グレード
- 1.6TSは1600ccの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した、下位グレードである。2.0TSから一部の安全装置と、BOSE社製のサラウンドシステムを省略したものとなっている。トランスミッションはマニュアルのみ。グレード名の「TS」は、1シリンダーに2本のスパークプラグを配したツインスパークエンジンから来ている。2.0TSも同様。
- 2.0TSは2000ccの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した、標準グレードである。VDC(横滑り防止機構)、MSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、アンチロック・ブレーキ・システム等の安全装置とBOSE社製のサラウンドシステムを搭載している。トランスミッションはマニュアルと5速セレスピードの2つが選べる。ドア枚数は3枚/5枚。
- 2.0TIは2.0TSにディスチャージヘッドライトと17インチアロイホイール、革製の内装を装備したグレード。特別仕様であったが、継続して販売されている。TIは Turismo Internazionale の頭文字を取ったものである。
- GTAはボディサイズを横に拡大し、3200ccのV型6気筒エンジンをフロント横置きに搭載した最上級グレード。アルファロメオ伝統のV6エンジン“6(セイ)”最後の搭載車となる(次期モデルからGM社製ブロックにアルファロメオ製ヘッドとなる予定。)フロントグリル脇にエアインテークを追加。専用バンバーはウィンカーの位置を変更し、GTA専用の意匠となっている。車幅は他のグレードよりワイド化。全長約4.2mのコンパクトカーらしからぬ大排気量、高出力エンジンを搭載したことで、ドライバーの理性と運転技術を問う車となっている。トランスミッションはマニュアル(左ハンドルのみ)と6速セレスピード(右ハンドルのみ)の2つが選べる。3ドアのみ。内装にGTAのロゴマークを配置し、他の147と違いインストルメンタルパネルも黒を基調にされている。ホイールはSPEEDLINE製17インチGTA専用アロイホイール。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製(ブレーキローター径が年式により大型化されている)147カップではチューンナップした2.0でもノーマルGTAにはかなわないというまさに現在のスーパーホットハッチ。ライバル車にVWゴルフR32、BMW130iM-Sport等がある。
[編集] 日本での販売
日本へは2001年に上陸を果たし、「2002年度インポートカーオブザイヤー」や「2002-2003グッドデザイン賞」を受賞するなど、日本国内での評価は高い。
主に、フィアット&アルファロメオ・モータース・ジャパンにより輸入され、種類も1600ccのエンジンを積んだものから、3200ccのエンジンを積んだものまであり、ハンドル位置やドア枚数などを含めて輸入車としては異例の幅広さで用意されている。