ウクライナ陸軍航空隊
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ウクライナ陸軍航空隊(―りくぐんこうくうたい、ウクライナ語:Армійська авіація України)は、ウクライナ地上軍(Сухопутні війська Збройних Сил України)の兵科、航空部隊。
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[編集] 概要
ウクライナは、1992年8月にソ連からの独立を果たした。陸・海・空など各軍組織は、当初そのままウクライナ軍の管轄下に入れられた。ソ連では、旧来海軍運用以外のヘリコプター類は空軍の管轄下で運用してきた。だが、その末期、それらのヘリコプター部隊は一括して陸軍の運用下に移された。独立後のロシアでは、2003年にこの措置をもとに戻したが、ウクライナでは現在でもヘリコプター類を陸軍の管轄下で運用している。但し、機材や人員の一部は空軍などの管轄下にも入っており、特に電子戦ヘリコプターMi-8PPA、Mi-22など特殊な機材はすべて空軍により運用されている。
ウクライナ陸軍航空隊は、3つの本部に管轄が分けられている。北部地域の本部はチェルニーヒウ、西部地域の本部はリヴィウ、南部地域の本部はオデッサに置かれている。
ウクライナ陸軍航空隊で現在運用されているのは、汎用強襲輸送ヘリコプターのMi-8T/MT/MTV、大型輸送ヘリコプターのMi-26、攻撃ヘリコプターのMi-24V/P/VP、特殊な機体としてはMi-24R/Kがある。この内Mi-24VPはたいへん珍しい機体で、従来のMi-24D/Vに搭載されてきた12.7 mm4銃身機銃YaKB-12.7やMi-24Pの30 mm機関砲GSh-30Kにかわり、23 mm連装機関砲GSh-23Lを搭載している。Mi-24VPは、機銃攻撃力に不足のあったMi-24D/V、逆に重武装過ぎて弾数の不足しがちになったMi-24Pにかわる主力機として1985年に開発された機体であるが、改良点であったはずの肝心の機関砲ターレットの稼働率が悪く、少数生産に留まった。ウクライナ陸軍航空隊では、その内3機が運用されている。
ウクライナはコソヴォ紛争やアメリカのアフガニスタン侵攻、イラク戦争などの際の国連平和維持活動に軍隊を派遣しているが、陸軍航空隊の運用するヘリコプターは常にその最前線に送られてきた。特に、Mi-24Rなどの特殊機材を保有する軍隊は数少なく、活動に際し重宝されている。
[編集] 運用機
- Mi-2(退役)
- Mi-6A(退役)
- Mi-8PS(退役)
- Mi-8T
- Mi-8MT
- Mi-8MTV-1
- Mi-8MTV-2
- Mi-24A(退役)
- Mi-24D(退役)
- Mi-24V
- Mi-24P
- Mi-24R
- Mi-24K
- Mi-24VP
- Mi-26T
※退役は推定
[編集] 外部リンク
※画像リンク
- Mi-2 #06 オデッサ、シュコーリヌィイ飛行場
- Mi-6A #22 オデッサ、シュコーリヌィイ飛行場
- Mi-8PS #03
- Mi-8T #04 オデッサ、シュコーリヌィイ飛行場
- Mi-8T #64, 2003
- Mi-8T #28, 2000 リヴィウ
- Mi-8PPA #24&03 & Mi-8T #33&29&11 オデッサ、シュコーリヌィイ飛行場
- Mi-24V #40
- Mi-24VP #09
- Mi-24R #91
[編集] 外部リンク
- МІНІСТЕРСТВО ОБОРОНИ УКРАЇНИ / Сухопутні війська Збройних Сил України(ウクライナ国防省公式ページ、ウクライナ語)
- Ukrainian Army Aviation / By Marnix Sap & Carlo Brummer - MIAS(解説詳細、画像多数、英語)
- MIAS.AERO(解説詳細、「MIAS articles and publications」→「Ukrainian Army Aviation」クリックで当該ページ閲覧、ロシア語、英語、ギリシア語、フランス語)