ネップ
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ネップ(露:Нэп、英語:Nep)とは、ロシア内戦直後にソビエト連邦で行われた新経済政策(露:Новая экономическая политика、英:New Economic Policy)のこと。戦時共産主義による国民の疲弊を救うために1921年3月21日に施行された。
食料税の導入と、税納付後の残余農産物を自由に処分してよいことが特徴である。しかし、結果としてネップマンと呼ばれる私的商人・私的実業家の出現を許し、社会主義体制との矛盾が生じた。そこで、第一次五ヶ年計画においてヨシフ・スターリンが否定的評価を下し、農業の主体はコルホーズに移行していく。
しかし、ウラジーミル・レーニンは1922年、レフ・カーメネフに「ネップがテロルに終止符を打つと考えるのは最大の過ちである。我々は必ずテロルに戻る。それも経済的テロルにだ」と書簡を送っていた(参考資料:『レーニンの秘密・上下』、ドミートリー・ヴォルコゴーノフ、NHK出版、1995年)。レーニンにとってネップとは、内戦とその後行われた圧制との間のクッションに過ぎなかったのである。
[編集] 関連項目
- 計画経済
- ネップマン
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