ドラゴンクエスト 天空物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『ドラゴンクエスト 天空物語』(- てんくうものがたり)は、幸宮チノ作の漫画作品。
目次 |
[編集] 概要
ゲーム『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』をモチーフにした作品。珍しく、ドラゴンクエストシリーズのコミックの中でゲーム(原作)の一部のみを漫画化したものである。
この漫画のストーリーは、ゲームのドラゴンクエストVで、主人公(=グランバニア王)と妻(=王妃)が石像にされてしまっている間の8年間という、ゲーム内では詳しく語られなかった部分に相当している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
グランバニア国の王子・王女であり双子であるテンとソラが、6年前に行方不明になった両親の行方の手がかりを得て、召し使いのサンチョや彼らの父親であるグランバニア王が仲間にしたモンスターたちとともに両親を探しに旅立つ。
[編集] 主な登場キャラクター
[編集] 主要キャラクター
- テン
- 本作の主人公。6歳。グランバニア国の王子であるが、その自覚はまったくなく、城の住人にイタズラを繰り返す腕白小僧。天空の剣(つるぎ)に選ばれた勇者であるが、そのことに関する自覚もあまりない、のんきな性格。だが、一度感情が高まると膨大なチカラを発する。ちなみに、両親と再会して最初にして貰いたいことは「抱っこ」。
- ソラ
- テンの双子の妹。6歳。テンとは正反対の性格で、グランバニア国王女としての自覚を持った、しっかり者の女の子。魔法の才能に長けていて、パーティをサポートする。また、本来ゲーム中では使うことのできない呪文を使うことができる。物語の終盤に、石化の呪いを解くことが出来る「ストロスの杖」に選ばれる。
この2人の名前は、この漫画やゲームでもたびたび出てくる言葉である「天空」にかけてつけられている。
- サンチョ
- 先代王パパスの時代からグランバニアに仕える召し使い。生まれたときから親が行方不明だったテンとソラの親代わりのような存在。頼れる人で、テンとソラをしっかりサポートし、時には親らしく叱ることもある。スクルト・マヌーサなどの補助系の呪文が使える。
- ドリス
- 国王代行であり先代王の弟であるオジロンの娘。グランバニア王のいとこにあたる。原作(ゲーム)ではオジロンが王位に就いた期間があるので王女となるが、この作品ではオジロンは先代王の失踪から現国王の帰還まで王代であり国王にはなっていなかったので公女である。17歳。王族の女性と言う立場でありながら格闘技好きで、趣味は筋トレ。ストーリー途中から旅に参加。
- このキャラクターはゲームでも登場しているが、「青髪」「格闘技好き」などの設定はこの漫画オリジナルのものである。また、ゲーム内での存在感の薄さゆえ、本作オリジナルのキャラクターと誤解されることが多い。
- カデシュ
- 天空の勇者を求めてグランバニアにやってきた青年。性格は無愛想。自分の素性やなぜ勇者を求めるのかを自分からは話そうとはしない、謎の魔法使い。ソラにギラの呪文を教える。また幼い頃のトラウマにより、カナヅチ。
- 実はストロスという小国の王子であり、本名を「カデシュ=レアルド=ストロス6世」という。しかし、魔物の襲撃により国は壊滅し、自身は奇跡的に助かるも胸に深い傷を負う。以来、魔物を激しく憎み、魔物を根絶やしにするために天空の勇者を求める。テンとソラの両親を石像から助けるための秘宝「ストロスの杖」の継承者であったが、彼は杖に選ばれず、ソラが選ばれたことにより、彼は杖を譲る。その後、エンプルたちの襲撃により、ヤグナーと共に消息を絶つ。事件前にドリスに自身のペンダントを託す。
- 尚、彼は本作オリジナルキャラクターのため、ゲーム版にその存在はないが、とても人気のあるキャラクター。一部のファンからはドリスとの仲を応援されていたが決着はついていない。
- グランバニア王
- テンとソラの父親。ドラゴンクエストVの主人公にあたる。
- 作中では呪いによって石像となっており所在も不明であったが、ふとした事から所在が判明、物語の最後にテンとソラに救出され親子の再会を果たす。
- また、名前は作者の意向によって決められていない。ドリスとサンチョからは「坊ちゃん」と呼ばれている。
- ビアンカ
- テンとソラの母親。
- 作中では呪いによって石像となっており所在も不明であったが、テン、ソラとグランバニア王によって無事救出されたようだ。
[編集] 仲間モンスター
テンとソラの父親が仲間にしたモンスターでとても頼れる仲間達。
- ゲレゲレ
- テンとソラの両親が幼い頃助けたキラーパンサー。首には幼い頃ビアンカに結んでもらったリボンが結ばれている。パーティの主戦力ともいえる存在。冒険の旅が終わった後、チロル、ボロンゴ、プックルと名づけられた子供が生まれる。
- ホイミン
- 一応喋っているらしいホイミスライム(セリフはすべて「温泉マーク」で表現されている)。理解できるのはミニモンが通訳してくれたとき。回復呪文のホイミが得意。また、作者のお気に入りのモンスターらしい。
- ダニー
- 不思議な踊りを踊ることで相手の魔力を下げることができるダンスニードル。またサボテンモンスターなので体中トゲに覆われており、当たるとすごく痛い。
- ドラきち
- スラリン同様「ピキー」等しか言うことができないドラキー。呪文(ラリホーなど)も扱える。ちなみに彼は一人二人と数えるらしい。
- コドラン
- ドラゴンキッズ。口から火炎を吐くことができるモンスター。テン・スラリンと一緒になってよくイタズラを仕掛けることが多いが、戦闘になるととても頼りになる。
- ミニモン
- グランバニアに行く途中、テンとソラの父親に一目惚れしたミニデーモン。危険を察知してはすぐさまいなくなる。魔族故に唯一言葉を話せることのできる存在。そのため、他のモンスターの通訳もできる。昔、仲間にいじめられていたときビアンカに助けてもらったことがあり、それ以来ビアンカのことを「ビアンカ姐さん」と呼び、慕っている。かなりのミーハーで現在はカデシュにアタック中。カデシュと仲のいいドリスのことを恋敵と認識している。女性を見る目は男性と違って非常に厳しく、彼女が認めた女性はビアンカただ一人。
[編集] 紫の蜂
- ラヴェリカ
- 盗賊団「紫の蜂」の女ボス。デモンズタワーにあったテンとソラの両親の石像を盗み、砂漠のオークションで父親の像を売り払う。かなりの子供好きで、テンを一目見て気に入り、手に入れようと画策する。セクシーな外見とは裏腹に、かなりの剣の使い手で、荒くれる手下をサーベル一本で従えている。また、呪文(マホトーンなど)やムチを使うこともできる。ちなみに、手下が失敗したときは恐ろしい罰を下す。例として、口にするものは一生魔物のエサ、エンプーサと同棲、語尾には必ず~だピョンをつける…など。
- 兄貴蜂
- 「紫の蜂」のグランバニア地方を荒らす人物でマルコ、エンリコという二人の部下と共に行動している。いかつく、図体のでかい男性だが義理人情には厚い人。
- マルコ・エンリコ
- 兄貴蜂の部下でのんびりしたほうがマルコ、きりっとした顔立ちがエンリコ。
- 老婆
- ラヴェリカの側近で水晶玉を使って遠くのものを見ることができる。ラヴェリカがテンを気に入ったのもこの老婆が水晶玉で見せたせい。
[編集] スカルアロウ
- オーゼルグ
- 海賊団「スカルアロウ」の船長。伝説の秘宝「キングオブオーシャン」を探し求める。ある事から、テンとソラたちに協力する。とても人望のある男性。
- シャクバ
- オーゼルグの腹心で頭のキレる男性。だがオーゼルグとは違い、子供であろうとも容赦はしない残忍な人物。ヤグナーとは旧知の仲。後にスカルアロウをのっとってしまう。ちなみに眉は剃っているのである。アシスタント達からは人気のあるキャラクター。
- エンプル
- オーゼルグの傍にいるエンプーサ。しかし正体は自分が裕福な暮らしをしたいがための演技で、自分の利益にならない場合は容赦なく捨てる。キングオブオーシャンを欲しがっている。
- ヤグナー
- サウスディケでソラが出会った男性。昔は軍にいたらしいがある理由からカデシュを追い求め、その結果、軍をクビにされ、女にも逃げられたらしい。カデシュの過去を知る人物。途中から旧知の仲であるシャクバと共にスカルアロウをのっとる。エンプルとは秘密裏に契約を交わしている。
- グド
- ソラがシャクバ達に捕まっていた間、彼女を身の回りの世話を任された船員。根は優しく、オーゼルグを慕っている。スカルアロウでソラが最初に仲良くなった人物。ソラのことをお姫様と呼ぶ。
- ヤガモト
- スカルアロウの船員で初老の男性のようだがまだまだ現役。ソラのことを案じ、グドを含む他の仲間達と一緒に寂しがっていたソラを元気付けた。
[編集] チゾット
- カカラ
- タータの母。テンとソラが生まれる前、つわりで倒れたビアンカを介抱してくれた女性。彼女の料理はグランバニアの料理で舌が肥えているであろうテン達の舌を唸らせるほどの美味しさ。
- タータ
- テンとソラと同い年の男の子でカカラの子供。気が弱く、泣き虫で同じ村の子供達からは仲間はずれにされるもテン達が訪れたことにより、和解する。
[編集] シューベリー
- ウミネコ
- シューベリーでテン達が出会った孤児で、仲間達と一緒に盗みをしながら毎日を生きている。金持ちに対して良い感情を持っていなかったが、テンたちと出会い、その考えを和らげる。口より先に手が出る。また、シューベリーのいたるところにある抜け道を知っている。外見からは分からないが、本当は女の子。
- カジカ
- ウミネコの仲間。パンを盗もうとして失敗した時、テン達にケガを治してもらった。
- イカナゴ
- ウミネコの仲間。カジカの危機をウミネコに知らせた時に、テン達と出会う。金持ちは信用しないが、テンたちのことは信用している。
[編集] ラインハット
- ヘンリー
- テンとソラの父親の友人でラインハットの先代王の第一王子、現在は弟のデール国王を補佐しながらラインハットで暮らしている。幼少期にテンとソラの父親と出会い、共に奴隷生活を送るが、後に当時奴隷だった妻のマリアを含め3人で脱走する。テンとソラと同い年の息子、コリンズに手を焼いているがそれでも目に入れても痛くないほど可愛がっている。コリンズのイタズラ好きは彼譲り。現在、友人の頼みで天空の勇者の武具である「天空の盾」を預かっている。
- マリア
- ヘンリーの妻で元は同じ奴隷だった。後に共に脱走し、海辺の修道院で過ごしていたが、後にヘンリーの妻となる。最初はテンとソラの父親が好きだったらしい。
- コリンズ
- ヘンリーとマリアの一人息子でラインハットの公子、叔父に子供がいないため王世子である。外見は幼い頃のヘンリーにそっくり。父親に似てイタズラ好きな男の子。テン・ソラと同い年。
[編集] サラボナ
- ルドマン
- サラボナ一の大富豪。一人娘のフローラのことを大事にしている。テンとソラの両親とも面識があり、現在はラインハットで保管中の天空の盾を持っていたことがあった。
- フローラ
- ルドマンの一人娘。テンとソラの両親とは知り合い。夫のアンディとは幼馴染でテンとソラの両親の後に結婚したと思われる。現在はアンディと幸せな結婚生活を送っている。
- アンディ
- フローラの幼馴染で夫。昔、彼女の婚約者の権利を巡り、テンとソラの父親に対抗意識を燃やすも、炎のリングを取りに行く最中、ケガをして彼に助けてもらったことがある。現在はまだ頼りなくもフローラとの幸せな結婚生活を送っている。魔法の修行をしていたことがあるのである程度の魔法が使える。
[編集] ジドルディドル
- トウヤ
- 妹のミミと一緒にジドルディドルに住む青年。5年前に父を(間接的にせよ)殺した町長を憎んでいたが、今では和解している。ドリスに好意を抱いており、カデシュとドリスの仲を気にしていた。また、事件の後は父親の跡を継ぎ「リンガー」となっている。
- ミミ
- トウヤの妹。幼い頃にあったある事件のせいでトウヤが町長に対し憎んでいることを寂しく思っている。髪飾りを集めていて、その1つをソラにプレゼントする。
- サダク
- トウヤとミミの父親。妻を亡くしたためジドルディドルに移住してきたが、テン・ソラの来る5年前に病死している。ジドルの塔の鐘を鳴らすことのできる「リンガー」であったが、彼の死後、鐘は一度も鳴らされていない。
- ダビドフ
- ジドルディドルの現町長。5年前に酒場で聞いた「宝などはない」という言葉により、宝の秘密を知っていたサダクがそれを洩らしたのだと誤解し、サダクを糾弾してその結果死に至らしめた。
- ピッドル
- ジドルディドルの住民。朝から酒に酔っ払っており、余所者であるトウヤ・ミミを「疫病神」として忌み嫌っている。ただ、当人も三代前にジドルディドルに移住してきた元・ヨソ者であり、五年前から続く住民同士の不仲の原因ともなった。
[編集] 原作(ゲーム『ドラゴンクエストV』)との相違点
- ゲームには存在しない地名が登場する。
- 呪文を使う際、特別な詠唱を行う描写がある。
- ソラ(女の子)がメラやギラの魔法を使える事。
- SFC版では不明だがPS2版では男の子、女の子がサラボナに来た事はないと話す。
- ゲームでは存在しないキャラクターがいる。
- 石像にされたグランバニア王とビアンカはサウスディケの地下競売場で取引されていた。
- 天空の盾はグランバニア王が結婚した後にラインハットのヘンリーの元に託される。これは、自身の今後の身の危険を察知した上で預けたとも推測できる。
- ストロスの杖について大幅なオリジナル設定が加えられている。カデシュの祖国ストロスの秘宝とされ、王家の血を継ぐ者(のみに伝えられる詠唱)だけがその保管場所に入るカギとなる。カデシュは「ストロスの杖を扱える人間はいない」と推測するも、ソラの潜在能力に杖が呼応し、そのまま託される事となった。なお、PS2版ではジャハンナでも入手できる量産品アイテムとなってしまっている。
- PS2版では女の子はコリンズを嫌っていた感がするが、この作品では仲は良くに見える部分がある。
- PS2版ではエンプーサは仲間になるものの「エンプル」という名前は存在しない。
[編集] 掲載雑誌の変遷
1997年当初の連載誌は「月刊少年ギャグ王」であったが、1999年のギャグ王休刊に伴い、季刊誌であった「Gファンタジー増刊ステンシル」に移籍。しかし2000年には休刊、2001年に「月刊ステンシル」として復刊するまで約1年もの間連載は中断された。その「月刊ステンシル」も2003年で休刊し、「月刊Gファンタジー」に移籍、2004年に完結している。
当然単行本の発売間隔も不安定であり、特に4巻と5巻の間は1年8ヶ月ものブランクがある。また単行本の名義も、全11巻のうち1~3巻は「ギャグ王コミックス」、4巻と9~11巻は「Gファンタジーコミックス」、5巻~8巻は「ステンシルコミックス」と分かれてしまっている。ただし、本のサイズは新書版サイズに統一されている。(4巻と9巻以降ではGファンタジーコミックのロゴが変わっているため本棚に並べると4種類のロゴになる)
また、掲載誌が少年誌から一時少女誌に移ったことにより、子供向けだったものが恋愛ネタも組み込まれるようになるなど内容の方向性も微妙に変化している。ちなみに、同時に画風も少し変わっている(キャラクターに鼻がつくなど)。
[編集] 関連項目
|
|
---|---|
ゲーム作品 本編 | DQ - DQII - DQI・II - DQIII - DQIV - DQV - DQVI - DQVII - DQVIII - DQIX |
ゲーム作品 外伝 | モンスターズ(テリー / ルカ・イル / 1・2 / キャラバンハート / ジョーカー) トルネコ - スライムもりもり - 少年ヤンガス - ソード |
専用機器・アーケード | あるくんです - 剣神 - バトルロード |
漫画・アニメ作品 |
(斜体字 は原作となったゲーム作品の項内の節にリンク)
ダイの大冒険(カテゴリ) - アベル伝説 - 竜王バリバリ隊 - ロトの紋章/継ぐ者達 - スライム冒険記 - トルネコ一家 - 幻の大地 - プリンセスアリーナ - 天空物語 - VB仁 - DQM+ - エデンの戦士たち - 地獄の迷宮 |
その他書籍・メディア | 小説 - 精霊ルビス伝説 - ゲームブック - CDシアター - 4コマクラブ - バレエ - ファンタジアビデオ |
関連項目 | 呪文体系 - 特技一覧 |
カテゴリ: 漫画作品 と | 月刊少年ギャグ王 | 月刊Gファンタジー | ドラゴンクエストの漫画・アニメ