トウキョウサンショウウオ
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?トウキョウサンショウウオ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Hynobius tokyoensis Tago, 1931 |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
トウキョウサンショウウオ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Tokyo salamander |
トウキョウサンショウウオ(東京山椒魚、Hynobius tokyoensis)は、両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属に分類される有尾類。
目次 |
[編集] 分布
日本(茨城県、神奈川県、群馬県、埼玉県、静岡県東部、東京都、栃木県、千葉県、福島県)固有種
愛知県に分布するとされていた個体群は、近年の研究ではカスミサンショウウオとされる。
[編集] 形態
全長7-13cm。胴体の左右側面にそれぞれ入る皺(肋条)は12本。尾は体長より短く、また四肢も小型で体を伸ばした状態では前肢と後肢は接しない。
いわゆる止水性のサンショウウオで幼体は3対の外鰓と眼下部にバランサーと呼ばれる器官を持つ。バランサーの用途は不明だが前肢が生えると消失する。
外見や生態から以前はカスミサンショウウオ(H. nebulosus)の亜種とされていたが、近年の研究ではトウホクサンショウウオ(H. lichenatus)に近縁であることが判明している。
[編集] 生態
標高300m以下の平野部から丘陵にある森林に生息する。夜行性で昼間は石や落ち葉の下に隠れて休む。天敵としては肉食性の鳥類や哺乳類、水生昆虫、アメリカザリガニ等が挙げられる。
繁殖形態は卵生で、1-4月に池沼や水田、水溜り、湿地、休耕田等にバナナ状の寒天質に包まれた20-100個の卵を産む。卵のうの先端は柄のようになりこの部分を水草や枝等に付着させる。
[編集] 生活環
卵は3-4週間で孵化し幼生になる。幼生は貪欲で小型の水生昆虫や甲殻類、ミミズ等を食べるが、しばしば共食いをする。
7-8月になると外鰓が吸収され、幼体になり陸上生活を送るようになる。寿命は10年以上あるとされる。
[編集] Status
VULNERABLE(IUCN Red List Ver.3.1(2001))
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
[編集] 人間との関係
標高の低い場所に生息し人間と生息環境が重なることから、土地開発による生息場所や産卵場所の減少により生息数は激減している。卵は止水にあるためか場所によってはたやすく発見できるが、それでも大規模な繁殖場所は少ない。
またアライグマやアメリカザリガニといった、人間に持ちこまれた外来種による食害も生息数の減少の一因になっている。
[編集] 関連項目
- サンショウウオ
- サンショウウオ属
- 両生類・爬虫類レッドリスト (環境省)
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