ヒトデ
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?棘皮動物 | ||||||||||
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Ochre Sea Star Olympic National Parkの海岸にて |
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ヒトデ(海星、人手、海盤車)は、ウニ類やナマコ類と同じ棘皮動物のひとつで、星型(多くは五芒星形)をした生物。 英語では starfish (星の魚)あるいは Sea star (海の星)と呼ばれる。
目次 |
[編集] 概要
多くは5本、あるいはそれ以上の腕をもち、この腕を使って自由に移動する。 腹側中央に口がある。肉食で、貝や死んだ魚などを食べる。 一部分が切除などによって失われたときに再生をする。 また、自発的に体部を分断し、各分体を再生させることにより増殖(分裂・自切)する種も存在する。
ヒトデの大きさは、「輻長(ふくちょう)」(中心から腕の先までの長さ)であらわす。
[編集] ヒトデの種類
ヒトデ綱
- アカヒトデ Certonardoa semiregularis(ホウキボシ科):朱色、腕は細長く輻長約10cm。
- イトマキヒトデ Asterina pectinifera(イトマキヒトデ科):腕は短く、五角形の糸巻の形に似ている。輻長約6cm。
- オニヒトデ Acanthaster planci(オニヒトデ科):輻長約15cm。
トゲに強い毒を持つ。珊瑚を主食とする。
- スナヒトデ Luidia quinaria(スナヒトデ科):輻長約14cm。
- ヤツデスナヒトデ Luidia maculata(スナヒトデ科):輻長約20cm。
- タコヒトデ Plazaster borealis(タコヒトデ科):30本前後の腕をもつ。
- マヒトデ(ヒトデ)Asterias amurensis (ヒトデ科):輻長約10cm。
- ヤツデヒトデ Coscinasterias acutispina(ヒトデ科):腕はおおむね8~11本。
別の綱
- クモヒトデ brittle star(壊れやすいヒトデ;クモヒトデ綱に属する生物の総称)
- クモヒトデ(ニホンクモヒトデ) Ophioplocus japonicus :輻長約6cm。
[編集] 人間とのかかわり
基本的に食用には適さない。熊本の天草地方では、春の抱卵期に、地元で「ゴホンガゼ」と呼ばれるマヒトデを塩茹でし、その卵を食べるという食習慣がある。味は薄味のウニミソのようで多少の苦味がある。苦味の主成分はサポニンである。
カキ、ホタテ、アサリ、ウニ、アワビ稚貝などを捕食するほか、漁業用の置きえさにもたかる。そのため、漁業関係者には迷惑がられ、大量発生すると駆除・捕獲して埋め立て、あるいは堆肥化などの形で処分される。 オニヒトデはサンゴのポリプを食べ、サンゴ礁に打撃を与える。 バラスト水によって日本などからもたらされたマヒトデが、オーストラリアの養殖カキやホタテを食い荒らし、深刻な被害を与えている。一方でクモヒトデなど有害物などを食べて海をきれいにする種もいる。
[編集] ヒトデをモチーフにしたキャラクター
[編集] 参考図書
- 『ヒトデガイドブック』佐波 征機 (著), 入村 精一 (著), 楚山 勇: ティービーエスブリタニカ ; ISBN 4484024101 ; 2002.07.