ジャミング
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ジャミング(Jamming、電波妨害とも)とは、混信もしくは電波障害を引き起こす電波、すなわち正規の電波通信に対してそれとは異なる同じ周波数または周波数帯の電波を発信して正規の通信を妨害する電波のこと、または自国民に視聴させたくない国際放送に妨害をかけることを指す。ラジオ放送が中心だが、テレビジョン放送でもあり得る。
軍事の分野においては、レーダーなどの無線通信設備が授受する電波を攪乱させ、正常な通信ができないようにすることを指す。この目的に適合するように作られた航空機を電子戦機と呼ぶ。
主な電波妨害として以下のものが挙げられる。
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[編集] 主なジャミング
[編集] 過去
- 古くは、第二次世界大戦(太平洋戦争)中、アメリカが日本(大日本帝国)向けアメリカの声放送(Voice of America)をアメリカ本土からの短波放送を実施していたが、これに対して日本当局は、これにジャミングをかけた。しかし、アメリカ軍がサイパン島を占領すると、中波放送を実施した。これは、当時、短波受信機(ラジオ)を所持すること自体が違法だった(1936年3月に「オールウェーブ受信機ノ取締ニ関スル件」が通達されたことによる)が、中波放送ならば、通常のラジオ受信機でも受信出来た為である。
- ※「オールウェーブ受信機ノ取締ニ関スル件」の通達は、終戦後の1945年10月、東京逓信局からNHK会長宛て「全、短波受信機ニ関スル件」が通達されたことによって、全ての短波受信施設の禁止措置が解除されるまで続く。
- 短波9690kHzには、日本向けRAE(アルゼンチン国営放送)が発信されていたが、台湾(中華民国)が同一周波数で大陸(中華人民共和国)向け中央広播電台を出し、大陸側がこれにジャミングをかけていたため、RAEの受信は非常に困難であった。
- 韓国のKBS第1ラジオソウル局(中波711kHzと短波6090kHz)には北朝鮮がジャミングをかけている(6090kHzは2007年1月に廃止)。