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一般特性 |
名称, 記号, 番号 |
ニオブ, Nb, 41 |
分類 |
遷移金属 |
族, 周期, ブロック |
5 (VA), 5 , d |
密度, 硬度 |
8570 kg/m3, 6 |
色 |
光沢のある灰白色
![ニオブ](../../../upload/shared/thumb/f/f4/Niobium_metal.jpg/120px-Niobium_metal.jpg) |
原子特性 |
原子量 |
92.90638 amu |
原子半径 (計測値) |
145 (198) pm |
共有結合半径 |
137 pm |
VDW半径 |
データなし |
電子配置 |
[Kr]4d4 5s1 |
電子殻 |
2, 8, 18, 12, 1 |
酸化数(酸化物) |
5, 3(酸性酸化物) |
結晶構造 |
体心立方構造 |
物理特性 |
相 |
固体 (常磁性) |
融点 |
2750 K (4491 °F) |
沸点 |
5017 K (8571 °F) |
モル体積 |
10.83 ×10-3 m3/mol |
気化熱 |
696.6 kJ/mol |
融解熱 |
26.4 kJ/mol |
蒸気圧 |
0.0755 Pa (2741 K) |
音の伝わる速さ |
3480 m/s (293.15 K) |
その他 |
クラーク数 |
0.002 % |
電気陰性度 |
1.6(ポーリング) |
比熱容量 |
265 J/(kg*K) |
導電率 |
6.93 106/m Ω |
熱伝導率 |
53.7 W/(m*K) |
第1イオン化エネルギー |
652.1 kJ/mol |
第2イオン化エネルギー |
1380 kJ/mol |
第3イオン化エネルギー |
2416 kJ/mol |
第4イオン化エネルギー |
3700 kJ/mol |
第5イオン化エネルギー |
4877 kJ/mol |
第6イオン化エネルギー |
9847 kJ/mol |
第7イオン化エネルギー |
12100 kJ/mol |
(比較的)安定同位体 |
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
ニオブ (Niobium):原子番号 41 の元素。元素記号は Nb。バナジウム族元素の一つ。灰白色の金属(遷移金属)で、比重は 8.56、融点は摂氏 2415℃(異なる実験値あり)、沸点は 2900℃(4758℃という実験値あり)。常温、常圧で安定な結晶構造は、体心立方構造 (BCC)。空気中で酸化被膜を作り内部を保護。耐食性、耐酸性がある。酸化力のある酸やフッ化水素酸には溶ける。展性、延性に富み(タンタルより軟らかい)、加工し易い。原子価は、+2価~+5価。
[編集] 用途
ニオブの金属間化合物には、高温超伝導物質を除けば比較的高い超伝導転移温度を持つものがある(←Nb3Sn、Nb3Al:リニアモーターカーなどの超伝導磁石に利用される)。海水に対する耐蝕性を高めたステンレス鋼に添加する。 タンタルの替わりにニオブを使った電解コンデンサが登場している。
[編集] 主な産出国
[編集] 歴史
ハチェット(C.Hatchett)が1801年に発見。発見当初は「コロンビウム」と呼ばれた(原料のコロンプ石が由来)。現在でも一部でこの呼び名が使われている。タンタル石にもニオブが含まれる。タンタルと性質が似ているため、ギリシャ神話のタンタロス (Tantalos) の娘のニオベ (Niobe) にちなんで命名された。
[編集] ニオブの化合物