カンガルー
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?カンガルー科 | ||||||||||||
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オオカンガルー Macropus giganteus |
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分類 | ||||||||||||
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亜科 | ||||||||||||
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カンガルーはフクロネズミ目(有袋類)カンガルー科に属する動物の総称である。 オーストラリア大陸、タスマニア島、ニューギニア島に生息している。大型のカンガルー属と、ワラビーと呼ばれる一群の小型のカンガルーとに分類され、体重0.5kg程度のものから、100kgに達するアカカンガルーまで、さまざまなサイズの種がある。さらに、ワラルーと呼ばれる中型のものもいる。
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[編集] 概要
後肢が発達しており、これで跳躍することにより、四肢を使うよりも少ないエネルギー消費で、高速移動ができる。大型種であるアカカンガルーは、跳躍により時速45kmほどのスピードを出すことができる。また、移動距離も長く、発情期には100km/1日程度の移動も行うという。
カンガルー属の学名Macropusはラテン語で「大きな足」を意味する。 また、太い尾をもち、これで跳躍するときのバランスをとっている。 他の有袋類と同様、育児嚢(いくじのう)で子どもを育てる。
[編集] 語源
西洋人がカンガルーを指して「あの動物は何と言うのか」と訊いたところ、現地人は(外国語では何を言いたいのか)「わからない」という意味で「カンガルー」と答え、これがこの動物の通称となった、という有名な逸話は、中学の英語の教科書にも載ったことがあるが、俗説である。「カンガルー kangaroo」は、もともと、カンガルーを指した現地語 gangurru が変化したものであると考えられる。なお、オーストラリア周辺には多くの種族が住むため、すべての種族がカンガルーのことをこう呼ぶわけではない。
カンガルーという語がはじめて記録されるのは、ジェームズ・クックの最初の航海について記述したジョセフ・バンクス(王立協会会長を務めた貴族)の文章で、このときは「Kangaru」と綴られた。元々は、Guugu Yimidhirr語(w:en:Guugu Yimidhirr language)で灰色のカンガルーの意味であったが、すぐにカンガルー全体を示す英語として使われるようになった。
[編集] ボクシング
大型のアカカンガルーは、両手を器用に繰り出して殴り合うボクシングを行う。特に顕著なのは発情期で、雄は雌に寄り添い交尾の時機を伺いながら、周囲から近づく別の雄を攻撃するようになる。この際、上半身を大きく見せるポンピングを行い、それでも勝負が付かない場合には殴り合いになる。これがいわゆるカンガルーのボクシングである
日本のボクシングの父、白井義男(日本初の世界チャンピオン)は小学生の頃、サーカスの出し物でカンガルーとのボクシングに挑んだのがその道に進むきっかけになったという(ちなみに結果は急所へパンチが入ったためカンガルーの反則負けだったとか)。
ちなみにボクシングと言われるが、蹴りもつかう。 尻尾で体を支えた両足での前蹴りで、人間ならば内臓破裂しかねない程の破壊力を持つ。
[編集] その他
カンガルーは後退できない。
オーストラリアでは、通常の食用肉として食されている。 カンガルー肉のステーキを「ジャンピングステーキ」と呼んでいる他、大手スーパーの精肉コーナーで「カンガルーソーセージ」などが販売されている。(カンガルーソーセージは、通常のソーセージよりも色が黒っぽい)
オーストラリアでは、カンガルーが突然道路に飛び出してくるため、自動車との衝突事故が多発している。(ロードキルと呼ばれている) 事実、田舎の高速道路の道ばたには、カンガルーやその他野生動物の死体がそこら中に転がっている。ただ、田舎部や国立公園などに限らず、緑があるところにはあらゆる場所にカンガルーが存在しているため、野生カンガルーと遭遇することは珍しいことではなく、普通のことのようになっている。
カンガルーのお腹の袋の中はとてつもない悪臭だという。
オーストラリアでは多くの種が絶滅、あるいは絶滅の危機に瀕している中、カンガルーはその生息数を増やし続け、現在の生息数は5000万頭以上といわれている。
[編集] 下位分類
[編集] カンガルー亜科 Macropodinae
カンガルー族 Macropodini
ヤブワラビー族 Thylogaleini
- ヤブワラビー属 Thylogale
- イワワラビー属 Petrogale
- コイワワラビー属 Peradorcas
- クアッカワラビー属 Setonix
- キノボリカンガルー属 Dendrolagus
- ドルコプシス属 Dorcopsis
シマウサギワラビー族 Lagostrophini
[編集] ネズミカンガルー亜科 Potoroinae
ネズミカンガルー族 Potoroini
- ネズミカンガルー属 Potorous
- アカネズミカンガルー属 Aepyprymnus
- ニオイネズミカンガルー属 Hypsiprymnodon
- フサオネズミカンガルー属 Bettongia
- サバクネズミカンガルー属 Caloprymnus