ウィルバート・オードリー
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ウィルバート・オードリー(The Reverend Wilbert Vere Awdry OBE,1911年6月15日 -1997年3月21日 )はイギリスの聖職者、汽車のえほんシリーズの作者(文章部のみ)。ハンプシャー州ロムゼー(イギリス)出身。(The Reverendは、司祭の敬称。OBEは大英勲章受与者の称号)
国教区牧師の息子に生まれ、少年時代に住んでいたウィルトシャー州(イギリス)ボックスの牧師館近くのグレートウェスタン鉄道(パディントン・ブリストル間)を通じて鉄道愛好家へ。文学を学ぶためオックスフォード大学で進むが、聖職に就く事に決め神学も学ぶ。一旦イスラエルで教職に付き、そこでマーガレット・エミリー・ウェイルと出会う。1936年帰国して牧師となり、1938年に帰国したマーガレットと結婚、1男2女を儲ける(長男クリストファー、長女ヴェロニカ、次女ヒラリー)。
息子クリストファーが1942年にはしかにかかっていたとき、自らが少年時代に想像した機関車たちが感情を持って話をする物語を語って聞かせた。いくつかのエピソードを話すうちに、詳細な点の矛盾をクリストファーに指摘されないようにメモ書きを作り出したのがきっかけで、物語は書きとめられることになり。1945年5月最初の本「三だいの機関車」が出版された。翌年「機関車トーマス」が出版されると以後「汽車のえほん」としてシリーズ化してほぼ1年に1冊づつ出版された。挿絵は専門の挿絵画家が担当した。
1972年に「井戸は干上がった」と語って26番目の本の出版を最後に一旦シリーズは終了された。その後、ブリット・オールクロフトによる1984年からのテレビシリーズ化(きかんしゃトーマス)と連動して1983年から息子クリストファー・オードリーに続編の執筆・出版を行わせ、1996年までに14冊の続編が書き継がれた。1987年9月には「汽車のえほん」シリーズとは別にソドー島の歴史・地理学・言語・産業・地質学等を記した「THE ISLAND OF SODOR」(本邦未訳)を弟のジョージとの共著として出版している。またタリスリン鉄道等の保存鉄道のボランティア活動にも献身的に参加した事でも知られ「汽車のえほん」シリーズにもいくつか描かれている。そのころ特に行動を共にした親友にテディ・ボストン牧師がいる。三だいの機関車の出版から50周年の1995年には、ヨーク国立鉄道博物館で記念展示会がひらかれ、文化人や偉人の名前などを命名しているクラス91型電気機関車シリーズの91024号機(現在91124号に改番)が、レヴランド・W・オードリーと命名された。10月にはブライアン・シブリーにより伝記「The Thomas the Tank Engine Man」(本邦未訳)が出版された。
1996年に大英帝国4等勲士に叙せられたが体調が悪くロンドンへは行けなかった。1997年3月21日グロスターシャー州(イギリス)の自宅にて安らかに永眠した。享年85。タリスリン鉄道のナローゲージ(狭軌)鉄道博物館内には、オードリー牧師の書斎が復元され遺品が保存展示されている。
生前、華奢な体格から「やせぎす牧師(Thin Clergyman)」と、からかわれる事が多かった。この事もオードリーは「汽車のえほん」作中(原作えほん22巻の「ちんまり鉄道」ことアルルダールの15インチゲージ鉄道の話)にて、ネタとして取り扱った。「汽車のえほん」作中にオードリー本人が出てくるのはこの巻と25巻のデューク探しのエピソードぐらいだが、牧師でありながら鉄道愛好家でもあった、という事実を社会一般に認めさせた。