クリック&デッド NETWAYスイーパーズ
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クリック&デッド NETWAYスイーパーズ(-アンド-ネットウェイ-)は、文化放送のアニラジ番組『CLUB db』内で、1997年6月14日から同10月25日にかけて放送されたラジオドラマである。
タイトルは映画『クイック&デッド』のもじりだが、内容は一切関係ない。
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[編集] 概要
本作は当時コナミが推し進めていた声優ビジネスの一環として制作されたものだが、アニラジの枠で放送されたにもかかわらず、漫画・アニメ・ゲームなどを原作としておらず、またタイアップも一切おこなっていない「完全なオリジナル作品」であることが特徴である。(CLUB dbにおける同様のオリジナル作品としてメモリーサイト75が存在する)
またアニラジで放送されるラジオドラマの多くが明るい内容であるのに対し、本作はネット犯罪や殺人・サイバーテロなどを扱ったうえ、ヒロイン達の態度も非常にシニカルなものであり、こういった面でも類を見ない作品である。脚本は放送作家の山名宏和が担当しており、セリフの端々には様々な作品に対するオマージュが散見される。
一方で監督を小島組(現小島プロダクション)の村田周陽が務め、出演者の多くもゲーム『メタルギアソリッド』と重複するなど、本作は『メタルギアソリッド』の音声部分のプロトタイプとして制作された可能性が高い。本作のシチュエーションも潜入任務が主体となっており、皮肉なことに後年制作された『メタルギアソリッド』のラジオドラマ版よりも、むしろ本作の方がメタルギアシリーズの持ち味を得ている。
mission:01からmission:05までの全5巻、サウンドトラックがキングレコードより発売された。また、全巻購入特典(非売品)として番外編となるmission:φAIDMAがある。
[編集] スタッフ
[編集] ストーリー
2001年、急速に発達したインターネットはネットウェイと呼ばれ、人々の生活に深く浸透していた。一方、それにともない繰り広げられる情報犯罪に対処するため、超法規組織CADが結成された。
[編集] 登場人物
- 早紀(声:金月真美)
- 燐(声:桑島法子)
- 本作ヒロインのひとり。CAD所属の天才ハッカーで、無線で早紀のオペレーションや補佐をおこなう「バックアップ担当」、いわく「頭脳労働」。かつては世界を席巻する通信企業「IT&T」の研究員だった。劇中で銃を使う場面はないが、CD版ジャケットイラストではSIG SAUER P228らしき拳銃を持っている。
- CP(声:青野武)
- mission:04~05にのみ登場。早紀や燐に指令を与える上司で、終始非情で高圧的な態度を貫く。
- 朝比奈レポーター(声:鉄炮塚葉子)
- TV番組制作会社「move」所属のディレクター兼突撃レポーター。ときめきメモリアルの朝日奈夕子がモデルと思われるが、直接の関係はない。
- 安田(声:中井和哉)
- mission:02より登場する朝比奈の助手でカメラマン。いいようにこき使われている。
[編集] ゲストキャラクター
mission:01 INTERNET CULT
- 石山雄一(声:銀河万丈)
- 新興宗教「ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ」のマスター(教祖)だったが……。
- 平沢京子(声:原亜弥)
- 「ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ」のブランチ(在家信者)。
- 墨田(声:曽我部和恭)
- 「ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ」のストック(出家信者)。
- 三田村(声:島田敏)
- 「ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ」の幹部。
mission:02 VIRTUAL IDOL
- アーニー(声:菊池志穂)
- 15歳の少女にして天才ハッカー。その才能ゆえ犯罪に悪用される。
- エリナ(声:氷上恭子)
- ネットウェイ上で絶大な人気を誇るバーチャルアイドル。そのデータはネット上に流出し、ファンたちが勝手に加工して「自分だけのエリナ」を作り出している。
- 五十嵐(声:中尾みち雄)
- ハッカー(声:山田真一)
- キャスター(声:井上隆之)
- 管制官リーダー(声:稲田徹)
mission:03 STALKING HACKER
- 須藤沙由梨(声:笠原弘子)
- 精神科医で、特に情報化社会を見据えた治療に携わる。
- 倉橋マリエ(声:江森浩子)
- 須藤の患者。
- 岬康之(声:小杉十郎太)
- 開業医で、ネットウェイを利用した精神科医の情報ネットワーク構築に携わる。
- 藤村チーフ(声:平野正人)
mission:04 CRACKER
- 芹沢(声:風間信彦)
- 「move」取材ヘリコプターのパイロット。
- 船長(声:稲田徹)
- クラッキングの標的となったタンカーの船長。
- 機長(声:西脇保)
- クラッキングの標的となった旅客機の機長。
- クラッカー(声:沼田祐介)
- 交通ネットワークをクラッキングし、都市を破滅的混乱に陥れる。
mission:final INFORMATION WAR
- ヒムラ(声:田中秀幸)
- 元CADのエージェント。Q国に雇われ、かつての古巣に対して復讐を図る。
- カイ(声:松野太紀)
- ヒムラの現在のパートナー。
- シリー
- Q国から破壊工作のために雇われたハッカーらしいが……。
- 並木(声:田中和実)
- 軍事評論家。Q国からの不可解な宣戦布告、そして「インフォメーション・ウォー」について、ニュースでコメントする。
[編集] 用語
- ネットウェイ (NETWAY)
- 世界各国の通信事業体は、1999年に国の枠を超えて合併。「IT&T」と呼ばれる巨大な組織となった。それを機に、それまで「インターネット」と呼ばれていた通信網は、「ネットウェイ」とその呼び名を変えることとなった。
- CAD (CASTRATE ANONYMOUS DISORGANISERS)
- ネットウェイ犯罪に対処するために結成された国際的機関。その存在は極秘とされている。スイーパーと呼ばれる実行チームを幾つか抱えており、それぞれのチームはナビゲーターと作戦実行の二人一組が基本。状況によっては犯人のデリートも許されるが、それを独断で実行しよいのは一部のスイーパーのみである。
- ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ (NHS)
- 元は発達したネット社会に適応しきれない人をカウンセリングする目的で石山雄一が作成したサイト。ネットウェイの普及と共に会員数は増えていき、「ネットウェイ・ヒーリング・ソサエティ」として組織化した。石山は「ネットウェイ社会の教祖的存在」と言われているが、彼はあくまで起業家でしかなく、彼自身もその呼ばれ方に否定的である。ただ、その本部ビルがピラミッド型をしていたりと、宗教じみてきていることも事実である。
- 石山は「マスター」と呼ばれ、その下に本部ビル内で暮らす「ストック」と在宅勤務である「ブランチ」という二種類の会員を持つ。ブランチは実績などによりストックへの昇格もある。
- C to D (C to Diamond)
- IT&Tで研究されていたデータ圧縮プロジェクトのコード名。当時在籍していた燐が担当をしていた。「炭素をダイヤモンドに」の意味で、その圧縮率の高さを表している。遺伝子治療に関するデータをやりとりする時間を短縮することが目的であったが、あまりにその圧縮率が高すぎたため、ネット回線の使用料を主要な収益としていたIT&Tにとって不都合であるとしてチームは解散された。
[編集] 豆知識
CD版mission:05のジャケット、バックインレイの裏面に秘密がある。
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