ペンギン (バットマン)
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ペンギン(Penguin)は、アメリカンコミック『バットマン』に登場する悪役の一人。
本名はオズワルド・チェスターフィールド・コブルポット(Oswald ChesterfieldCobblepot)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] キャラクター
[編集] 原作コミック
- 1941年初登場。丸い体躯に、シルクハット・単眼眼鏡・タキシード・銃を仕込んだコウモリ傘がトレードマーク。
- 父親が肺炎で死亡し、母親はその原因が雨に当たったせいであるとして、幼いオズワルドにいつも傘を持たせるようになった。また生まれつきの尖った鼻、小さい身体から、同級生に苛められ、友達と呼べるのは母親が経営していた鳥類専門ペットショップの鳥たちだけだった。そのペットショップがいじめっ子達に荒らされ、動物が死んだことが、彼を犯罪の道に走らせた。彼のペンギンという名はこの頃からのあだ名である。
- 鳥をモチーフにした犯罪に手を染めるようになり、暗黒街のボスの一人となった。現在、表向きは「アイスバーグ・ラウンジ」という高級レストランを経営するビジネスマン。裏で違法な取り引きも手がけ、またこのラウンジには様々な悪党もやってくるため、バットマンは情報源として彼を利用するという微妙な関係を築いている。
- ゴッサム・シティが地震により、孤島かつ無法地帯と化した「No Man's Land」の時期は、スーパーマンの宿敵であるルーサーと手を組み、闇市場の売買を取り仕切っていた。
- 狂気に走った敵役の多いバットマンの作中で、珍しく正気な悪党である。
- コミック自体がユーモラスであった時期は、怪盗紳士として活躍。ハゲタカに乗ったり、鳥を操ったりしてバットマンを翻弄した。傘は様々な武器として活用していた。特に1960年の実写TVシリーズでは、『ロッキー』シリーズでトレーナーを演じたバージェス・メレディスのコミカルな演技が好評だった。そっくりな善人の叔母さんがいたりした時期がある。
[編集] 映画『バットマン・リターンズ』
- 名家コブルポット家の長男として誕生。だが、その凶暴さから、また、尖った鼻・中指と薬指と小指の繋がっている手という外見から、呪われた者かの様にとられ、生まれてから数日後のクリスマスに、実の両親によって揺り篭ごと下水道に流された。閉鎖された動物園で、置き去りにされたペンギン達に育てられ成長。その後、奇形サーカスに入団したりして仲間を増やし、地下下水道を通じて犯罪を繰り返していく。
- 自分のアイデンティティを求めて地上に出て、名士マックス・シュレックと共謀、市長選にうって出る。だが、愛されたことのない性格は捻じ曲がっており、自らの発言が元でバットマンに失脚させられる。自分を簡単に見捨てたシュレック・愛され育つ全ての子供・バットマンに対する復讐を誓うが、全ては失敗に終わり、最期は、ペンギン達に見取られて池の中に静かに沈んでいった。
- 監督ティム・バートンの異形への愛が炸裂したキャラクター。見た目もフリークであり、真っ白な皮膚に、尖った鼻、ひれのような手、口から染み出す黒い液と、出自も含めて凄まじいキャラクター造形である。自身も短躯のダニー・デヴィートが好演した。
[編集] アニメ『バットマン』シリーズ
- 回帰したようなユーモラスな怪盗紳士として登場。映画『リターンズ』の公開時期と重なっていたこともあってか、デザインはほぼ映画と同一である。アニメのコミックでは市長選に立候補もしている。女性に入れあげるなど意外に純情。
- 途中のデザイン変更後は原作コミックのタキシード姿で、手の奇形も無くなった。「アイスバーグ・ラウンジ」を経営するフィクサーとして描かれた。
- 日本語吹き替えは富田耕生が演じた。
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