ゼルダの伝説 神々のトライフォース
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ジャンル | アクションアドベンチャーゲーム |
対応機種 | スーパーファミコン ゲームボーイアドバンス バーチャルコンソール |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | SFC:16Mbitロムカセット |
発売日 | SFC版 1991年11月21日 1992年4月13日 1992年11月24日 GBA版(4つの剣とのバンドル) 2002年12月2日 2003年3月14日 2003年3月28日 VC版(Wii) 2006年12月2日 2007年1月22日 |
価格 | SFC:7,700円 GBA:5,040円 VC: 900 WiiPoint |
売上本数 | 約116万本 約461万本 |
『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(ぜるだのでんせつ かみがみのとらいふぉーす、The Legend of Zelda: A Link to the Past)は、1991年11月21日に任天堂から発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトである。公式なジャンルはアクションアドベンチャーゲームだが、しばしばアクションロールプレイングゲームと見なされる事もある。
ゼルダの伝説シリーズの3作目。「神トラ」などと略称されることがある。欧米版のタイトルは『The Legend of Zelda: A Link to the Past』。2003年3月14日にはゲームボーイアドバンス用ゲーム『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』として再び発売された。また、Wiiのバーチャルコンソールでは、初期タイトルとして配信されている(価格は900Wiiポイント)。
目次 |
[編集] 概要
光と闇の二つの世界を行き来しながら、ハイラルを救うこと、そしてハイラル地方を我が物にしようとする司祭アグニムを倒し、捕らえられた娘たちなどを救うことがゲームの目的である。
CMにはスチャダラパーの曲を起用し、主人公ら登場人物に扮した人々が曲に合わせて踊り、話題となった。ちなみに主人公役は少年ではなく女性である。この時主人公役に最終選考まで残ったのがTOKIOの長瀬智也である。
雑誌「ファミ通」のクロスレビューにおいて当時の最高点であった39点を記録するなど、全体的な完成度は非常に高い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
ある嵐の夜、主人公(あなた)は不思議な助けを求める声で目を覚ました。その声に導かれるようにハイラル城へ向かうと一緒に住んでいるおじさんが倒れていた。主人公はおじさんに駆け寄ったが、おじさんは主人公に剣と盾を託し、力尽きてしまった。主人公が城の地下牢に進むと、一人の少女が助けを求めてきた。彼女こそ主人公に助けを求めたゼルダ姫だった。主人公はゼルダ姫を助け、城の近くの教会に逃げ込んだ。ゼルダ姫の話で、魔術師アグニムの暗躍によりハイラルが危機に瀕していることを知り主人公はアグニムを倒すため、冒険に出るのであった。
[編集] 他作品との関連
本作はパッケージに「リンクが活躍した頃よりも遥か昔」とある通り、時系列的にはディスクシステム用ソフト『ゼルダの伝説』より昔の物語である。また、のちに発売されるNINTENDO64用ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ』より後の物語であるとされている。本作で語られる「封印戦争」が『時のオカリナ』におけるガノンとの闘いのことを指していると見られる(但し、公式に明言されているわけではない)。さらに、ゲームボーイ用ソフト『ゼルダの伝説 夢をみる島』は本作の後日譚となっている(ストーリー上の繋がりはない)。
[編集] 主な登場人物
- 主人公
- 本作の主人公はパッケージや取扱説明書に名前が明記されておらず、取扱説明書の画面写真では「ニンテン」が使われている。しかし、彼の外見がリンクと酷似していた為、彼もリンクと呼ばれることが多かった。続編の夢をみる島の主人公と同一人物であり、こちらでも名前は明記されていない。ただし、CMや公式サイトなどでは便宜上リンクと呼ばれており、ゼルダの伝説シリーズ共通の世界観として事実上リンクとして扱われることが多い。
- 主人公のおじさん
- 主人公と一緒に住んでいる叔父さん。ある夜、ゼルダ姫を助けるために城に向かうが、地下道で力尽きてしまった。その際、駆けつけた主人公に剣と盾を託した。エンディングでは復活している。
- ゼルダ姫
- ハイラル王国の王女。七賢者の血を引いており、その力を利用しようとするアグニムによって、城の地下牢に幽閉されていた。
- 司祭アグニム
- 突如ハイラル王国にやってきた謎の司祭。その魔術で兵士たちを操って王を葬り去り、七賢者の子孫の娘たちを生贄にした。実はガノンの分身であり、娘たちを生贄にしたのは、闇の世界と光の世界を繋げる事が目的だった。
- サハスラーラ
- ハイラルの長老。元はカカリコ村に住んでいたが現在は村を出ている。王国に伝わる伝説に関して豊富な知識を持っており、様々な場面でリンクにアドバイスを送る。
- アジナー
- あやしの砂漠の洞窟にいる老人。ハイリア文字に関するヒントを伝える。
- 神父
- 教会でゼルダをかくまってくれる神父。教会に兵士が攻め込んだ際、主人公にゼルダ姫の居場所を話して力尽きる。エンディングでは復活している。
- ガノン
- 本作のラスボス。元々は盗賊だったが、偶然聖地に迷い込み、トライフォースの力を手にする。その欲望とトライフォースの力をもって、聖地を闇の世界に変えた。しかし、光の世界に帰る方法が分からなかったため、分身のアグニムを光の世界に送り込んで、二つの世界をつなげようとしていた。巨大な猪のような風貌をしている。
[編集] 地理・建物
[編集] 光の世界
- 主人公の家
- スタート地点。ベッドで回復はできないが、隣のつぼで回復できる。
- ハイラル城
- ゼルダ姫が捕虜になっている城。だがもともとはゼルダ姫はこの城の姫である。最初に突入する際は地下深くの牢屋を、マスターソードを入手した後は上層を目指すことになる。
- 教会
- ハイラル上の北に在る教会。ハイラル城と隠し通路で繋がっている。ゲーム序盤は神父がゼルダ姫をかくまってくれる。また、話しかけるとライフを満タンにしてくれる。
- カカリコ村
- ハイラル地方の村。ストーリー上何度か訪れることになる。序盤は、特定の村人に近づくと兵士を呼ばれるので注意。
- 東の神殿
- 勇気の紋章が眠っている神殿。最初に立ち向かうダンジョン。
- あやしの砂漠
- 砂漠の神殿がある砂漠。所々に生えているサボテンに触れるとダメージを受ける。
- 砂漠の神殿
- 力の紋章が眠っている。厄介な敵が登場している。
- ヘブラ山
- ヘラの塔がある山。ところどころ落盤には注意しなければならない。
- ヘラの塔
- 知恵の紋章が眠っている。塔なので上へ上へと目指していく。
- ハイリア湖
- 南東にある湖。中央にある島には幸せの泉がある。
- ゾーラの滝
- ここに限り、ゾーラが陸(といっても歩ける浅瀬だが)でも攻撃してくる。キングゾーラがあるアイテムを売っており、シナリオ上必要になる。近くには願いの滝が流れている。
- 迷いの森
- マスターソードが眠っている。靄がいっぱいだが、マスターソードを取れば靄は晴れる。盗賊やキノコなどがあり、所々にマスターソードの偽物が置かれている。
[編集] 闇の世界
- 闇の神殿
- 光の世界では東の神殿がある場所。神殿に着くまでがちょっとした迷路になっている。とある猿の協力が無ければ入れない。
- 水のほこら
- 光の世界では草原のほこらがある場所。光の世界とのつながりを上手く考えないと先に進めない。
- ドクロの森
- 光の世界では迷いの森がある場所。ダンジョンの出入口が大量にある。ダンジョン内でじっとしていると天井から手が降ってきて捕まえられ、入り口に強制的に戻されてしまう。
- はぐれ者の村
- 光の世界ではカカリコ村がある場所。村の中央の像から中に入る。道中、牢屋に女の子がいるが…。
- 氷の塔
- 光の世界では幸せの泉がある場所。塔と言っても地下に進んでいく。滑る床に注意。
- 悪魔の沼
- 光の世界ではあやしの砂漠がある場所。常に雨が降っている沼地。周囲を崖に囲まれており、あるアイテムが無いと訪れることが出来ないので注意。
- デスマウンテン
- 光の世界ではへブラ山がある場所。へブラ山と違い外から登山出来ない。
- カメ岩
- デスマウンテンの東方にある亀の形のダンジョン。
- ガノンの塔
- 光の世界ではヘラの塔がある場所。7つのダンジョンをクリアしていないと、バリアを破れず入ることが出来ない。レベル8の塔で、過去のあらゆる仕掛けが登場しており難易度は最大。部屋の数も多い。
- ピラミッド
- 闇の世界のスタート地点であり、最終到達地点。ピラミッド内には不思議の泉がある。
- 4つの剣の神殿
- GBA版のみの設定。ピラミッドにあるが「4つの剣」もクリアしないと入ることができない。
[編集] アイテム
- マスターソード
- 迷いの森の奥に封印されている退魔の剣。
- 紋章(知恵・勇気・力)
- マスターソードの封印を解くために必要な紋章。ペンダントのかたちをしている。光の世界のダンジョンにある。
- クリスタル
- 賢者の血を引く娘達が封印されているクリスタル。闇の世界のダンジョンにある。
- パワーグラブ・パワフルグラブ
- 重い石を持ちあげることができるようになるグラブ。パワフルグラブのほうが強力。
- ゾーラの水かき
- 水深の深いところを泳げるようになる。GBA版では短時間水に潜ることも可能。
- ペガサスの靴
- ダッシュできるようになる。
- ムーンパール
- これを持っていると、闇の世界でも姿が変わらなくなる。
- 弓矢・銀の弓矢
- 直線上の敵を攻撃できる。当然ながら矢が無いと使えない。銀の弓矢は最終ボスを倒すために必要になる。
- ブーメラン
- 遠くのアイテムを回収したり、敵の動きを止めたり…と、用途の広いアイテム。
- フックショット
- フックを放って敵を攻撃する他、フックを石像等に引っ掛ける事で、離れた場所(川の対岸など)へ移動することもできる。
- 爆弾
- 壁や床を爆破する。置くだけでなく、持ち運んだり投げたりできる。
- きのこ
- 迷いの森に生えているきのこ。
- 魔法の粉
- きのこを基に作られる粉。敵に使用すると様々な効果が現れる。
- ファイアロッド・アイスロッド
- 使うと火の玉・氷の塊を飛ばせる。ちなみに、ファイアロッドは燭台に火を灯すことができる。離れた燭台に火を付けるのに必要となる。
- 魔法のメダル
- 炎の渦を巻き起こす「ボンバー」、冷気で攻撃する「エーテル」、剣を地面に突き刺し振動で攻撃する「シェイク」の3種類がある。ボンバー以外の2つはクリアに必須となる。
- マジックハンマー
- 邪魔な杭を叩いたり、剣を跳ね返すほど固い敵を倒す事ができる。なお、アイテム取得時のコメントでは「M・C・ハンマー」と呼ばれる。
- シャベル
- 地面を掘る。SFC版では期間限定の入手だが、GBA版では最後まで持ち続けることが出来る。
- オカリナ
- とあるイベント終了後に使うと、ワープする事ができる。闇の世界では使えないが、イベントで一度だけワープすることがある。
- カンテラ
- ランプ。暗いところでの明かりになる他、目の前の燭台に火を灯す時にも使う。
- 虫取りアミ
- 蜂や妖精を捕まえる事ができる網。とあるボス戦では意外な使い方ができる。
- ムドラの書
- ハイリア語で書かれた文書を解読するのに必要。
- ビン
- 蜂や妖精、薬を入れることができるビン。全部で4つ存在する。
- バイラの杖
- 主人公の周りを回転する光のバリアをはる事ができる杖。バリアを張っている最中は無敵だが、魔法力を消費し続ける。
- ソマリアの杖
- 一振りすると赤いブロックを生じる。もう一振りするとブロックが上下左右に弾となって飛散する。また、特定の場所で使うと足場を作ることが出来る。
- マジックマント
- 姿を消す事ができるマント。姿を消している間は常に魔法力を消費する。
- マジカルミラー
- 闇の世界から光の世界に戻る事ができる鏡。また、ダンジョンで使うと入り口まで戻る事ができる。
- ハート
- 体力をハートひとつぶん回復できる。
- ハチ
- ビンにいれて持ち運べる。取り出すと一定時間,モンスターを攻撃する。
- 黄金のハチ
- 飛行の際に輝く軌跡を残すハチ。ビンに入れて持ち運べる。普通のハチより強力なほか、ある人物に売ることが出来る。
[編集] ボスモンスター
- デグアモス
- 東の神殿のボス。騎士を模した石像で、6体で登場する。残り1体になると攻撃パターンが変化する。ガノンの塔でも中ボスとして登場する。
- ラネモーラ
- 砂漠の神殿のボス。巨大なイモムシの姿をしており、3匹で登場する。頭が弱点。ガノンの塔でも中ボスとして登場する。
- デグテール
- ヘラの塔のボス。ザコモンスターのテールの大将的な存在。このボスの場合、戦場が狭いうえ弱点以外の部位に攻撃すると弾かれて大きく吹き飛ぶため、ダメージを受けて死ぬよりも下の階に落とされることが多い。尻尾が弱点。ガノンの塔でも中ボスとして登場する。
- ジークロック
- ヤミの神殿のボス。ザコモンスターヒップループの巨大版。仮面を着けた魔物で、口から吐く炎と伸縮自在の尻尾で攻撃する。弱点は額だが、仮面を破壊しない限りダメージは与えられない。
- ワート
- 水のほこらのボス。全身に岩を纏った一つ目の巨大クラゲ。最初は部屋をふわふわと漂い、時折岩を回転させて攻撃する。岩を全て剥がさない限りダメージは与えられない。岩がなくなると、ジャンプした後落下、部屋中を高速で泳ぎまわる。
- ガモース
- ドクロの森のボス。巨大な蛾の魔物で、ベルトコンベア状の床の上で戦う。本体は三方向へのビームで攻撃し、周囲からはトゲトラップが縦横無尽に襲い掛かってくる。
- ブラインド
- はぐれ者の村のボス。光の世界で盗賊だった男が魔物と化した。体形は多少人間に近く、Tシャツ(?)を着ている。ある程度ダメージを与えると首が取れ、新しい首が生える。取れた首は回転しながらビームを放ってくる。
- シュアイズ
- 氷の塔のボス。綿のような身体を持つ一つ目の魔物で、3匹で登場する。最初は氷の中に封印されているため、あるアイテムで解放する必要がある。
- ゲルドーガ
- 悪魔の沼のボス。ゲル状の身体に大量の目玉を持っている。最初は小さな目玉で攻撃し、本体である巨大な目玉は稲妻を放つ。小さな目玉が全て倒されると本体が襲い掛かってくる。
- デグロック
- カメイワのボス。3つの首をもった亀の姿の怪物で、赤い首は炎、青い首は氷を吐いて攻撃し、本体は時折首を伸ばして攻撃してくる。炎は時間が経てば消えるが、氷は床を凍らせて滑りやすくしてしまう。赤と青の首を倒すと本体がヘビのように変形し体当たりしてくる。
- アグニム
- ハイラル城及びガノンの塔のボス。ガノンの分身で邪悪な司祭。部屋の中を移動し、3種類の魔法で攻撃してくる。アグニムを直接攻撃してもダメージは与えられず、ある特殊な方法で攻撃しなければならない。ガノンの塔では2体の偽者と共に襲い掛かってくる。
[編集] 漫画
- 『ゼルダの伝説』(作画:石ノ森章太郎)
- NINTENDO POWER 掲載。1993年3月小学館が邦訳出版。単巻。
- 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(作画:かぢばあたる)
- 月刊Gファンタジー(エニックス)連載。 全3巻。『ゼルダの伝説 夢をみる島』の漫画版の方が連載が先で、『トライフォース』はシリーズ第2弾である。
- 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(作画:姫川明)
- 2004年度学年誌増刊 Nintendo ゲームコミックスペシャル(小学館)掲載。単巻。2005年7月発行。
- 長年コミカライズを手がけた氏による読み切り作品。オリジナルキャラが登場するものの、相変わらず原作に忠実であり、洗練されたテーマ展開が評価されている。
- 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(作画:田中順子)
- 宝島社。単巻。1993年11月発行。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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シリーズ作品 | ゼルダの伝説 - リンクの冒険 - 神々のトライフォース - 夢をみる島 - 時のオカリナ - ムジュラの仮面 - ふしぎの木の実 - 風のタクト - ゼルダコレクション - 神々&4つの剣 - 4つの剣+ - ふしぎのぼうし - トワイライトプリンセス - 夢幻の砂時計 |
派生作品 | チンクルのルッピーランド - チンクルのバルーンファイト |
キャラクター | リンク ‐ ゼルダ ‐ ガノンドロフ |