サクラバクシンオー
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性別 | 牡 |
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毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1989年4月14日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | サクラユタカオー |
母 | サクラハゴロモ |
生産 | 社台ファーム早来 |
生国 | 日本(北海道早来町) |
馬主 | (株)さくらコマース |
調教師 | 境勝太郎(美浦) |
競走成績 | 21戦11勝 |
獲得賞金 | 5億2125万3000円 |
サクラバクシンオーは日本の競走馬。1993年、1994年にスプリンターズステークスを連覇した。1994年のJRA賞最優秀短距離馬受賞。現在は種牡馬として活躍中である。代表的な産駒はショウナンカンプ、ブランディス。
なお、年齢は旧表記(数え年)で統一する。
目次 |
[編集] 戦績
1992年1月12日の4歳新馬戦(中山ダート1200m)でデビュー。小島太を背に2番人気に推され、見事デビュー戦を飾った。その後、黒竹賞(中山芝1600m)では2着に敗れたが、桜草特別(中山芝1200m)に勝利し、デビュー4戦目にGIIスプリングステークス(中山芝1800m)に出走する。3番人気に推されるが、直線で失速し12着に大敗した。ちなみに、1着は後に皐月賞、東京優駿(日本ダービー)を制した二冠馬ミホノブルボンだった。また4着にはライスシャワーもおり、それぞれ全く異なる距離で活躍した3頭が唯一顔を揃えた一戦でもあった。
このレース以後、陣営はクラシック路線を諦め、短距離路線に方向を定めた。4月18日のGIIIクリスタルカップ(中山芝1200m)に出走、単勝1.8倍の1番人気に応え見事重賞初制覇を飾った。次走の菖蒲ステークス(東京1400m)も1番人気に応え、連勝でGIIニュージーランドトロフィー4歳ステークス(東京芝1600m)に3番人気で臨んだが、後にマイルチャンピオンシップなどを勝つシンコウラブリイの7着に敗れた。その後3ヶ月の休養をはさみ、秋競馬から復帰。初戦のGIII京王杯オータムハンデキャップ(中山芝1600m)では3着、オープン特別多摩川ステークス(東京芝1600m)で7着とマイル戦では勝てないレースが続いたが、次走のオープン特別キャピタルステークス(東京芝1400m)に勝利し、最大目標であったGIスプリンターズステークス(中山芝1200m)へと駒を進めた。4歳馬ながら3番人気に支持されたが、この年の桜花賞優勝馬ニシノフラワーの6着に敗れた。サクラバクシンオーの1400m以下のレースの敗北はこれが最初で最後であった。
この後、脚部不安のため放牧に出され、復帰したのは翌1993年、5歳の秋だった。復帰初戦のオープン特別オータムスプリントステークス(中山1200m)を2番人気で勝利したが、次走のアイルランドトロフィー(東京芝1600m)は4着に敗れた。その後マイルチャンピオンシップには向かわずキャピタルステークス(東京芝1400m)に出走して勝利した。そして大目標であるGIスプリンターズステークスに挑んだ。2番人気に支持され、見事にGI3勝馬のヤマニンゼファーを抑え優勝した。父サクラユタカオーにとっても初のGI勝ち産駒となった。
翌1994年、6歳になり、4月のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(中山芝1200m)を2馬身差で勝利する。続いて、GI安田記念(東京芝1600m)に出走し、直線先頭に立って粘るがノースフライトの4着に敗れた。休養後、秋初戦のGII毎日王冠(東京芝1800m)では、従来のレコードタイムより早いタイムでゴールしたが、後に天皇賞(秋)を勝つネーハイシーザーの4着に敗れる。次走GIIスワンステークス(阪神芝1400m)では、ノースフライトを当時の1400mの日本レコードで破る。次走のGIマイルチャンピオンシップ(京都芝1600m)では、女王ノースフライトの2着に敗れた。そして、この年限りの引退が決まり、ラストランになったGIスプリンターズステークスは単勝1.6倍の圧倒的1番人気となり、2着のビコーペガサスに4馬身差、1分07秒1の当時の日本レコードでグレード制導入以後初の連覇で引退に花を添えた。また、JRA賞最優秀短距離馬に選出された。
[編集] エピソード
デビュー前は父サクラユタカオー譲りの馬格や、伯父(母の全兄)に有馬記念、天皇賞を制したアンバーシャダイ、従兄に阪神3歳ステークス、弥生賞、NHK杯優勝馬のイブキマイカグラがいることもあって、クラシックディスタンスで期待が持てると関係者から評価されており、スプリンターという評価は皆無であった。
1994年の秋4戦(毎日王冠~スプリンターズステークス)は全て当該競馬場のコースレコードタイムを上回る走りをしている。
サクラバクシンオーが活躍した時代は、東京優駿(日本ダービー)をはじめとするクラシック路線が主流を占めていたが、同馬は、早々と短距離路線への転向を決め、スプリンターズステークス2連覇を始め、数々のスプリント競走を制覇している。この活躍が、1996年の高松宮杯短距離GI化などの短距離路線拡大に影響を与えたといえる。
通算成績は21戦11勝だが、1400mを超えるレースでは9戦全敗、1400m以下のレースではダートを含めて12戦11勝と1400mを境に成績に極端な差が見られる。ただし、1400mを超える距離のレースが全く不振だったかと言うとそうでもなく、1600mのGIマイルチャンピオンシップでの2着や、従来のレコードタイムより早いタイムで走破した(結果は4着)1800mの毎日王冠(GII)などの実績がある。
[編集] 主な勝ち鞍
- 1993年、94年スプリンターズステークス
- 1994年スワンステークス
- 1994年ダービー卿チャレンジトロフィー
- 1992年クリスタルカップ
[編集] 引退後
引退後はノーザンファーム代表、吉田勝己の強い薦め(母のサクラハゴロモは元々社台ファームの所有で、この馬にオーナーがほれ込んだ馬主のさくらコマースが、競走馬として社台ファームから事実上のリースをしていた)により種牡馬入りし、北海道安平町の社台スタリオンステーションに繋養される。
産駒の傾向としては、勝ち上がり率の高さや、2002年の高松宮記念優勝馬のショウナンカンプを筆頭に、短距離を得意とする産駒が多いことが挙げられる。短距離競走が充実している現在の中央競馬に傾向が合っており、毎年リーディングサイアーランクの上位に名を連ねている。しかしその一方で、2004年の中山大障害、中山グランドジャンプ優勝馬のブランディスのような長距離の障害競走で活躍する産駒も輩出している。
[編集] 代表産駒
- 1997年産
- ブランディス(中山大障害、中山グランドジャンプ)
- 1998年産
- ショウナンカンプ(高松宮記念、スワンステークス、阪急杯)
- ロードバクシン(兵庫チャンピオンシップ、兵庫三冠馬)
- 2000年産
- シーイズトウショウ(セントウルステークス、CBC賞(2003年、2006年)、函館スプリントステークス(2004年、2005年))
- エイシンツルギザン(ニュージーランドトロフィー)
- 2001年産
- タイセイブレーヴ(兵庫ジュニアグランプリ)
- 2003年産
- デンシャミチ(京王杯2歳ステークス)
- 2004年産
- ニシノチャーミー(函館2歳ステークス)
- アドマイヤホクト(ファルコンステークス)
[編集] 血統表
サクラバクシンオーの血統 (プリンスリーギフト系/Hyperion4×5=9.38%) | |||
父
サクラユタカオー 1982 栗毛 北海道静内町 |
*テスコボーイ Tesco Boy 1963 黒鹿毛 イギリス |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Suncourt | Hyperion | ||
Inquisition | |||
アンジェリカ 1970 黒鹿毛 北海道静内町 |
*ネヴァービート Never Beat |
Never Say Die | |
Bride Elect | |||
スターハイネス | *ユアハイネス Your Highness | ||
スターロツチ | |||
母
サクラハゴロモ 1984 鹿毛 北海道早来町 |
*ノーザンテースト Northern Taste 1971 栗毛 カナダ |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
*クリアアンバー Clear Amber 1967 黒鹿毛 アメリカ |
Ambiopoise | Ambiorix | |
Bull Poise | |||
One Clear Call | Gallant Man | ||
Europa F-No.4-m |
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