マイルチャンピオンシップ
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マイルチャンピオンシップ | |
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距離 | 芝・外1600m |
開催地 | 京都競馬場 |
グレード | GI |
条件 | 3歳以上(国際)(指定) |
1着賞金 | 10,000万円 |
負担重量 | 3歳56kg,4歳以上57kg,牝馬2kg減 |
創設 | 1984年11月18日 |
マイルチャンピオンシップは、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝1600mで施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。秋のマイラーチャンピオン決定戦として位置づけられているレース。タイトルにある「マイル」とは1マイルのことで、本来1マイルは1609mであるが、日本の競馬では概ね10m以下の端数数値を切り捨てて計算するためこのレースも1600mでの開催となっている。
正賞は日本馬主協会連合会長賞。
目次 |
[編集] 概要
1984年、中央競馬にグレード制が導入された際、短距離路線の番組体系が整備された。この時、1マイルのチャンピオン決定戦として、春は既設重賞の安田記念がグレードワンに指定され、秋は本競走がグレードワンとして新設された。これによりマイル戦線の春秋2冠体制が確立され、現在に至っている。
過去には最も荒れないグレードワン(創設から1994年までは1番人気の連対率は100%だった)と言われたが、1995年は16番人気のメイショウテゾロが2着に突っ込み、馬連は10万馬券の大波乱となった。2000年には13番人気のアグネスデジタルが優勝するなど、ここ最近は荒れるケースも多く見られ、かつての「荒れないレース」というイメージはかなり薄らいでいる。
1998年から外国馬の参戦が可能となり、2003年に初めて外国馬が参戦した。2004年から国際グレードワンレースに指定された。
現在の優勝レイの配色は、緑色の地に金色の文字となっている。
[編集] 主な前走
競走名 | 格付 | 団体 | 施行競馬場 | 施行距離 | |
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1 | スプリンターズステークス | GI | 中央 | 中山競馬場 | 芝1200m |
2 | 富士ステークス | GIII | 中央 | 東京競馬場 | 芝1600m |
3 | スワンステークス | GII | 中央 | 京都競馬場 | 芝1400m |
4 | 天皇賞(秋) | GI | 中央 | 東京競馬場 | 芝2000m |
[編集] 歴代優勝馬
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
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第1回 | 1984年11月18日 | ニホンピロウイナー | 牡4 | 1:35.3 | 河内洋 | 服部正利 | 小林百太郎 |
第2回 | 1985年11月17日 | ニホンピロウイナー | 牡5 | 1:35.3 | 河内洋 | 服部正利 | 小林百太郎 |
第3回 | 1986年11月16日 | タカラスチール | 牝4 | 1:35.3 | 田島保良 | 坂本栄三郎 | 村山義男 |
第4回 | 1987年11月22日 | ニッポーテイオー | 牡4 | 1:34.9 | 郷原洋行 | 久保田金造 | 山石祐一 |
第5回 | 1988年11月20日 | サッカーボーイ | 牡3 | 1:35.3 | 河内洋 | 小野幸治 | (有)社台レースホース |
第6回 | 1989年11月19日 | オグリキャップ | 牡4 | 1:34.6 | 南井克巳 | 瀬戸口勉 | 近藤俊典 |
第7回 | 1990年11月18日 | パッシングショット | 牝5 | 1:33.6 | 楠孝志 | 橋田満 | 森本忠治 |
第8回 | 1991年11月17日 | ダイタクヘリオス | 牡4 | 1:34.8 | 岸滋彦 | 梅田康雄 | 中村雅一 |
第9回 | 1992年11月22日 | ダイタクヘリオス | 牡5 | 1:33.3 | 岸滋彦 | 梅田康雄 | 中村雅一 |
第10回 | 1993年11月21日 | シンコウラブリイ | 牝4 | 1:35.7 | 岡部幸雄 | 藤沢和雄 | 安田修 |
第11回 | 1994年11月20日 | ノースフライト | 牝4 | 1:33.0 | 角田晃一 | 加藤敬二 | (有)大北牧場 |
第12回 | 1995年11月19日 | トロットサンダー | 牡6 | 1:33.7 | 横山典弘 | 相川勝敏 | 藤本照男 |
第13回 | 1996年11月17日 | ジェニュイン | 牡4 | 1:33.8 | 岡部幸雄 | 松山康久 | (有)社台レースホース |
第14回 | 1997年11月16日 | タイキシャトル | 牡3 | 1:33.3 | 横山典弘 | 藤沢和雄 | (有)大樹ファーム |
第15回 | 1998年11月22日 | タイキシャトル | 牡4 | 1:33.3 | 岡部幸雄 | 藤沢和雄 | (有)大樹ファーム |
第16回 | 1999年11月21日 | エアジハード | 牡4 | 1:32.8 | 蛯名正義 | 伊藤正徳 | (株)ラッキーフィールド |
第17回 | 2000年11月19日 | アグネスデジタル | 牡3 | 1:32.6 | 的場均 | 白井寿昭 | 渡辺孝男 |
第18回 | 2001年11月18日 | ゼンノエルシド | 牡4 | 1:33.2 | O.ペリエ | 藤沢和雄 | 大迫忍 |
第19回 | 2002年11月17日 | トウカイポイント | 騸6 | 1:32.8 | 蛯名正義 | 後藤由之 | 内村正則 |
第20回 | 2003年11月23日 | デュランダル | 牡4 | 1:33.3 | 池添謙一 | 坂口正大 | 吉田照哉 |
第21回 | 2004年11月21日 | デュランダル | 牡5 | 1:33.0 | 池添謙一 | 坂口正大 | 吉田照哉 |
第22回 | 2005年11月20日 | ハットトリック | 牡4 | 1:32.1 | O.ペリエ | 角居勝彦 | (有)キャロットファーム |
第23回 | 2006年11月19日 | ダイワメジャー | 牡5 | 1:32.7 | 安藤勝己 | 上原博之 | 大城敬三 |
[編集] マイルチャンピオンシップの記録
- レースレコード - 1:32.1(第22回優勝馬ハットトリック)
- 2着との最大着差 - 5馬身(第4回優勝馬ニッポーテイオー・第15回優勝馬タイキシャトル)
[編集] 天皇賞(秋)とマイルチャンピオンシップ
マイル戦を得意とする馬によってはマイルよりも短いスプリント路線よりも距離の長いレースのほうが適性がある馬も多い。そのような馬は天皇賞(秋)からマイルCSというローテーションをたどる馬も多い。しかし、中2週でG1レースを二つもこなすということは非常にハードなことであり、このような偉業を達成した馬はニッポーテイオーとダイワメジャーしかおらず、オグリキャップもこの偉業を達成することはできなかった。
[編集] 武豊とマイルチャンピオンシップ
武豊はこの競走未勝利である。他の未勝利GIにはヴィクトリアマイル、朝日杯フューチュリティステークスもあるが、ヴィクトリアマイルは2006年新設競走、朝日杯は「年によっては香港国際競走遠征」、「有力馬はクラシックを意識してラジオNIKKEI杯2歳ステークスへ」という事情が影響している。
しかし、マイルチャンピオンシップに関しては、バンブーメモリー、ファインモーション、アドマイヤマックス、ダンスインザムードといった有力馬にも恵まれ、地元関西開催ながら何故か勝てない。
[編集] 特記事項
- 関西で行われる重賞だが、西高東低時代にある中で関東馬の健闘が目立ち、関西のGⅠで唯一、関東馬が勝ち越しているレースである。1995年からは5年連続で関東馬が制している。また2006年には1着のダイワメジャーから6着まで関東馬が占めるなど関東馬にとっては数少ない有利なGIである(但しこの時の1着・2着・5着の馬に騎乗したのは関西所属の騎手)。
- 23回と比較的歴史の浅いレースではあるが連覇を果たした馬が過去に4頭いる。その4頭は以下のとおり。
※太字は国際グレードI(GI)競走、それ以外は国内グレードI(JpnI)競走
【クラシック】
桜花賞 | 皐月賞 | 優駿牝馬 | 東京優駿 | 菊花賞
【3歳馬限定】
NHKマイルカップ | 秋華賞
【古馬短距離・マイル】
高松宮記念 | ヴィクトリアマイル | 安田記念 | スプリンターズステークス | マイルチャンピオンシップ
【古馬中・長距離】
天皇賞(春) | 宝塚記念 | 天皇賞(秋) | エリザベス女王杯 | ジャパンカップ | 有馬記念
【ダート】
フェブラリーステークス | ジャパンカップダート
【2歳馬限定】
阪神ジュベナイルフィリーズ | 朝日杯フューチュリティステークス
【ジャンプレース】
中山グランドジャンプ | 中山大障害