冬のソナタ
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冬のソナタ | |
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各種表記 | |
ハングル: | 겨울연가 |
漢字: | 겨울戀歌 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
キョウリョンガ |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
英題: | Winter Sonata |
『冬のソナタ』(ふゆのソナタ、キョウルヨンガ)は、2002年に韓国KBSで放送されたテレビドラマ(韓国ドラマ)である。韓国KBSにて2002年1月~3月の毎週月曜と火曜の夜に放送されていた。
監督はユン・ソクホ。同監督の前作である「オータム・イン・マイ・ハート ~秋の童話~」と同様に、ロケ(屋外撮影)をふんだんに使用した作品として知られる。
日本ではまず2003年にNHKBS2で放送したところ、反響が大きかったため2003年末に再放送され、さらに「地上波で放送してほしい」という視聴者の要望により、2004年4月~8月にはNHK総合でも放送された。また2004年12月20~30日までNHKBS2で未公開シーンも含まれた完全版が日本語字幕版として放送。2004年度流行語大賞の上位にノミネートされた。
ドラマのDVDの発売元はNHKソフトウェア、販売元は日本テレビの連結子会社バップである。
目次 |
名称
略して冬ソナと呼ばれる。なお原題を直訳すると「冬の恋歌」となるが、ソナタに恋歌という意味が存在する訳では無い。NHKの説明によると、「恋歌」を「love song」と訳してしまうとニュアンスが異なってしまうので、韓国国外に輸出する際に変更されたのだという。台湾などでも放映され、そのときの題名は「冬季戀歌」と直訳になっている。
概要
ヒロインであるチョン・ユジンが、交通事故で死んだ恋人にそっくりなイ・ミニョンに出会い、婚約者のキム・サンヒョクの間で心を揺り動かすラブストーリードラマ。
音楽が美しいこと、まるで絵画のように印象的で開放感溢れる自然の中でのシーン、「初恋の人」という多くの人が心に抱きつづけている普遍的なテーマ、初めはナイーブな恋が(決して一足飛びにではなく)一歩一歩、深い人間的慈愛へと育ってゆく心理的過程が全20回に渡り丁寧に描かれていること、などが好感をもって迎えられヒットとなった。
また韓国は、冬のソナタのヒットを皮切りに、映画やテレビドラマを積極的に海外に送り出すようになった。 日本においても大手広告代理店と連携した宣伝戦略や一連のキャンペーンが効果をあげた。
ストーリー
※以下の放送日は全て2004年にNHK総合テレビで放送されたときの日付である。
- 第1話「出会い」(2004年4月3日放送)
- 第2話「はかない恋」(2004年4月10日放送)
- 第3話「運命の人」(2004年4月17日放送)
- 第4話「忘れえぬ恋」(2004年4月24日放送)
- 第5話「罠」(2004年5月1日放送)
- 第6話「忘却」(2004年5月8日放送)
- 第7話「冬の嵐」(2004年5月15日放送)
- 第8話「疑惑」(2004年5月29日放送)
- 第9話「揺れる心」(2004年6月5日放送)
- 第10話「決断」(2004年6月12日放送)
- 第11話「偽り」(2004年6月19日放送)
- 第12話「10年前の真実」(2004年6月26日放送)
- 第13話「追憶」(2004年7月3日放送)
- 第14話「二度目の事故」(2004年7月10日放送)
- 第15話「過去への旅路」(2004年7月17日放送)
- 第16話「父の影」(2004年7月24日放送)
- 第17話「障害」(2004年7月31日放送)
- 第18話「運命のいたずら」(2004年8月7日放送)
- 第19話「父と子」(2004年8月15日放送、8月16日再放送)
- 最終話「冬の終わり」(2004年8月21日放送)
※第8話「疑惑」は2004年5月22日に放送予定だったが小泉総理北朝鮮訪問関連特番で1週延期された。ところがこの件でNHKに約3000件もの苦情が殺到。これをうけ、NHK側は当初のアテネ五輪期間中は当番組を放送しないという予定を変更、視聴者の意見を考慮し8月14日分(第19話「父と子」)を放送する。しかし、この第19話はアテネ五輪放送の関係で通常の土曜23:10~ではなく、翌15日の午前2:00から放送されたため、またも多くのファンから要望がなされ、結局、翌々日の16日13:05~に再放送された。
登場人物
カン・ジュンサン / イ・ミニョン
演じたのはペ・ヨンジュン。韓国のみならず日本でも熱烈なファンを増やし、「ヨン様」あるいは「微笑みの貴公子」とも呼ばれている。 日本語の吹き替えは俳優の萩原聖人が担当。劇中で乗っているクルマはフォード・エクスプローラー。
- 名前は「チュンサン」と表記されることもあるが、韓国語では発音の清濁が日本語と異なるのが原因である。韓国語には語頭では濁らないが語中では濁る発音があり、名前だけで呼ぶときは「チュンサン」のように語頭にあるために濁らずに発音されるが、フルネームで呼ぶ場合は「カンジュンサン」のように語中にあるために濁って発音される。ハングルではどちらの発音も同一の文字で表記されるが、カタカナで表記するときに姓の有無で清濁の表記を使い分けることを避けるため、片方に表記を統一することもあるのでどちらを使っても間違いではない。NHKエンタープライズの説明 、「キーワードで解く『冬ソナ』」の説明
チョン・ユジン
演じたのは女優のチェ・ジウ。韓国では「涙の女王」とも言われている。日本語の吹き替えは女優の田中美里。「美しき日々」や「天国の階段」でもチェ・ジウの吹き替えを担当した。
キム・サンヒョク
演じたのはパク・ヨンハ。チュンサン役のペ・ヨンジュン並に熱烈なファンが多い。日本語の吹き替えは俳優の猪野学が担当。劇中で乗っているクルマはヒュンダイ・ソナタ。
オ・チェリン
演じたのはパク・ソルミ(「オールイン 運命の愛」などにも出演している女優)。日本語の吹き替えは声優の林真理花が担当。
その他の人物たち
- コン・ジンスク - ユジンらの高校の同級生。ソウルでユジンのアパートに居候し、チェリンのブティックで働く。
- クォン・ヨングク - ユジンらの高校の同級生、獣医師。リュ・スンス/小森創介
- キム・ヒョクス - ミニョンが代表理事を務める会社の次長。クォン・へヒョ
- イ・ジョンア - ユジンの勤める会社の上司。
- カン・ミヒ - チュンサンの母、世界的ピアニスト。ソン・オクスク
- キム・ジヌ - サンヒョクの父、大学教授。カン・ミヒに片想いの過去あり。チョン・ドンファン
- パク・チヨン - サンヒョクの母。ユジンを気に入らず、最後まで結婚に猛反対した。
- チョン・ヒョンス - ユジンの亡父。チュンサンの母であるカン・ミヒの元婚約者。
- イ・ギョンヒ - ユジンの母。
- チョン・ヒジン - ユジンの10歳下の妹、高校生。
音楽
- 主題歌:「最初から今まで」。作曲 O Suk Joon, You He Joon、歌 Ryu(日本語吹替版は、やしきたかじんが担当)。
- 挿入歌:「My Memory」。作曲 Park Jeong Won、歌 Ryu(日本語版は、やしきたかじん)。
BGMには主にピアノ曲が選ばれ、作曲家は複数でありながら、統一感を感じさせる。
- イ・ジス作曲「初めて」「今でも」
- Park Jeong Won作曲「始まり」「記憶の中へ」「恋人」「あなただけが」
- ベートーベン作曲「テンペスト」(ピアノソナタ第17番)第3楽章の冒頭部
- ロベルト・シューマン作曲「子供の情景」のNo.7「トロイメライ(夢)」(劇中、高校生を演ずる主役二人が音楽室で演奏)
韓国オリジナル版では、「白い恋人たち」(フランシス・レイ作曲)、「ダンシング・クイーン」を始めとする欧米のポピュラー音楽が多用されているが、日本では著作権法上使用できず、ユン・ソクホ監督自らが韓国の楽曲に差し替えた。2004年12月放映の完全版でも差し替えが行なわれている。
盗作・盗用疑惑
基本的な設定やストーリーのあらすじについて、日本で2001年8月に発売された成人向けPCゲーム「君が望む永遠」(2003年10月よりテレビアニメも放映)との類似点が日本のブログで指摘された後、日本・韓国の掲示板で議論された。
脚本家がNHKの番組に出た際、「キャンディ・キャンディへのオマージュとして制作した」と語ったが、韓国版キャンディ・キャンディが海賊版であるとの指摘を受けると前言を撤回。オリジナルを主張した。
主題歌は雅夢の「愛はかげろう」、BGMは藤原いくろうの「deep sea (winter sea)」に旋律が類似しているとの指摘される。BGMに関しては作曲者パク・ジウォンが盗作を認めている。
備考
- 韓国オリジナル版のクレジットはぺ・ヨンジュンがトップだが、日本版ではNHKが独自にチョン・ユジンを主人公と判断してチェ・ジウを先頭に据えた。KBSの了解を得ているとは言え、ストーリーを無視した強引な書き換えに対して、視聴者から疑問が呈されている。
- 日本語吹き替えの誤訳が少なからず指摘されているが、のちに放映された完全版の字幕は一部修正にとどまり、全面改訂は果たされなかった。
- 「冬のソナタ」の撮影は時間ギリギリのハードな撮影で、朝方や昼間撮影したシーンを急いで編集しその日の夜に放送する(いわゆる「撮って出し」)という傾向が多々あったという。
- キム・サンヒョク役のパク・ヨンハが来日し、テレビ番組(TBSテレビ「うたばん」)に出演した際に「冬のソナタ」は日本版は全20話だが韓国のオリジナル版は全26話あると言っていたが、これは後日間違いである事が判明した。
- 日本での地上波放送当時、お笑い番組などでパロディー的なコントなどがいくつか放映された。
- 日本版は1時間枠だが、韓国では70分枠で放送されたため、多少のシーンが削られている。NHKバージョン(実質60分)より民放バージョン(実質53分)のほうがよりカットされるシーンが多い。
- 日本での地上波放映の最終回の視聴率は関東で20.6%、関西23.8%(ビデオリサーチ社発表による)と夜11時台のドラマとしては、驚異的な数字をたたき出した。
- ヒロインのユジンは古いタイプの女性で、主体性がなく優柔不断な性格のため、韓国の若い視聴者には一部不評だったが、日本では、けなげで純粋であるとして中高年層に支持された。
- ユン・ソクホ監督によると、冬のソナタは、当初は北海道をロケ地とする予定であったが、時間の関係で撮影を行うことができなかったという。
- 2004年7月現在、小説『冬のソナタ』の日本での発行部数は、上・下巻計で122万部。
- 2006年、日本のパチンコメーカー、京楽産業より「CRぱちんこ冬のソナタ」がリリースされた。
- 2004年7月22日、日韓共同訪問年広報大使に任命されたチェ・ジウが首相官邸を訪問。冬ソナファンを自認する小泉純一郎首相は「おー、冬のソナタ、鼻の下が長くなっちゃう」と歓迎の意を示している。
- 安倍晋三の首相就任によりファースト・レディとなった昭恵夫人は冬ソナの大ファンで、これをきっかけに韓国語を習い始めたと報じられている。
- 2007年1月からは、日本の民放テレビ局でも「冬のソナタ」が放送されている。
関連項目
外部リンク
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