ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
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ジャンル | 3DアクションRPG |
対応機種 | NINTENDO64 |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | 256Mbitカートリッジ |
発売日 | 2000年4月27日(日本) 2000年10月24日(北米) 2000年11月17日(欧州) |
売上本数 | 日本国内合計 約60万本 世界累計 約336万本 |
その他 | メモリー拡張パック専用 振動パック対応 |
『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(ゼルダのでんせつ ムジュラのかめん、The Legend of Zelda: Majora's Mask)は、2000年4月27日に任天堂によって発売されたNINTENDO64用アクションロールプレイングゲーム。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の数ヵ月後の話であり、システムも『時のオカリナ』のものを引き継いでいる。略称「ムジュラ」。
周辺機器「メモリー拡張パック」(※)をNINTENDO64本体に装着しないとプレイできないため、同機器を同梱したセットも発売された。
- (※ 本体ワークメモリを倍加するための追加メモリー。元は64DDの付属機器であったが、64DDの販売不振のため、必要なゲームソフトには別途同梱したり、単品発売もされた。最初は「ハイレゾパック」と呼称していた)
目次 |
[編集] ゲーム概要
主人公の能力が仮面をかぶることで変化することを利用し、月の落下するまでの三日間を何度も繰り返しながら謎を解くという内容の作品である。俗に "三日間システム" とも呼ばれるこのシステムは、謎解きを(ゲーム内での)三日以内に解いてセーブ=初日に戻る事を意味し、この三日間の繰り返しをうまく使った謎解きが用意されている。特異なシステムとオリエンタルで不気味な世界観が相まって受け付けない人もいた反面、完成度の高さからファンも多かった。またメモリー拡張パックが必要となるのは最後の夜の月が落下するムービーだが、だからといってそれ以外の部分がメモリー拡張パックなしでプレイできるわけではない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー (プロローグ)
激しい戦いを経てガノンの脅威からハイラルを救ったリンク。冒険の終わりで別れたかけがえのない友を探しに彼は旅に出た。
旅の途中、深い森の中でリンクは2匹の妖精を目にする。その時、こちらに気が付いた妖精が突然エポナを脅かした。乗っていたリンクは振り落とされ、リンクはそのまま気を失ってしまう。
リンクが気が付いた時、目の前で不思議な仮面をつけたスタルキッドが、ゼルダ姫から託された「時のオカリナ」を弄んでいた。取り返そうとするリンクだが、スタルキッドはエポナに飛び乗り逃げだす。リンクはすかさずエポナに飛びついてそれを阻止しようとするが、振り落とされてしまった。なおもスタルキッドの後を追いかけるリンクだったが、誤って巨大な穴に落ちてしまう。
運良く助かったものの、目の前にはあの2匹の妖精と不思議な仮面をつけたスタルキッドが。次の瞬間、リンクはスタルキッドの不思議な力でデクナッツの姿に変えられてしまった。スタルキッドを追ってリンクが迷い込んだ場所は、リンクが元いたハイラルではなく、タルミナという異世界だった。はたしてリンクは元の姿に戻り、無事にオカリナを取り戻して、元いた世界に戻ることが出来るのだろうか。
[編集] 主な武器・道具
- コキリの剣
- 最初から持っている剣。ハイラルに住むコキリ族に伝わるもの。
- フェザーソード
- コキリの剣を鍛冶屋で鍛えた剣。100回使うと刃こぼれしてコキリの剣に戻ってしまう。また、最初の朝に戻っても同様である。
- 金剛の剣
- フェザーソードとビン入りの砂金を鍛冶屋に預けると作ってもらえる。絶対に刃こぼれしない。もちろん、最初の朝に戻ってもそのまま。
- 勇者の盾
- 最初から持っている盾。
- ミラーシールド
- 光を反射する盾。時のオカリナでは星と月が描かれていたが、本作では不気味な顔となっている。
- 勇者の弓
- 各種の矢が撃てる聖なる弓。
- フックショット
- 木や的など刺さる場所をポイントして撃つとその位置まで引っ張ってくれる。
- バクダン
- 取り出すと数秒後に爆発する。足元において離れたり、遠くに投げつけて使う。特定の壁を壊すことができる。
- ボムチュウ
- ネズミを模した自走式の爆弾。一定時間後に爆発するが、走っている間に障害物に接触するとそこで爆発する。イカーナ地方に生息する同名のモンスターを元に作られた。
- 大バクダン
- 取り出すと数秒後に爆発する、ゴロン族専用のバクダン。バクダンでは壊せない巨大な岩、ひびの入った大きな床を壊すことが可能。扱うためにはゴロンの里の試験をクリアしなくてはならず、また非常に危険な商品の為1個しか持ち歩くことができない。
- 時のオカリナ
- かつてゼルダ姫にもらった思い出の品。曲を吹き様々な効果をもたらすことができる。
- まことのメガネ
- かけることで見えない敵や宝箱などが見えるようになる不思議な虫眼鏡。ただしかけている間は魔力を消費する。
- あきビン
- 様々なものを入れて持ち歩くことのできる入れ物。
- 大妖精の剣
- 条件を満たすと大妖精からもらえる、両手持ちの大剣。両手持ちのため防御ができなくなるが威力は金剛の剣を上回り、ダイナフォスを一撃で屠れるほど。
[編集] 仮面・お面
いずれも不思議な力を秘めており、冒険はこれらを駆使して謎を解いていく。「仮面」は別の姿に変身することができ、「お面」は変身こそしないが特殊な効果を発揮する、という違いがある。
- デクナッツの仮面
- プロローグで強引に変化させられたデクナッツの姿だが、オカリナを取り戻した後は自分の意志で変身できるようになる。
- 小柄な体を回転させて全方向に攻撃が可能。植物に近いため炎に弱いが、水の上を5歩だけ飛び跳ねたり、魔力を消費してシャボン玉を発射することができる。また地面の「デク花」に潜り込み、大ジャンプや降下を行える。楽器はラッパ。
- ゴロンの仮面
- ゴロンの英雄、ダルマーニ3世の魂をいやすことで手に入る仮面。
- ゴロンの巨体を生かしたパンチやプレスは超強力。炎に強く、溶岩の上を歩いてもダメージを受けない。ただし水には弱い。転がりダッシュはある程度のスピードがつくと、魔力を消費して全身からトゲが生え攻撃力が発生する。楽器はコンガ。
- ゾーラの仮面
- ゾーラ族の人気バンド「ダル・ブルー」のギタリスト、ミカウの魂をいやすことで手に入る仮面。
- 水中を自在に泳ぐことができ、その最中なら魔力を消費してバリアも張れる。水上では両腕のヒレを飛ばすブーメラン攻撃も可能。弱点は炎と氷。楽器はギター。
- ポストハット
- ポストマンがかぶっている帽子。クロックタウンに点在するポストの中身を覗く事ができる。
- 夜更かしのお面
- どれほど眠くても眠れなくなるお面。元々は拷問道具らしい。うっかり眠くなるほど長い話を最後まで聞くために必要。
- バクレツのお面
- 自爆できるようになるお面。体力が減るので使い所に注意。ただし盾を構えた状態で自爆すれば体力は減らない。一度自爆すると、一定時間経たないと再び使うことは出来ない。
- 石コロのお面
- 存在感が薄くなるお面。人間の見張りや特定の敵に気付かれずに行動することができる。
- 大妖精のお面
- 大妖精を模したお面。はぐれ妖精がいる部屋では髪が揺れて反応し、自由に動き回るはぐれ妖精を引き寄せることができる。
- キータンのお面
- 愛らしいキツネのお面。特定の場所の草を切ると、隠れているキータンを見つけることができる。
- ブレー面
- 鳥の顔を模したお面。かぶるとマーチを奏でられるようになり、動物と一緒に行進できる。
- ウサギずきん
- つぶらな瞳に長い耳の黄色いずきん。野生の力が湧き、足が速くなりジャンプの距離も伸び耳もよく聞こえるようになる。
- ゲーロのお面
- カエルの頭のお面。合唱団を率いるドン・ゲーロというカエルによく似ているらしい。
- ブーさんのお面
- 牙の生えたブタのお面。匂いを嗅ぎ分ける力が強くなり、不思議なキノコを探し出すことができるようになる。
- ロマーニのお面
- ウシのお面。ミルクバー・ラッテの会員証で、店内でも着用しないとマスターと話が出来ない。
- 座長のお面
- ゴーマン一座を率いるゴーマン座長のお面。かぶって会話すると彼についての話が聞けるほか、とあるイベントでは変わった効果も。常に涙を流している。
- カーフェイのお面
- 行方不明の青年、カーフェイのお面。かぶって会話すると、カーフェイの手がかりが聞き出せる。
- めおとのお面
- 婚礼を見届けた証となるお面。非常に多くのイベントをこなす必要があるため、手に入れるのに最も手間のかかるお面。人の心を和ませる力がある。
- まことのお面
- 真実を見抜くというお面。かぶると動物の心が読めるほか、同じ模様の刻まれた「ゴシップストーン」から情報を引き出せる。
- カマロのお面
- 舞踏家カマロの顔を模したお面。カマロが編み出した奇妙なダンスが踊れるようになる。
- ギブドのお面
- ミイラのモンスター、ギブドのお面。本物のギブドも仲間と間違えるほどに似ている。
- ガロのお面
- イカーナ渓谷に生きた忍者のお面。イカーナ渓谷の各所に隠れているガロをおびき出せる。
- 隊長のボウシ
- 巨大なガイコツ、スタル・キータの隊長の証。スタル・キータの部下達に命令を下せるようになる。
- 巨人の仮面
- かぶると巨大化する仮面。巨大化している間は常に魔力を消費する。通常の仮面とは違って常にかぶることは出来ず、ある場所でしか使えない。
- 鬼神の仮面
- かぶると鬼神リンクになる。外見は『時のオカリナ』の大人リンクが白い服を着たような姿。注目状態で剣を振ると魔法力を消費して自動追尾する光線が撃てる。この光線を連射するだけでラストボスさえ瞬殺できるという、ゲームバランスを崩壊させるほどの強さを持つ。そのためか、使えるのはボス部屋内に限られている。また入手のためには、鬼神の仮面を除く全てのお面を揃える必要がある。
[編集] メインキャラクター
タルミナの登場人物は、前作『時のオカリナ』のハイラルの登場人物にそっくりな人が多い。
- ゼルダ姫(Princess Zelda)
- 回想のみでの登場で、実際に出てくることはない。リンクに「時のオカリナ」を渡した人。
- スタルキッド(Skullkid)
- 森で迷った子供のなれの果てらしい。ムジュラの仮面をつけたせいで邪な力に操られている。月はムジュラの仮面の悪意であり、スタルキッドは仮面に利用された犠牲者である。
- チャット(Tatl)
- 今回ナビィに代わってリンクの冒険のお供をしてくれる黄色い妖精。少々気が強い女の子で、敵のデータを教えるときも「○○だよ!」ではなく「○○も知らないの?」のような口調で説明する。
- トレイル(Tael)
- チャットの弟で、紫色の気の弱い妖精。スタルキッドと行動を共にする。
- チンクル(Tingle)
- 自分を妖精の生まれ変わりだと信じてやまない35歳の男。緑色の全身タイツに赤いパンツという奇妙な風貌で地図を売っており、普段は赤い風船で空中に浮いている。沼地には彼の父親が住んでおり、彼の行動に頭を悩ませている。
- エポナ(Epona)
- リンクの愛馬。オープニングではぐれるが、ロマニー牧場で再会できる。今回は子馬だが乗ることができる。ダメージを受けることはないが、呪いは受ける。
- ムジュラの仮面(Majora's Mask)
- 邪悪な力を秘めた古代の仮面。この作品における全ての元凶である。
- お面屋(Happy Mask Salesman)
- ムジュラの仮面の元の持ち主。スタルキッドに襲われて仮面を奪われた。穏やかな物腰で笑顔を絶やさないが、時折豹変して悪魔のような顔になる。『時のオカリナ』に登場したお面屋と同一人物と思われ、タルミナの世界から出ることが出来る。なぜかいろいろなことを知っていて、とても怪しい。よく見ると、しょっている荷物にマリオのお面が含まれている。
- 四巨人(Four Guardians)
- 沼・山・海・谷に棲む4人の巨人。月の落下を阻止できる唯一の存在だが、4人とも封印されてしまっている。スタルキッドの友達。
[編集] ダンジョン紹介
タルミナの東西南北にあり、各ダンジョンのボスも仮面をかぶっている。倒すと亡骸としてその仮面が手に入るが、リンクがかぶることはできない(『時のオカリナ』でいう宝石やメダルのようなもの)。
- ウッドフォールの神殿(Woodfall Temple)(南)
- 水が毒におかされていたり、デク花ジャンプを多用することから、デクナッツリンクの出番が多くなる神殿。(ボス:密林仮面戦士 オドルワ)
- スノーヘッドの神殿(Snowhead Temple)(北)
- 異常寒冷の原因となっているだけあって、内部も氷に閉ざされている。ゴロンリンクや神殿内で手に入る炎の矢を有効に使う必要がある(ボス:仮面機械獣 ゴート)
- グレートベイの神殿(Great Bay Temple)(西)
- 半ば水没しているダンジョン。水路とパイプが縦横無尽に張り巡らされている。ゾーラリンクの出番が多い。(ボス:巨大仮面魚 グョーグ)
- ロックビルの神殿(Rock Vale Temple)(東)
- 光に反応する仕掛けが数多く、ミラーシールドや、神殿内で手に入る光の矢を駆使して進んでいくことになる。最後なだけに過去に登場したしかけも多数用意されている(ボス:大型仮面虫 ツインモルド)
[編集] オカリナのメロディ
オカリナで吹いたメロディはさまざまな効果をもたらし、それを活用して冒険を進めてゆく。Cボタン群とAボタンを組み合わせてメロディを奏でる。メロディはダンジョン突入用とそれ以外とに分けることができる。
[編集] 通常メロディ
種々の効果をもたらすメロディ。
- 時の歌
- 回想の中でゼルダから教わる。セーブして最初の朝に戻ることができるが、ルピーや爆弾などの消費アイテムはゼロになる。
- エポナの歌
- ロマニーから教わる。エポナを呼び出すことができる。
- いやしの歌
- お面屋から教わる。人の心を癒やすことができ、無念を残して死んだ人物を成仏させることも出来る。
- 大翼の歌
- 沼地にある石版を見て覚える。各地にあるフクロウ像の前にワープすることが出来る(ただし、事前に「証」をつけておく必要がある)。また、ダンジョンの入口に戻ることも出来る。
- 嵐の歌(Song of Storms)
- イカーナ地方の墓場で音楽家のフラットから教わる。雨を降らせることができ、邪悪な呪いを祓うことも可能。
- 録音案山子の歌
- 自分で自由に作ることができる。ある手順を踏んだのち、特定の場所で案山子を呼び寄せることができるようになる。作らなくてもクリアは可能。
[編集] ダンジョン用メロディ
ダンジョンに入るために必要なメロディ。東西南北で1曲ずつ教わることになるが、「誓いの号令」は最初のダンジョンをクリアした際巨人から教わる。
- 目覚めのソナタ
- デクナッツの城に捕らえられたサルから教わる。様々なものを目覚めさせる出来る。
- ゴロンのララバイ
- 雪山で氷付けになっている長老から「半分だけの子守唄」を教わり、それを息子に聞かせることで完成する。ゴロンたちを眠らせることが出来る。
- 潮騒のボサノバ
- グレートベイでタマゴをすべて孵化させると覚えられる。グレートベイの何処かに居る巨大な亀を呼び出す。
- 抜け殻のエレジー
- イカーナの古城でイカーナ王から教わる。自分の抜け殻を生み出す。通常のリンクとそれぞれの仮面の状態で作れるため、計4つ作れる。同じ状態のものを2つ作ると先に作ったものが消える。
- 誓いの号令 ウッドフォールの神殿クリア後、精神空間のような場所で巨人から教わる。最後の夜に四人の巨人を呼び覚ますためのメロディー。
[編集] 漫画
- 『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(姫川明・2001年)
- 小学館の学年雑誌に連載された漫画。お面屋が今回の騒動の元凶になっている点などが相違するが、ほぼ原作に忠実である。
- また、こちらの鬼神リンクはよく喋る(会話の相手はムジュラの仮面とお面屋だけだが)。
- 単行本最終巻にはムジュラという魔の仮面がどのように誕生したのか、といった作者オリジナルの外伝「ムジュラの仮面誕生秘話」が描かれている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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シリーズ作品 | ゼルダの伝説 - リンクの冒険 - 神々のトライフォース - 夢をみる島 - 時のオカリナ - ムジュラの仮面 - ふしぎの木の実 - 風のタクト - ゼルダコレクション - 神々&4つの剣 - 4つの剣+ - ふしぎのぼうし - トワイライトプリンセス - 夢幻の砂時計 |
派生作品 | チンクルのルッピーランド - チンクルのバルーンファイト |
キャラクター | リンク ‐ ゼルダ ‐ ガノンドロフ |