バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン
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バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン(Batman:The Dark Knight Strikes Again)はフランク・ミラー原作・作画、リン・ヴァリーのカラーリングによる3巻のアメリカンコミックである。2001年11月から2002年6月にわたり、DCコミックのミニシリーズとして出版され、後にグラフィックノベルとして一冊にまとめられた。『バットマン:ダークナイト・リターンズ』から15年の月日を隔てて出版された正式な続編。
[編集] 概要
平和と繁栄の絶頂期にあったアメリカは実は密かに犯罪者によって影で支配されていた。そんな政府に対し、地下に潜入していたバットマンと仲間のスーパーヒーローたちはテロを開始する。
ヒーローVS悪役、という前作よりオーソドックスなプロットを取りながら、各所に現代社会への皮肉が込められている(一部、9-11の影響も見られる)。さらにバットマンが、エゴイストだが、社会に惑わされない人物として描かれているのに対し、スーパーマンは、自信過剰な理想主義者として描かれている。スーパーマンとワンダーウーマンの一人娘、ララも本作から登場。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
1.バットマンとスーパーマンとの対決から3年、アメリカ合衆国はリカルド大統領の下で警察国家としてかつて無い繁栄を誇っていた。そんな中、研究所に幽閉されていたかつてのスーパーヒーロー、アトムことレイ・パーマーがバットマンの片腕、キャットガールによって救出される。バットマンの強引なやり方に強く反発するスーパーマン。その直後TVのニュースによって大統領のメッセージ映像がモザイク化した事件が報道される。大統領はレックス・ルーサーが作り上げたCGIだったのだ。さらに、キャットガール率いるバットボーイズによって、発電所からフラッシュことバリー・アレンも救出される。ルーサーはワンダーウーマン、キャプテン・マーベルと合流していたスーパーマンにバットマンたちの捕縛を命じる。ルーサーは電子生命体ブレイニアックと共に、縮小化されたスーパーマンの故郷の一都市、キャンダーを人質にとっていたのだ。すぐさま、バットケイブに向かうスーパーマン。しかし、バットマンの警備は万全だった。フラッシュ、グリーン・アロー、アトムがスーパーマンをダウンさせ、さらにバットマンは彼を散々叩きのめしてバットケイブから追い出すのだった。
2.スーパーヒーローのテロ行為によってスーパーチックスなどのヒーローを支持する集団が出現する。ヒーローを支持するか、しないかの問題は既に社会現象になっていた。バットマンはキャリーと共にルーサーを襲撃し、揺さぶりをかける。同じ頃、バットマンに追い出され、絶望の淵にあったスーパーマンはワンダーウーマンによって力を取り戻す。そんな2人にルーサーからスーパーマンの住む都市、メトロポリスが宇宙人の侵略を受けているとの情報が入る。バットマンはそんなメトロポリスを尻目にエロンゲイテッド・マンを呼び戻し、アーカム・アサイラムからプラスチック・マンを救出する。宇宙人と一人戦っていたスーパーマンは宇宙人の正体がブレイニアックである事を見抜いたが、ブレイニアックからキャンダーのことで脅迫されると、スーパーマンは戦いを放棄してしまう。その頃、ジョーカーを名乗る者によってヒーローが殺害される事件が起こる。クエスチョンが再起を呼びかけたマーシャン・マンハンターも偽ジョーカーによって殺害される。メトロポリスではブレイニアックの思惑通りスーパーマンが痛めつけられていたが、スーパーマンの娘、ラーラによってブレイニアックは撃退された。ヒーローを支持する集団の決起を恐れたルーサーたちは警官隊によってスーパーチックスに弾圧を加えようとするが、バットマンたちによって追い返され、逆にバットマンは市民に団結を呼びかけるのだった。
3. ルーサーの軍勢と戦うバットマンたち。それを外宇宙で見ていた一人の元ヒーローも助力に向かう決意を固めた。姿を変え異星人と家庭を持っていたグリーンランタン、ハル・ジョーダンである。一方、マーベルがその身を犠牲にしたにも関わらず、メトロポリスはルーサーの手で壊滅した。失意のスーパーマンの前に幻影のバットマンが現れた。アトムが彼の脳内に埋め込んだ装置によるものだ。バットマンは自分の命令を聞けと、戦えと、隷属するなとスーパーマンを叱咤する。キャットガールはある予知能力を持つ少女をスカウトしようとしたが、最悪の幻視を聞かされる。二週間前、跡形もなく焼き払ったはずの偽ジョーカーが再び現れるというのだ。ヒーローとルーサー軍の全面戦争が起こる。ラーラとアトムはキャンダーの奪還を成し遂げ、スーパーマンは人の乗る戦闘機をためらいも無く撃墜する。バットマンはルーサーに囚われ拷問されていたが、到着したグリーンランタンにより、地球の全てはヒーロー達の手に戻された。ルーサーは父であるホークマンを殺された恨みに燃える鳥人によって遂に死んだ。全てが終わったかに見えたその時、キャットガールが偽ジョーカーに襲われる。偽ジョーカーの正体は初代ロビン、ディック・グレイソンだった。ブルースに首にされた腹いせに、不死身の肉体を手に入れ帰って来たのだ。基地自体を崩壊させ、ディックを消し去るバットマン。圧政者のいなくなった世界をどうするのか?思案するスーパーマン、激論を交わすグリーンアローとクエスチョン、映像の後ろにピースサインで移りこむフラッシュ。そしてバットマン、キャットガール、重傷の二人は楽しげに言葉を交し合っていた。
[編集] 登場人物
- バットマン(ブルース・ウェイン) Batman
- スーパーマン(クラーク・ケント)Superman
- レックス・ルーサー Lex Luthor
- ブレイニアック Brainiac (comics)
- キャットガール(キャリー・ケリー) Carrie Kelley
- フラッシュ(バリー・アレン) Flash (comics)
- アトム(レイ・パーマー) Ray Palmer (comics)
- グリーン・アロー(オリバー・クイーン) Green Arrow
- ワンダーウーマン(ダイアナ) Wonder Woman
- キャプテン・マーベル(ビリー・バットソン) Captain Marvel (DC Comics)
- エロンゲイテッド・マン(ラルフ・ディブニー) Elongated Man
- プラスチックマン(イール・オブライエン) Plastic Man
- クエスチョン(ビック・セージ) Question (comics)
- マーシャン・マンハンター(ジョン・ジョーンズ) Martian Manhunter
- ララ
- 偽ジョーカー
- グリーンランタン(ハル・ジョーダン) Hal Jordan
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