トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム
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トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)は、トヨタ自動車が主催する、若手レーシングドライバー育成プロジェクト。
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[編集] 理念・目的
- 世界及び日本でのトップカテゴリーにおいて活躍出来るレーシングドライバーの育成を目的とし、人材の発掘と継続的なステップアップをバックアップするプロジェクトとする。
[編集] 歴史
2002年からのF1参戦を決定したトヨタ自動車では、ドライバーの人材不足を痛感しており、若手有能ドライバーの育成を急務としていた。モータースポーツの発達しているヨーロッパにおいては、自動車会社が主催・後援のもと、レーシング・スクールやそれと一体化したスカラシップ制度が発達して(例としてはフランスのフォーミュラ・ルノー・エルフ・キャンパス)、幾多の人材を輩出しており、日本においても、ホンダが後援し鈴鹿サーキットで開講している「鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)」が、F3へのスカラシップを通じて、佐藤琢磨をF1に送り出すなどの成果を挙げていた。
そこでトヨタ自動車は、2000年に、日本国内で従来から実施していた「フォーミュラトヨタレーシングスクール(FTRS)」のプログラムの一部を、若手ドライバーの発掘及びスカラシップを通じての英才教育プログラムとして体系化を行った。さらに2001年には、TDA(トヨタ・ドライバーズ・アカデミー)として海外での若手ドライバー育成プログラムを開始する。
2005年からは、FTRSとTDAの若手育成プログラム活動を一体化し、名称も新たに「TDP」に統一。新たにスタートを切る事となった。2006年には、日本においてホンダ・日産と3社共同で新たなジュニア・フォーミュラとしてフォーミュラチャレンジ・ジャパンを発足させ、その中でもTDP所属ドライバーの育成を行っている。
[編集] 主な実績
- 2006年度においては、F3ユーロシリーズに、中嶋一貴・平手晃平(伴にManor Motosport所属)小林可夢偉(ASM Formula3所属)の3名を派遣した。平手・中嶋はそれぞれ1勝ずつを挙げ、小林も表彰台を3回獲得した。
- 2007年度は中嶋一貴がF1チームのウィリアムズとテストドライバー契約を締結。中嶋一貴(DAMSに所属予定)と平手晃平(Tridentに所属予定)はGP2に挑戦することが発表された。また、小林可夢偉は引き続きF3ユーロシリーズに挑戦することが同時に発表された。
ドライバー(チーム) | カテゴリー | シリーズランキング | 備考 |
---|---|---|---|
フランク・ペレラ(DAMS) | GP2 | 17位(8Point) | 2位1回 |
平手晃平(Manor Motosport) | F3ユーロシリーズ | 3位(61Point) | 1勝・2位2回・3位2回 |
中嶋一貴(Manor Motosport) | F3ユーロシリーズ | 7位(36Point) | 1勝・2位1回・3位2回 |
小林可夢偉(AMS Formula3) | F3ユーロシリーズ | 8位(34Point) | 2位1回・3位2回 |
ヘンキ・ワルドシュミット(プレマ・パワーチーム) | フォーミュラ・ルノー2.0 EUROシリーズ | 15位(19Point) | |
マーティン・プロウマン(プレマ・パワーチーム) | フォーミュラ・ルノー2.0 EUROシリーズ | 23位(7Point) | |
片岡龍也(Team LeMans) | 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン | 7位(13Point) | 3位・3回 |
大嶋和也(TOM'S) | 全日本F3選手権 | 2位(185Point) | 3勝・2位4回・3位1回 |
石浦宏明(ナウモータースポーツ) | 全日本F3選手権 | 9位(64Point) | 1勝 |
安岡秀徒(TOM'S) | 全日本F3選手権 | 12位(15Point) | |
松村浩之(TOM'S) | 全日本F3選手権 | 15位(5Point) | |
国本京佑(TOM'S Spirit) | エッソ・フォーミュラ・トヨタ(FT) | 6位(48Point) | 2位1回 |
井口卓人(TOM'S Spirit) | エッソ・フォーミュラ・トヨタ(FT) | 7位(45Point) | |
増田定臣(TOM'S Spirit) | エッソ・フォーミュラ・トヨタ(FT) | 10位(22Point) | |
窪田義文(TOM'S Spirit) | エッソ・フォーミュラ・トヨタ(FT) | 12位(11Point) | |
国本京佑(TDPスカラシップFCJ) | フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ) | 7位(47Point) | 2位1回; |
井口卓人(TDPスカラシップFCJ) | フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ) | 10位(34Point) | 3位1回 |
窪田義文(TDPスカラシップFCJ) | フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ) | 13位(18Point) | |
増田定臣(TDPスカラシップFCJ) | フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ) | 15位(14Point) |