トロイの木馬 (テレビ番組)
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『トロイの木馬』とは、フジテレビ系列で日曜19:30より28分間、1998年10月より1999年9月19日まで放送されたバラエティ番組。正式タイトルは『三菱電機チャレンジワールド トロイの木馬』。三菱電機の1社提供であった。
番組コンセプトは「『できる』喜びや感動を徹底的に追及するドキュメンタリーバラエティ」。番組のスタイルとしては、放送当時ヒッチハイク旅行や生活を制限したドキュメンタリー風の企画で流行を博していた日本テレビ系列の『電波少年シリーズ』に類似するものであった。その背景もあってか、放送内にスタッフロールが一切出なかった。
目次 |
[編集] 出演
2人はスタジオでVTRを紹介する案内役で、下記の各企画はそれぞれ他の出演者によって行なわれるスタイル。「返済レストラン」など司会の2人が挑む企画もあった。
[編集] 主なコーナー
[編集] マンガ電車
マンガ家2人が枕崎・根室から東京音羽の講談社を目指し旅を続ける。講談社までにかかる旅費・食費などは全て自らイラストを書いて売ったお金から賄わなければならない。売価は1枚100円。先に講談社に到着したマンガ家は、賞としてコミック誌(1ページほど)にて4コママンガが掲載できる権利が与えられた。なおこの時に優勝したのはキヨリン(枕崎スタート)で、遅れて到着したのがサダタロー(根室スタート)である。
[編集] 流氷ダービー
サハリン(樺太)と北海道の間にある流氷の上にサトちゃん・ホッシー君などの8体のマスコットキャラクターを乗せてどれが先に北海道までたどり着くかを競う企画。流氷に乗せるマスコットキャラクターは投票で決まった。開始直後に5体が行方不明となったのち、ゴール寸前には残りの3体も行方不明になり、全キャラクターの行方を見失った結果レース無効扱いとなった。視聴者がはがき投票で1着になるキャラクターを予想し、正解者にサハリン2泊3日の旅をプレゼントする予定だったが、結局投票されたすべてのはがきからの(残りの3体を予想した人だけの可能性あり)抽選となった。
[編集] 佐藤VS鈴木
初期のメイン企画。正式なコーナー名は、「佐藤VS鈴木 日本縦断無銭サイクリングレース」。全国でも多い佐藤姓・鈴木姓のそれぞれの代表として選ばれた一介の大学生(佐藤直生、鈴木淳哉)が、北海道 宗谷岬(北海道の最北端)から自転車で出発し、どちらが早く沖縄 喜屋武岬(沖縄本島の最南端)に着くかを競う。佐藤が主に日本海側、鈴木が主に太平洋側のコースを自転車で走った。スタート時に2人に与えられたのは自転車と最低限の衣類のみで、金銭は1円も持っていなかった。道中の食事や宿泊場所などはそれぞれ同姓の人々だけしか頼りにできないルールで、北海道から本州、九州から沖縄へ移動する際のフェリーも同姓の人に同乗してもらう必要があった。結果佐藤が勝利し、負けた鈴木は「丁半だけで東京に帰れるか」(丁半や黒ひげ危機一発で勝負し、勝ったらその人に宿泊などを頼ることができる)という罰ゲーム企画で、自転車で東京まで帰った。
[編集] アメリカ大陸縦断早押しウルトラクイズ
「ジャイアントパンダの尻尾の色は黒か白か?」という問題に対し、アメリカ合衆国・アラスカのスタート地点からマゼラン海峡にある早押し台まで、ヒッチハイク及び飛行機以外の手段を使い、先にたどり着いて正解した方が優勝というクイズ企画。参加したのは「ジェット☆キッズ」(浅見達也、竹内康晃)と「安田と竹内」(安田裕己、竹内宣和)の2組の若手お笑いコンビ。到着した両組の内どちらか一方が正解すればその組が勝利となるが、両コンビとも答えが間違っていたら共にもう一度アラスカからやり直しというルールであった。先に到着したのはジェット☆キッズだったが不正解、遅れて到着した安田と竹内が正解し、幸いアラスカからやり直すことはなかった。
ちなみに『安田と竹内』の安田裕己は、のちの安田大サーカス・団長である。
[編集] 返済レストラン
1998年の年末ジャンボ宝くじで「1等3億円見られるか?」という企画を開催。その購入資金を視聴者から募り、集まった金額は約800万円にのぼった。しかし、当選後の結果は200万円弱と購入資金にすら遠く及ばず、600万の道義的借金を作ってしまった。その補填をするため司会のユースケ・千秋の2人が借金返済のためレストランを開設する企画に挑み、その料理を腕を磨くため平野寿将に弟子入り。無事600万の売上を達成した。なお、宝くじ当選金及びレストラン売上金は全て寄付されている。
[編集] 万光くんの愛の観覧車
生来一度も女性と付き合ったことがない「万光くん」が相模湖ピクニックランドの観覧車に乗り、その中でお見合いをするという企画。トイレを除き、彼女ができるまで観覧車の中で生活する。お見合いをする女性は観覧車が1周するまでしか乗れない(のちに万光くんの意向により2周に変更)。ある女性が頻繁に来るようになったころ、出張観覧車として熊本で観覧車生活をしたときお見合いに来た別の女性が現れたが、結局前の女性を見事彼女としてゲットした。なお、彼女ができるまで本人の意向により顔はモザイク処理されており、表情はアニメ風の画像編集で表された。
[編集] アリtoキリギリス ワラビーと同棲
お笑いコンビのアリtoキリギリスが、飼育することが難しいとされるワラビーを飼う企画。
[編集] テディベア 世界一周できるかな
テディベア「ターボ君」を海外旅行に行く人に託し、人から人への手渡しで世界一周するという企画。ターボ君の追跡はつぶやきシローが行った。ターボ君は東京からスタートして、バンコク、ヨハネスバーグ、再びバンコクと旅行したのち、チューリッヒに辿り着くが、そこで孤児院にいる子どもたちにプレゼントされた。番組側はターボ君を取り上げることはせず、「ターボ君チューリッヒに永住」として企画を終了した。
その他「祭りをいくつ体験できるか」など。各コーナーの片鱗が当時の番組紹介サイトにて見られる。
[編集] スタッフ
[編集] 備考
- 放送当時は企画コンセプトを巡ってフジテレビと日本テレビが露骨な争いをしていたが、やらせ問題で打ち切りとなったフジテレビ系『愛する二人別れる二人』を、日本テレビ系『進ぬ!電波少年』の企画「電波少年的愛する二人別れる二人(やらせなし)」としてパロディされた(実際にはタイトルだけ)ことに対しフジテレビが抗議したものの、『電波少年』では「電波少年的トロイの木馬」(「フジ側も『電波少年』を真似しているよね?」という意味合い)というコーナーを立ち上げて「反撃」に出た。
- この番組の開始で1969年10月の『どろろ』以来約30年続いた同時間帯のアニメ枠が一旦途切れることになった。当番組終了後、次番組に水曜夜7時30分枠から移行した『GTO』以降は『学校の怪談』『ONE PIECE』(2001年4月に水曜夜7時から枠移行)とアニメ枠が一時的に復活したものの、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の終了による『ONE PIECE』の日曜19時台への時間帯移動により、再びアニメ枠が消滅した。ちなみに後番組の『平成教育予備校』(のちに『熱血!平成教育学院』に改題)の司会は、奇しくも『トロイの木馬』と同じ、ユースケ・サンタマリアである。
- なお、この三菱電機1社提供番組はこの番組終了後に金曜23時枠に移動し、現在は『メントレG』のスポンサー(当初は単独。現在は複数スポンサーの筆頭提供)となっている。
[編集] 外部リンク
フジテレビ系 日曜19:30枠 | ||
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中華一番! | GTO(アニメ版) |
※セールス上の次番組は『メントレG』。