インダストリアルデザイン
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インダストリアルデザイン(industrial design)とは、工業製品のデザインのこと。基本的に、規格化に基づく「大量生産」(したがって(大)企業による生産)、そして「大量消費」を前提とする。また、インダストリアルデザインをするデザイナーを、インダストリアルデザイナーと呼ぶ。
[編集] 事例
- 食器、電化製品(含照明)、自動車、食品・化粧品・洗剤等のパッケージ、台所・風呂・トイレなど水まわりの製品、玩具・文房具を含む雑貨等、生活用品・消費財のデザイン
- 産業自動車、産業機械、公共の乗り物(電車・飛行機・船など)等のデザイン。
1.には、家具を含める場合も多い。逆にいえば、家庭にあるもののうち、建築自体、インテリア、食品、医薬品、衣類、美術工芸品、書籍を除くすべてのものについてのデザインといってもよい。
また、個々の消費者が所有(使用)するかどうかは別として、原則として最終製品を対象とする(原料や半製品を対象とはしない)。ただし、機械製品の部品については、独立したデザインの対象となる場合があり、含める考え方もある。
日本では、通常、工業デザインと訳される。(「産業デザイン」という言い方は、ほとんど使われない)商業デザインといわれる場合もあるが、この言葉は、グラフィックデザインやインテリアデザインなどを含めて使われることが多いので、注意すべきである。なお、商業美術という用語もあるが、これは、ほとんどの場合、グラフィックデザインと同義である。
物のデザイン、という面を強調する場合には、プロダクトデザインともいわれる。機械のデザインに限る場合には、メカニカルデザインともいわれる。
[編集] 歴史
インダストリアルデザインという用語は、1920年代のアメリカで使用され始めたといわれる。もともと、設計と意匠形状の設計は同時に技術者が行っていた。レイモンド・ローウィらの活動によって、1920年代末から1930年代にかけてデザインの良し悪しが製品の売り上げを左右することが次第に認識されるようになった。インダストリアルデザイナーは大量生産大量消費の時代を迎えて、同時に短い期間でのモデルチェンジ、マーケットの要望を消化して反映するという必要から生まれた職業である。当初は美術大学の出身者、建築家、工芸家などが企業の委託を受けてプロジェクト単位で関わることもあった。
その後、この職能の必要性から、大学において専門教育をするようになり、企業内にデザイン部署を創設する動きと連動して発展してきた。日本では企業内に所属するデザイナーが多く、海外においては(企業で大量に雇用する傾向に無い事から)フリーランスの割合が多い。
日本ではプロダクトデザイナーという名称が一般的になっているが、自動車業界を中心とした産業では、英語圏における呼び名=StylistまたはStyling Designerを使用する事が世界的に共通化しつつある。これは英語圏においては、開発推進設計者=Engineer、設計担当=Designer、意匠開発=Stylistと区別しており、国際間の開発協力の中で誤解が生じる事があるためである。
また、ファッション業界では、服飾副資材(バッグ等)の担当をプロダクトデザイナーと呼び、小物やアクセサリーの担当を雑貨デザイナー等と呼ぶ場合がある。
[編集] 関連項目
- レイモンド・ローウィ
- ペーター・ベーレンス
- ジョルジェット・ジュジャーロ
- アールデコ
- バウハウス
- ポルシェ・デザイン
- カロッツェリア(イタリアの自動車デザイン会社)
- amadana
- 空想生活
- 無印良品
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