トヨタ・タウンエース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タウンエース(TOWNACE)はトヨタ自動車で1976年に登場したキャブオーバー型のワンボックス車およびトラックで、ミニエースの後継車として企画・開発された。エスティマが登場するまではToyota Van(トヨタ・バン)の名で輸出された。また、欧州地域では、トヨタ モデルFとして売られていた。2200cc、4Y-EUエンジンが載っていた。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 初代(1976年-1982年)
1976年10月登場。当初は商用車の雰囲気を色濃く残しており、同社のライトエースの上級モデルという位置づけであった。またモデル末期(1980年以降のワゴン系のビッグマイナーチェンジ後)はRV色が強くなっていた。 登場当初は、1200cc、1600ccの2機種で、ワゴンもあったが、装備は商用グレードと何ら変わらず。オートマチックの設定も無かった。
1970年代後半になると、一気に変わり、1800ccエンジン(12T-U)の設定、フロア三段フルオートマチック、足踏み式パーキングブレーキ、サンルーフ、二列目・三列目対面可能シート等、ライバルであった日産・バネットの動向を窺いながら、種類を増やしていった。
1976年10月 新発売。3/6人乗りのバン(1200/1600cc)と8人乗りワゴン(1600CC)
1978年8月 ワゴンは昭和53年排出ガス規制適合と同時に1800ccへ,ハイルーフ・手動サンルーフ車追加。バンにもハイルーフを追加
1979年10月 マイナーチェンジ。内外装の変更。バンは54年排出ガス規制適合で1200→1300ccへ。
1981年1月 マイナーチェンジでワゴンは角目ライトへ変更。ワゴンに3速フロアオートマチック&足踏み式パーキングブレーキ車と5速マニュアルフロアシフト車を設定。最上級グレードとしてワゴンにセカンド対面シート装備のグランドエクストラ追加。またバンに上級グレードハイデラックスを追加。またオプションとして吊り下げ式クーラーに代わってエアコンになった。電動開閉式サンルーフを設定。
1982年2月 簡易ベッドを装備したキャニオンパッケージとサンルーフ装備車はフロントにチルトアップ式のガラスサンルーフを追加。
[編集] 2代目(1982年-1996年)
1982年姉妹車マスターエースとともに登場。 エンジンを一新。2000ccの3Y-EU型OHVEFIエンジン、1800cc版の2Y-E(電子制御キャブレータ)。 また、ATが四速ATになる。 グレードはロイヤルラウンジ、グランドエクストラ、スーパーエクストラ、カスタム、キャニオン、デラックス、スタンダード。 タウンエース初のディーゼルエンジン2C型エンジンは当初スーパーエクストラにのみ設定されていた。
1985年マイナーチェンジ。フロント周りのデザインを変更した。4WDを追加。 副変速機付きの、ハイラックス等から流用したパートタイム型。フロントマニュアルハブ付き。 また、2C-T型ディーゼルターボエンジンとの組み合わせもあった。
1988年マイナーチェンジ。ボディ外版、内装を大幅に変更する大掛かりなマイナーチェンジだった。デジタルメーター廃止。電子制御サスペンション「TEMS」をロイヤルラウンジに標準装備、スーパーエクストラにオプション設定とした。
1992年マイナーチェンジ。エスティマエミーナ(トヨタ店扱い)・ルシーダ(カローラ店扱い)の登場により、マスターエース(トヨタ店扱い)が廃止。 これに伴い、ライトエースがタウンエースと全く共通のボディとなる。 ガソリンエンジンはこのマイナーチェンジで2Y-Eが廃止され、3Y-EUのみになり、TEMSがそれまでの二段階から三段階制御になり、上級グレードのロイヤルラウンジ、ロイヤルラウンジリミテッドに、1BOX初のABSがオプション設定される。ディーゼルターボのマニュアル車に、トーショナルダンパー付きのクラッチが搭載されていた。 中身は相変わらずだが、外板や目に見えるデザインは大幅変更。 余談だが、ミニバン化に遅れたのは、エスティマエミーナ・ルシーダが好調であることと、 この大幅マイナーチェンジで、お金が掛かりすぎた事が要因であった。
電動サンルーフのツインムーンルーフが、フロントが電動スライド・チルト型に進化。 後にも先にも、フロント部分が電動スライド・チルト型なのは、トヨタのワンボックス系ではこの頃のタウンエース・ライトエースのみ。
二段ベット付きのシャルムの新設定。 新たに設定された最上級ぐれーど、ロイヤルラウンジリミテッドに、キーレスエントリー・パワースライドシート(イージーアクセス型、ハイエースのようにチルトハンドルも電動なのではなく、シートスライドのみ。)が奢られた。
1993年にディーゼルエンジンが2000ccの2C-Tから2200ccの3C-Tとなる。 これにより、最高出力が、85馬力から88馬力に向上。 また、スーパーエクストラのシート生地を変更、質感が若干向上した。
ディーゼル車と、ガソリン車のATのギア比は四段とも同じ。最終減速比が異なる。
モデル末期には、スーパーエクストラエクサーブが売られていた。
[編集] 3代目(1996年-2001年)
1996年登場。そもそも、キャブオーバー型ワンボックス車の後継として、従来の名前に「ノア」のペットネームが付加されて発売された車種だった。
試作車は、エスティマエミーナのボンネット内にエンジンを置いて、実験していた。 当初は、ハイエースに設定されていた1RZ-Eを搭載する予定だったが、 重く、商用車用の野暮ったいエンジンであり、それでは日産のバネットセレナに勝てんと言う事で、3S-FEの採用になった。ミニバンへの搭載にあたってかデチューンされ、最高出力は130psとなっていた。ちなみにバネットセレナも同様に130psであった。
レイアウトとしては、グランビアと同様、ボンネット内に直列4気筒エンジンを縦置きに配置し、プロペラシャフトを介して後輪を駆動するFR方式を採用していた。これは先代のメカニズムを活かしたように感じられる。サスペンション等の形式自体も同じものであったが、実際は新規に開発されたものが多い。
デザインも試作車の段階ではバネットセレナのコピー商品のようなものであったが、これも、改良を経て、 落ち着いている。
当時ライバルと目されていた本田技研工業の「ステップワゴン」とは低床化の面で遅れをとることになったが、後輪駆動ゆえのトラクションを生かした操縦性と、トヨタならではの上質なインテリア、さらに商用車とボディを共用することによる低価格戦略が功を奏して、モデル末期まで販売台数を維持し続けた。
なお、このモデルはダイハツ工業が生産を担当しており、「デルタ」の名でダイハツ店でも販売されていた。設計に於いてもダイハツは関わっており、トヨタのテストコースで試験走行する際に、ダイハツの人は入れなかったり色々苦労もあったようである。
先代にあったスカイライトルーフは廃止。
- グレード構成
-
- ロイヤルラウンジ 7人乗り マイナーチェンジで8人乗り追加
- スーパーエクストラ 8人乗り
- フィールドツアラー 8人乗り
- ロードツアラー 8人乗り
- LD 8人乗り
スーパーエクストラには特別仕様車としてリモ、リミテッドを設定。モデル末期にはリモ改めリモナビスペシャル、スペシャルエディション、ロードツアラーリミテッドを設定。
ルーフはロイヤルラウンジとスーパーエクストラにはスタンダードルーフとスペーシャスルーフ。スペーシャスルーフにはツインムーンルーフ選択可。フィールドツアラーとロードツアラーにはルーフレール付スタンダードルーフ。ツインムーンルーフ選択可。LDはスタンダードルーフ。 1998年1月 一部改良。装備の充実。ナビのメーカーオプション化。 1998年12月マイナーチェンジ。ロイヤルラウンジのスタンダードルーフ廃止8人乗り追加。ボディカラー整理。 2001年11月乗用モデル製造中止。乗用モデルは「ノア」になり、商用モデルは継続生産。 バンは現在も継続販売。但し、ガソリン車のみである。法律改正でサイドアンダーミラーが途中で装備された。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 自動車関連のスタブ項目 | 自動車の車種 | 貨物自動車