バットマン・ザ・フューチャー
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『バットマン・ザ・フューチャー』(Batman Beyond)は1999年から2001年にかけてアメリカで製作された、バットマンの派生作品であるテレビアニメシリーズ。タイトルの英表記は『Batman of the Future』で、本国アメリカ以外ではこのタイトルが使われている。
日本ではカートゥーンネットワークにて吹き替え版が放映された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
好評を博したアニメ版バットマンを受けて製作されたシリーズである。前作の30年後の未来世界を舞台としており、進歩した科学技術によって空を飛び回る新生バットマン、および新たな敵との戦いが魅力である。前作同様に、人間描写に踏み込んだエピソードも散見される。
本シリーズは52話製作後、一時休止とされ、同製作スタッフによる『ジャスティス・リーグ』などのDCコミック社によるヒーローものアニメが放映された。中でも、『Justice League Unlimited』、本作のキャラクターを主人公に据えたスピンオフ作品『The Zeta Project』、及び『Static Shock』には、本作のバットマン=テリーなどがゲスト出演しており、『Justice League Unlimited』においては、本作のキャラクターの重要な秘密が明かされた。その話をもって、本作は完結したものと見られている。
アニメの設定を基にしたコミックが24話、それとミニシリーズも6話出版されたが、残念ながら邦訳はなされていない。
日本においては前作『バットマン』を受ける形で上記のようにカートゥーンネットワークにて放映された。旧バットマンは前作と同じ声優が原語・吹き替え共に演じている。
[編集] キャラクター
[編集] バットマンサイド
- テリー・マクギニス/バットマン(Terry McGinnis/Batman)(声:川島得愛)
- ブルース・ウェイン(Bruce Wayne)(声:玄田哲章)
- かつてのバットマン。偏屈な老富豪として知られている。自らの体力の限界を感じての引退後は、愛犬エース(Ace)と共に隠棲していた。杖を付き足を引きずっている。常にモニター越しにテリーに指示やアドバイスを行う。
- バーバラ・ゴードン(Barbara Gordon)
- ゴッサム・シティの市警本部長。前作での市警本部長の娘で、かつてのバットガール。
- デーナ・タン(Dana Tan)(声:三浦智子)
- テリーの恋人。テリーがバットマンであることは知らない。
- マックス・ギブソン(Max Gibson)
- テリーの同級生。ピンクの毛の女の子。バットマンの正体を知り、コンピュータを用いてバットマンの協力者となる。
- チェルシー・カニンガム(Chelsea Cunningham)
- デーナの親友のちょっと軽い女の子。
- ネルソン・ナッシュ(Nelson Nash)
- テリーの同級生の乱暴者。典型的な体育会系。
- カイリ・タナガ(Kairi Tanaga)
- 女拳法家でブルースの知人。犯罪に手を染めた弟子ザンダーと対峙する。
[編集] ジャスティス・リーグ・アンリミテッド
英名、Justice League Unlimited。この時代のヒーローチーム。
DCコミックの他のヒーロー達をモデルに創造された。ミクロンはキャプテン・アトムをモチーフに、アクアガールやバーダはコミックの同名キャラクターらから。彼らはアニメ版『ジャスティス・リーグ』にも時間移動の結果登場している。
詳しくは、ジャスティス・リーグを参照。
- スーパーマン
- 少々白髪が見える。
- 詳しくは、スーパーマンを参照。
- アクアガール(Aquagirl)
- 海底人アトランティスの一族アクアマンの子孫。
- ミクロン(Micron)
- 身体のサイズを変化させられる。
- バーダ(Barda)
- アマゾネス族の女戦士。
- ウォーホーク(Warhawk)
- ホークマンを尊敬する鋼鉄の鳥人戦士
- カリ・ロ(Kai-ro)
- グリーンランタン(Green Lantern)の力を受け継いだ少年
[編集] 敵
- レイシュ・アル・グール(Ra's al Ghul)
- かつてのバットマンの宿敵。不死身の怪人として知られるが…。
- タリア(Talia)
- レイシュの娘。ブルースと恋愛関係にあったこともある。当時のままの若さで登場した。
- ミスター・フリーズ/ビクター・フリーズ(Mr.Freeze/Victor Frize)(声:池田勝)
- 前作に登場したバットマンの宿敵の一人。超低温下でしか生きられないうえ、身体は壊死し、頭部のみで生きながらえていた。肉体のクローンに記憶を移すという方法で、元の善人として蘇るが・・・。
- ベイン(Bane)
- かつてのバットマンの敵の一人。高校に出回った違法筋力増強剤"スラッパー"の販売元と目されたが、本人は既に廃人と化していた。
- デレク・パワーズ/ブライト(Derek Powers/Blight)(声:沢木郁也)
- ゴッサム一の巨大企業、ウェイン・パワーズ・エンタープライズ社のトップ。この会社はブルースの所有していたものを合併買収したものである。兵器の開発、密売などを手がけており、その秘密を知ったテリーの父を間接的に殺害している。
- 細胞を急速に壊死させるガスを浴びてしまい、その治療の副作用で、身体が発光し、骨格の透けた放射能怪人ブライトと化し、普段は人工皮膚をまとって正体を隠し行動していた。シーズン1最大の敵。
- 元ネタはバットマンのコミックに登場する悪役、ドクター・フォスフォラス(Dr.Phosphorus)。
- パクストン・パワーズ(Paxton Powers)
- デレク・パワーズの息子。父親を消し会社の実権を握ろうとする。またブルースの会社への介入阻止のため暗躍する。
- リーペラー/スズキ博士(The Repeller/Dr. Suzuki)
- 誰も触れられない特殊スーツを着込んだ、元ウェインパワーズ社の科学者。
- インク/ミズ・クレイ(Inque/Ms.Clay)
- 身体を液状化出来る女性悪役。本名も不明で、捕まえることも困難な強敵。
- ウィリー・ワット(Willie Watt)(声:阪口周平)
- テリーの同級生でいじめられっ子。事故で強い電流を受け電気機器を操る能力を身に付け、作業用ロボットゴーレムを操り、復讐しようとする。刑務所に収容されるが再び登場。
- スペルバインダー/アイラ・ビリングス(Spellbinder/Ira Billings)(声:藤原啓治)
- 渦巻き模様のタイツに身を包み、手に持つ巨大な眼球状の装置で催眠術を用いる。正体はハミルトン・ヒル高校のカウンセラー。
- バットマンのコミックに登場する同名キャラクター(数名存在)をモチーフにしたキャラクター。
- シュリーク/ウォルター・シュリーブ(Shriek/Walter Shreeve)
- 音響技士が音波を武器とする装甲服に身を包んだ姿。パワーズの命でブルースを狙った。
- 同名のコミックキャラクターとは関連が無い。
- キュラレ(Curare)
- 青い肌の女暗殺者。依頼を受けバーバラらを狙う。
- ストーカー(Stalker)
- 元凄腕のハンターだったが、事故により半身不随に。サイボーグとして復活した後、狩りのスリルを求め、バットマンを標的とする。
- アースムーバー/トニー・メイチェック(Tony Maycheck/Earth Mover)
- 鉱山で働いていたトニーが事故で化学薬品により、地面と融合した泥人間。娘ジャッキーへの愛情だけで活動する。
- ドクター・キュビエ(Dr. Cuvier)
- 人間を獣人化させる研究をしている危険な科学者。自らを獣人化してバットマンと戦う。
- ロバート・バンス博士(Dr.Robert Vance)
- かつてソフトウェア会社の社長であった天才科学者。人格をデータ化して、死後、孫の身体での復活を目論んでいた。
- マッド・スタン(Mad Stan)
- 爆弾魔。やたらに気が短くなんでもかんでも吹き飛ばそうとする。ちょくちょく出てくる脇役。
- ゼータ(Zeta)
- テロリスト殲滅用ロボット。自在に姿を変えることが出来るが、良心を持ち、逃亡を図る。
- 本作のスピンオフ作品『The Zeta Project』の主人公。
- アーモリー/ジム・テート(Armory/Jim Tate)
- リストラされ、家族を養うため犯罪に走ったエンジニア。
- イアン・ピーク(Ian Peek)
- ジャーナリスト。自分の身体を透化させる装置でバットマンの正体を暴こうとする。
- ママ・メイヘム(Ma Mayhem)
- 夫が浮気して逃げたことから泥棒となってしまった母親。息子は気弱なスタンとカール(Stan&Carl)。
- ペイバック/ケニー・スタントン(Payback/Kenny Stanton)
- 非行少年カウンセラーである父親に省みられないことを不満に思い、コスチュームに身を包み、自警団になろうとした男。
- サイモン・ハーパー(Simon Harper)
- ゲームのプレイヤーとなった少年達をプログラムに介入して自分の配下にしようとした男。
- ビッグタイム/チャーリー・ビグロウ(Big Time/Charlie Bigelow)
- 昔テリーが不良だった頃の仲間。刑務所帰りでテリーに仕事を世話してもらうが、そこで薬の横流しに手を染める。自らもそれを使い怪物化する。
[編集] ジョーカーズ(The Jokerz)
かつての大悪党ジョーカーに憧れる若者達によるギャング団。全員が道化師のメイクをしている。ちょくちょく登場しては叩きのめされている。
[編集] ロイヤルフラッシュギャング(Royal Flush Gang)
かつてブルースとも戦ったという五人組の窃盗団。家族で構成されており、トランプの絵柄をモチーフとした衣装を纏っている。バットマンの復活を聞きつけゴッサムに舞い戻った。トランプ上の飛行ユニットに乗って移動する。
- キング(King)(声:中博史)
- ロイヤルフラッシュギャングの父親
- クイーン(Queen)
- ロイヤルフラッシュギャングの母親
- ジャック(Jack)
- ロイヤルフラッシュギャングの息子
- エース(Ace)
- ロボット。
- メラニー・ウォーカー/テン(Melenie Walker/Ten)(声:片桐真衣)
- ロイヤルフラッシュギャングの娘。テリーと恋に落ち、更正を考えるが、結局バットマンの正体を知らないまま対峙することになる。
[編集] エイプリル・ムーン・ギャング(The April Moon Gang)
四人組のギャング。有名になるため科学者を誘拐し、身体をサイボーク化させる。
- ニージャーク(Kneejerk)
- エイプリル・ムーン・ギャングの一員。
- テラピン(Terrapin)
- エイプリル・ムーン・ギャングの一員。
- クルール(Krul)
- エイプリル・ムーン・ギャングの一員。
- ブルウィップ(Bullwhip)
- エイプリル・ムーン・ギャングの一員。
[編集] ブレイントラスト(Brain Trust)
超能力者至上主義を掲げる秘密結社。新規メンバーとして少女タマラ(Tamara)を引き入れようとする。
- ボンブシェル(Bombshell)
- ブレイントラストの一員。
- インヴュルネラブルマン(Invulnerable Man)
- ブレイントラストの一員。
- アルビノ(Albino)
- ブレイントラストの一員。
[編集] テリフィックトリオ(Terrific Trio)
実験中に放射能を浴び身体が変異した三人の科学者。事故を仕組んだハワード博士(Howard Hodges)に復讐しようとする。
ストーリー・設定共にマーベル・コミックのヒーロー、『ファンタスティック・フォー』を思わせるものになっている。
- マグマ/マイク・モーガン(Magma/Mike Morgan)
- 溶岩男。
- 2-Dマン/マリー・マイケル(2-D Man/Mary Michaels)
- 身体を自由に伸ばせる。
- フレオン/スチュアート・ロウ(Freon/Stuart Lows)
- 氷女。
[編集] コブラ(Kobra)
世界征服を企む秘密結社。
コミックに登場するロード・ナーガ率いる秘密結社コブラがモチーフ。
- ファルスフェイス(False Face)
- コブラの一員で遺伝子操作により、顔を自由に変形できる。
- ザンダー(Zander)
- 拳法家。コブラ幹部。爬虫類人間となり、人類撲滅を計画する。
[編集] サブタイトル
邦題の無いものは未放映。日本では1、2、4~7話がDVDとして発売。アメリカではDVD-BOXが順次発売中。
[編集] シーズン1
- 新たなる戦い part1(Rebirth, Part 1)
- 新たなる戦い part2(Rebirth, Part 2)
- 黒い滴の女(Black Out)
- ゴーレムの反乱(Golem)
- 勝利の影に(The Winning Edge)
- ロイヤル・フラッシュ(Dead Man's Hand )
- ミスター・フリーズの真実(Meltdown)
- 破壊されたDNA(Heroes)
- 幻想の怪人(Spellbound)
- 魔性の響き(Shriek)
- 暗殺者キュラレ(A Touch of Curare)
- 滴に消えた女(Disappearing Inque)
- ちぎれた絆(Ascension)
[編集] シーズン2
- 空飛ぶ秘密兵器(Joyride )
- 地底の叫び(Earth Mover)
- 遺伝子整形の罠(Splicers)
- 殺人プログラム(Lost Soul)
- 密猟ストーカー(Blood Sport )
- 暴かれた正体(Hidden Agenda )
- 恋の残り火(Once Burned)
- 幻の愛(Hooked Up)
- 白薔薇の孤独(Rats! )
- 超能力少女タマラ(Mind Games )
- 亡霊遊戯(Revenant )
- ノイズパニック(Babel )
- 恋人はアンドロイド(Terry's Friend Dates a Robot)
- 疑惑のヒーロー(Eyewitness )
- 潜入部隊ゼータ(Zeta)
- 人間改造計画(The Last Resort)
- キュラレの逆襲(Final Cut)
- Armory
- Sneak Peek
- The Eggbaby
- Plague
- April Moon
- Payback
- Sentries of the Last Cosmos
[編集] シーズン3
- Big Time
- Untouchable
- Where's Terry?
- Ace in the Hole
- King's Ransom
- Betrayel
- Out of the Past
- Speak No Evil
- Inqueling
- Unmasked
- The Curse of Kobra, Part 1
- The Curse of Kobra, Part 2
- The Call, Part 1
- The Call, Part 2
- Countdown
[編集] 長編
- 「バットマン・ザ・フューチャー 蘇ったジョーカー(Batman Beyond:Return of the Jorker)」
- アメリカで2000年12月に発売されたオリジナルビデオアニメ。日本でも発売。
- 最悪の敵、ジョーカーの復活と、前作『バットマン』と本作との間に起った最悪の悲劇が語られる。未来への希望を残しつつも非常に重い内容のストーリーである。
- なお製作後、アメリカの規制に引っかかり、幾つかのシーンが差し替えられた。ジョーカーが部下を殺害する方法、過去のジョーカーのバットマンへのナイフでの攻撃、ジョーカーの死因などである。
- 監督はテレコム・アニメーションフィルムの増田敏彦が務めた。
-
- かつてのブルース(バットマン)の宿敵。30年前と全く同じ容姿で現れ、ブルース、バーバラを混乱に陥れる。既に死んだはずの彼がなぜ復活したか、そして誰がその復活に関わっているかが本作の鍵である。
- ジョーダン・プライス(Jordan Price)
- ウェインがパワーズの元から取り戻したウェイン・エンタープライズの現トップ。ウェインの経営への復帰を快く思っていない。
- ティム・ドレイク(Tim Drake)(声:楠見尚己)
- かつての二代目ロビン。現在はヒーローを引退して家庭を持ち、電気技士として働いている。
- ハーレイ・クイーン(Harley Quinn)(声:伊藤美紀)
- 回想シーンに登場。ジョーカーと共に最悪の凶行に走る。
- バットガール(Batgirl)(声:林原めぐみ)
- 回想シーンに登場。バットマンと共に奔走する。バーバラの若き日の姿。
[編集] スタッフ
- プロデューサー
- アラン・バーネット(ストーリーエディター)、ポール・ディニ(脚本家)、グレン・ムラカミ(アートディレクター)、ブルース・ティム(アニメーター)
- 音楽監修
- シャリー・ウォーカー
- 製作協力
- 製作
- ワーナー・ブラザーズ・アニメーション
[編集] 外部リンク
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