ヅダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヅダ(ZUDAH、型式番号EMS-04 or EMS-10)は、アニメ作品のガンダムシリーズ「機動戦士ガンダム MS IGLOO」に登場する架空の兵器。
目次 |
[編集] 機体
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
ヅダ(ZUDAH) | |
型式番号 | EMS-04 / EMS-10 |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | ツィマッド社 |
頭頂高 | 17.3m |
本体重量 | 61t |
ジェネレーター出力 | 1150kW |
スラスター総推力 | 58,700kg |
武装 | 120mmザクマシンガン 280mmザクバズーカ シュツルム・ファウスト ヒートホーク 135mm対艦ライフル シールド(白兵戦用ピック装備) |
主な搭乗者 | ジャン・リュック・デュバル(1番機) ヒデト・ワシヤ(2番機) オッチナン・シェル(3番機) モニク・キャディラック(予備機) |
宇宙世紀0071年、ジオン軍当局はジオニック社、ツィマッド社、MIP社に軍事用モビルスーツの開発を委託した。ミノフスキー粒子散布下の戦場での有視界での近接戦闘の有効性が明らかになったためだ。これを受けツィマッド社が設計・開発したのが、得意の推進装置分野を活かし宇宙空間での機動性と推力を重視した「EMS-04ヅダ」である。
宇宙世紀0075年初頭、ジオン軍での正式採用を賭けジオニック社開発の「YMS-05ザク」とツィマッド社のヅダによるコンペティションが行われた。ヅダは格闘性能試験・飛行性能試験それぞれにおいてザクを凌駕し、軍上層部の一部からも「ヅダ勝利」の声が上がっていたが、ヅダは飛行性能試験の場で空中分解事故を起こし機体を喪失、パイロットが死亡してしまう。大推力、大加速、AMBACシステムを併用した急激な方向転換で機体構造に大きな負荷がかかったのが原因であった。また、一機あたりの生産コストがザクの1.8倍近くもあり、国力・資源にも限界のあるジオンにとっては軽視できない問題だった。選考の結果、コストも安く信頼性、汎用性が高いザクが正式採用・量産化が決定された(このコンペについては、ジオニック社と政権の癒着や工作があるともいわれているが定かではない)。
だが、ザクの量産開始後もヅダの開発中止命令は出ず、一年戦争が勃発し戦場が地上に移ってからもヅダの開発は進められた。オデッサの戦いの直前の10月、すでに正式採用が決定していた新型エンジン(通称「土星エンジン」。ドム及びリック・ドムにも採用された)に改装し、新世代の素材、制御システムを採用したEMS-10ヅダが完成した。
しかしこれは、戦況が逼迫しつつあるジオン公国軍の自軍に対する戦意高揚及び地球連邦軍に対する欺瞞、すなわちプロパガンダであり、実際のEMS-10はEMS-04の外装を交換しただけで機体性能は全く変わっていなかった。そのため、機体出力を限界まで上げると空中分解を起こす欠陥もそのまま引き継がれていた。
また、隊長機と2・3号機、予備機はそれぞれ頭部パーツに若干違いがある。
[編集] 劇中での活躍
完成した新型ヅダ(EMS-10)は最終評価試験のため、第603技術試験隊所属の支援艦「ヨーツンヘイム」にテストパイロットのジャン・リュック・デュバル少佐とともに予備機を含め4機が配属されるが、評価試験において命令を無視した(とされる)3番機がエンジンの暴走をおこして空中分解、パイロットのオッチナン・シェル中尉が死亡する。これによりEMS-10はEMS-04と殆ど同一であったことに加え、本来なら軍上層部とツィマッド社の機密事項であるはずの情報が地球連邦軍に筒抜けであったことが連邦のプロパガンダ放送によって露呈したことにより、オリヴァー・マイ技術中尉らの判断により試験中断の憂き目に遭う。
しかし、オデッサ作戦の敗北により宇宙へ脱出・撤退する友軍が、(陸戦用MSであったため)ボール相手に反撃すらままならず一方的に撃破されていく状況を目の当たりにしたことで、モニク・キャディラック特務大尉の独断により評価試験を名目とした友軍の救援作戦に参画する。救援作業を2番機と予備機に任せて陽動に徹するデュバル少佐の1番機は、ボール2個小隊(6機)のうち少なくとも4機を撃破、更に加勢に現われたジム6機のうち2機を撃破する。その後、ジムを戦場から引き離すべく高速移動を敢行して残り4機のうち3機を空中分解させる(残りの1機は、エンジントラブルで離脱したところを追撃してきた予備機によって撃破される)が、結果として1番機もエンジンの暴走から空中分解し、デュバル少佐も戦死した。
その後ジオン本国からの入電により評価試験の中止、並びに残った2番機と予備機をヨーツンヘイム護衛のための搭載機として運用する旨が決定されたが、これは複数の空中分解事故を鑑みたことによる事実上の「不採用決定通知」であり、護衛機転用の名を借りた廃棄処分でもあった。しかし最終決戦となったア・バオア・クー攻防戦にて予備機が左腕を破損した程度で、2機とも終戦まで残存していた。
なお、キャディラック特務大尉が予備機のパイロットを務めたことは確かなのだが、彼女がヨーツンヘイムに乗艦している状態で予備機が出撃しているシーンが幾つか見られるため、別のMSパイロットがヨーツンヘイムに乗艦しており、ヅダ予備機で出撃していたことになる。
[編集] 登場作品
機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-
- 第三話「軌道上に幻影は疾(はし)る 」
機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-
- 第一話「ジャブロー上空に海原を見た」
- 第三話「雷鳴に魂は還(かえ)る」
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
ガンダムシリーズ (カテゴリ) | ||
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム | |
世界観: | 宇宙世紀 - 未来世紀 - アフターコロニー - アフターウォー - 正暦 - コズミック・イラ - SDガンダム | |
ガンダムシリーズの映像作品 | ||
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース | |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 - - GUNDAM EVOLVE | |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 | |
ガンダムシリーズの劇中項目 | ||
劇中項目一覧: | 人物一覧 - 機動兵器一覧 - 艦船及びその他の兵器一覧 - 用語一覧 | |
テンプレート |