スパロー (ミサイル)
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スパロー(Sparrow)は、セミアクティブレーダー誘導方式の中型空対空ミサイル。アメリカ軍における制式名はAIM-7。アメリカ空軍や海軍、航空自衛隊など西側空軍で広く使用されている。バリエーションに艦対空ミサイルとして使用されるシースパロー(RIM-7)がある。現在ではAIM-120など新型の空対空ミサイルへの更新が進んでいる。
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[編集] 開発経緯

アメリカ海軍が1946年に開始したプロジェクト・ホット・ショットと呼ばれるドイツのジェット戦闘機及び特攻機対策の空対空兵器として開発が開始された。1948年にはAAM-N-2 スパローIとして計画がまとめられた。しかし当時の電子技術の限界から初期に生産された物は1951年の生産開始から1953年の実験までただ一度も目標に命中する事は無かった。1956年から実戦部隊に引き渡される様になったが、命中を期待出来るのは戦略爆撃機のような大型で足の遅い航空機のみであった。
ベトナム戦争においては、アメリカ軍の主力戦闘機F-4の主兵装として使用された。 しかし、熱帯における電子機器の信頼性が低下したこと。 米海軍が甲板でミサイルにフィンを取り付ける際に粗末な扱いをした為に部品を損傷させていたこと。 2~3回の飛行後に1度点検が必要だったのにも関わらず、20回以上の飛行をしていたのに1度も点検を実施していなかったこと。 攻撃対象が小型で機動性の高い戦闘機であったこと。 米海軍のF-4が味方のF-4を誤撃墜し、目視外戦闘を禁止されたことで、発射時の大半が最低射程距離以下だったことなどの問題により、命中率は非常に悪く、実質一割程度であった。
湾岸戦争においては、電子機器の発達やベトナムでの教訓もあって、高い命中率を誇り、イラク軍機を多数撃墜している。
[編集] シースパロー
シースパロー (RIM-7) は個艦防衛用の艦対空ミサイル。艦隊防衛用にはスタンダードミサイル等がある。空対空ミサイルであるスパローを元に開発されたもので、アメリカ海軍を始め海上自衛隊など複数の西側諸国で採用されているミサイルである。
亡国のイージスではイージス艦「いそかぜ」より発射されたハープーン撃墜のため、汎用護衛艦「うらかぜ」から発射したミサイルとして登場した。
初期の段階ではアスロック発射機を元にしたMk25 8連装発射機を使用していたが、後にそれよりも軽い専用のMk29 8連装発射機が開発され通常の水上艦を始め空母などにも装備された。Mk41やMk48などのVLSからも使用可能でVLSで使用する型は推力偏向ノズルが装備されている。
シースパローを大幅に改良した発展型シースパロー (ESSM:Evolved Sea Sparrow Missile)(RIM-162) も開発された。これは形状などに大幅な変更が加えられたもので、外見はスタンダードミサイルに類似して安定翼を細長くしている。ESSMはMk41VLSの1セルに付き4発搭載可能で、アメリカ海軍のアーレイバーク級はこれをファランクスの代わりに装備している。(現在は、ファランクスの代わりにRAMを装備している艦もある。)
- 射程:13km
- 高度:3km
- 速力:約マッハ3
- 全長:3,65m
- 翼幅:1,02m
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- レイセオン: 開発メーカーのページ
- GlobalSecurity.org: グローバルセキュリティの解説ページ
- YouTube: F-15Aがスパローの実弾で標的機を撃墜
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